スツール

ターバン女のひとりごと

2024.07.15 更新

『踊る日本人18』

ついに盆踊りシーズン到来である!

この時期になると鼻息荒く眼球を開き切り、ネットで情報を探しているのだが、今年も郡上おどりのイベントが、京都市役所前で開催されるという情報を嗅ぎつけた。

前回は夫が付き添いだったものの、一人で輪に飛び込んで見事に洗礼を受けて帰ってきた。(過去記事『踊る日本人⑥〜⑧』参照)

今回は直前で、そうや、踊り部会(保存会の中で指導をするグループ。参加平均年齢たぶん70歳代。実は私も今年から入らせてもらっている)の人も誘ってみよう、と閃いた。

踊り部会のグループラインに書き込むと、急な誘いにも関わらず数人が「いけるよ!」と即レス。その中の一人は、お孫さんの運動会を観てから会場へ向かうと言う。

70代〜80代とは思えぬ、フットワークの軽さ。

自分よりもかなり年上の方々だが、踊り、という共通のパッションを持ち合わせているためか話が異様に早い。

当日は気分を盛り上げるために、頂き物の浴衣に、人生で初めて自ら購入した麻の帯(着物関係は99%頂き物なのだ)を締めていくことにした。

この帯の柄は、狐たちが盆踊りを楽しそうに踊っているという大変愉快な祭りのワンシーンが描かれている。

狐、盆踊り、提灯、祭・・・ネットで見た瞬間、「こ、これは私以外に誰が締めるねん!!」と謎の使命感で居ても立っても居られなくなり、少しでもお安く買いたいとメルカリで血眼で探し出し、半額で購入したという経緯がある。

多分、婆さんになっても締めれるので、短く見積もってもあと40年はいける。

もう何なら葬式で棺桶の中に入れて欲しいくらいのレベル。

しかしあの婆さん、踊るの好きやったなあ・・と孫たちがひそひそ話しているシーンまで安易に想像できる。

こうして、祭り好き御一行をアテンドして現場へ向かった。

到着すると、中央には櫓が組まれ、浴衣で下駄を履いた郡上ファンたちでひしめき合っていた。年齢層は様々。10代〜80代の老若男女。その周囲をなんだ何だ、と見物してる人たち。

その中を我らが踊り好き御一行がぐいぐい輪の中へ入っていく。アウェーの場所へ行くときは多少の図太さは必要である。

聞くと簡単な郡上おどりのレクチャーが始まっていた。誰かが前へ出てきてゆっくりと説明してくれるのかしらと思っていたら、聞こえるのはアナウンスのみ。

「みなさん!踊りが上達するコツは、上手な人を探してその真似をすることです!」とアナウンスは響きわたった。

一斉に周囲がキョロキョロしだす。うまい人、どこにおるねん。口をポカンとしてるうちに、地方(じかた)さんたちが櫓に上がり、お囃子が流れ出し、郡上おどりが始まったのだ。

つづく

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