スツール

Sukkuのクスッと笑わせて

2025.02.16 更新

 2月に入り立春を過ぎた頃から、こちら南丹市は一段と寒さが増し、氷点下の日が続い
たと思っていたら、先週末は久々の大雪となりました。大人は雪かきに精を出し、子供達
はかまくら作りやソリ滑りを満喫。そしてお昼は、大鍋にたっぷりのおうどんを作り、作
ったばかりのかまくらの中で食べることにしました。「しみる~」とか言いながら食べた
昼食は心も体もほこほこに。その後は、子供たちからの雪合戦リクエストに応え(やるか
らには本気で応戦します)、くたくたの一日となったのです。
 スキーやスノーボードも楽しいけれど、こんな何でもない雪遊びもいいもんだなぁと感
じた休日。今週末は、滋賀県の山を楽しむ予定です。

コラム「生きる。」


利用者さんの紹介は、今回が最後になると思います。
多田さん(仮名)男性の方です。
 多田さんは現在65歳。大学を卒業した後、京都の会社に入社。定年まで勤め、数年前
に退職されたばかりです。とっても仲が良い奥さんとの二人家族。今まで忙しかった分、
定年後は二人の時間を大切にしようと、趣味の旅行やカフェ巡りなど様々な計画をされて
います。キャップやニット帽など、帽子をオシャレに着こなす、とても素敵な人です。
 そんな多田さんはある日、突然ひどい頭痛に襲われます。尋常ではない痛みだったので
、急いで病院を受診。結果、悪性の脳腫瘍と診断されました。入院、手術、放射線治療が
始まり、しばらくしてSukkuの利用がスタート。ご利用開始時の状態は、左肩の痛みと左
下肢の麻痺。左側の空間を認識することは難しいけど、杖を使用しての歩行は可能。長い
会話や、細かいやり取りは困難だけど、大体は理解されている様子。発語もあり、意思表
示も伝わります。脳腫瘍の治療は少しでも可能性がある限り続け、リハビリもしっかりと
頑張りたい!という、強い気持ちを持って来てくださいました。
 ご利用時は多田さんが理解しやすいよう説明を工夫し、左の空間を認識できないことに
配慮しながら対応します。治療による吐き気や痛みが強い日、会話の理解度が乏しい日、
思うようなアプローチができない日。色んな日があるけれど、その日、その日、今日の多
田さんに向き合う日々。けれども、リハビリを開始して3か月を過ぎた頃から、コミュニ
ケーション能力の低下が著名となり、発語が徐々に減ってきます。全身の倦怠感も日を追

うごとに増す様で、表情も乏しくなる一方。最近の状態から考えて、Sukkuでのリハビリ
だけでなく、腫瘍に対する治療、自宅での生活など、様々な面での見直しを図ることにな
りました。
 しかし、そんな矢先、奥さんの乳がんが判明したのです。
「なんで…」と頭を抱えた私たち。多田さんだけでなく、奥さんの治療も並行して進めら
れるように、今後の方針を再検討することになりました。多田さんご夫婦は、いつも、何
事も、二人で決めて行動されます。今回の病気も、二人で考え、治療方針を選択されまし
た。
 奥さんの入院中は、多田さん一人で自宅での生活はできないので、ケアマネージャーさ
んが様々な手配をし(本当によく的確に動いてくださった…)、その甲斐もあってか、奥
さんの治療は順調に進みました(乳がんは幸い初期の段階で、手術で取り除くことが出来
ました)。けれど、奥さんの入院中に多田さんの歩行能力が著しく低下(予想していた事
なのですが…)。今まで、一人の見守りで可能だった歩行が、二人になり、今では三人の
介助で歩いています。また、意思の疎通や理解力も低下し、多田さんの想いを汲み取るこ
とが難しい日も増えてきました。
 このような状態でもSukkuでリハビリすること、歩いて移動することに意味はあるのか
?と思われる方もおられるでしょう。私達もそこを考えないわけではありません。しかし
、リハビリを頑張りたい!おれはまだまだ歩ける!生きる!という思いがある限り、私た
ちは向き合います。多田さんの想いを尊重します。

 多田さんの病気は進行しています。
 利用から半年が過ぎましたが、状態は明らかに悪化しています。
 多田さんの未来はそう長くないかも知れません。
 それでも私たちは、多田さんの「生きる」力を信じ、共に頑張ります。(おしまい)

最終コラム「嬉しくて楽しくて辛くて苦しくて。けど少し寂しくて。今までありがとう
。」

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