8月も中旬になりましたね。私たちは先日、一足早く夏休みを取って、立山連峰に登っ
てきました。4日間滞在したのですが、約10時間の縦走に挑戦したり、のんびり登った
り…連日様々な楽しみ方をして過ごしました。何よりも、お天気に恵まれ、とっても素晴
らしい景色の毎日!この景色に出会えるから、また山へ行ってしまうのかな。
残りの夏山シーズンも、楽しみたいと思います!
コラム「実は少し有名なギターリストです」
今回紹介したい方は、63歳男性の岡坂さん(仮名)です。
岡坂さんは、40代でくも膜下出血を発症。その後、約20年の間で何度も脳梗塞を繰り返
します。麻痺はほとんどないものの、徐々にバランス能力が悪くなり、転倒することが増
えてきました。股関節の不調も抱えています。
長年、東京で暮らしていましたが、少しずつ生活にも支障が出てきたため、数年前に地
元である南丹市へ戻ってこられました。
そんな岡坂さんは、元ギターリスト。私たちがよく知っているミュージシャンの演奏な
どでも活躍されたとか。どこかフワッとしていて一人だけ宙に浮いたような?雰囲気の方
です。とにかく温厚で、マイペース。口癖は「まぁ、大丈夫ですね。」(その場合、だい
たい大丈夫ではない)毎回、色々なバンドのTシャツを着てこられるので、私は密かに楽
しみにしていたりします。私は、職業ミュージシャンの方にお会いしたことがないので、
一体どんな生活なのか?色々と聞いてみました。ミュージシャンの方が皆さん同じではな
いと思いますが…岡坂さんの場合はこんな感じです。
まず、朝は起きられません。
ピンポーン押して待つこと数分…明らかに今起きたやん!と言う状態で毎回出てきます
。(それならば!と、勝手にモーニングコールを始めたのですが、数回目でやんわり断ら
れました。)
お酒中心の生活です。
基本的にずっと飲んでいるらしく、机の上には常にお酒が置いてあります。(先日は、血
圧のお薬をお酒で飲んでしまい、看護師に叱られていました。)
そして、食べるものに興味はほとんどありません。
栄養とか考えた事ない。とのこと。(そうやと思ってた。)
こんな感じで、岡坂さんは隠し事をしませんし、聞かれたことは何でも正直に答えます。
岡坂さんの体にとったらよろしくない生活なのですが、「まぁ、大丈夫ですね。」の一言
で全てがまとめられます。
明らかな寝起きでSukkuにやってくる岡坂さんですが、トレーニングは真面目にこなし
ます。その甲斐あってか、少しずつ筋力もついてきて、バランス能力は改善してきました
。しかし、股関節の調子が良くなる気配がありません。力が抜けることが増えてきて、本
人からは手術を考えているような発言がありました。
私の分かる範囲で股関節手術のメリットとデメリットを伝えました。
メリット:痛みがかなりなくなる事、左の股関節の力が抜けることもなくなること、歩き
やすくなる事。
デメリット:生活で支障が出る動作があること。岡坂さんの日常は、床に座布団と背もたれを敷いて、こたつ机の前に座っておられます
。(机でお酒を飲んで、そのまま寝れるから良いらしい…)その生活は、股関節を曲げる
ことが多く、手術後は椅子生活に変えないと脱臼する恐れがあります。
私が、手術するなら生活様式を変える必要がありますよ。と伝えると、「そうですか。ほ
なやめよ。」と岡坂さん。私は思わず「やめるんかい!」と言ってしまいました。
説明しながら、生活変えられへんやろなーって思ってましたが。
岡坂さんとは、長い付き合いになりそうです。
掘り起こせば、まだまだ色々と出てきそうです。
その人に合った関わり方を模索しながら、その方に合った支援をしていこうと思います
。(おしまい)
次回コラム「私は昔からぼけ太郎」