スツール

ターバン女のひとりごと

2024.04.16 更新

『踊る日本人15』

息子は学校から配布されたお手紙などを、なんの意味もなく連絡袋にしまっているのが通常なのだが、ふと気になって開けてみるとどっさりと溜まっていた。

その中に京都府が小学生を対象に、日本の伝統文化を知ってもらおうという趣旨で、歌舞伎公演を優待価格で観れると言うチラシが入っていた。

見た瞬間、「キターーーーーーーーーーー」と歓喜する。

長らく連絡袋に溜め込んでいたわりには、日付はまだ、過ぎてい・な・い!

歌舞伎は以前から観に行きたいものの一つで、こんな値段で観れる機会はなかなかない。前のめりに鼻息荒くなる。

華やかな衣装、舞台、地方さんのお囃子、役者さんの踊り、総合的に伝統文化を堪能できる!

だが、11歳の息子が観に行きたいかどうかは別だ。あくまでこれは小学生を対象としているし、前のめりの保護者向けではない。

正月に能楽堂で子ども向けの狂言会に息子を連れて行った際、割と楽しんでいたので、「しめしめ、これは歌舞伎もokだろう」と目論み、

「歌舞伎見にいくか?」と前のめり感を必死で抑えながらしれっと聞いてみると、「いいよ」との返答。心の中でガッツポーズ。

善は急げとすぐにチケットをとり、ほくほくとした気分になる。

しかも日にちは3月20日の春分の日。これは縁起がいい。

あ、せっかくやし着物を着ていこう!と思い立つ。

帯結びはまだなんとなく自信もなかったので、義母からいただいた黒羽織を着てしまえば、中のアラは隠せるだろう。

昭和の入学式で流行った黒羽織。今の時代ではあまりお目にかかることはないのだが、義母からいただいたとき、「なんか格好いいなあ」、当時着物に興味がない私でも、「羽織る予定はないが、大事にしまっておこう」と思えたひとつなのだ。

と言うわけで当日なんちゃって着付けをして準備していたら、息子に「それで、行くの?」と微妙な表情をされる。黒絵羽を羽織ると、「うん、そっちの方がいい」と息子なりに納得していた。

高島屋の地下ですき焼き弁当二個を買い、キースヘリングのエコバッグに詰め込んで、歌舞伎座へいざ出陣。

つづく

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