スツール

スツール通信~タイムスリップ~

2023.07.15 更新

 こんにちは、カメラマンの竹内です。 先週は人の出逢いや繋がりの不思議さのオンパレードでした。

新譜や過去の欲しいCDが多すぎてちょっと手に負えないから、サブスクに入って自由にいっぱい聴こうと思ってたけれど、逆にいつでも聴けるという変な安心感からか全然聴かないのです。ポチッと押してダウンロードすればそれですぐに手の平に来てくれるのに、全然ポチッとしなくて、結局同じミュージシャンばっかり聴いている事にあるとき気付きました。 そうか、俺は広げるより深めるタイプなんだと分かりました。

内なる声に耳をすませると、レコードに戻りなさい、、と聴こえました。なるほど、そうかも。確かに何よりもいい音だ! 決断は早いです。先ずはほぼほぼCDを手放しました。次にオーディオに着手。レコードプレーヤーはカヨのモノを実家から手配。問題はプリメインアンプとスピーカー。今使っているミニコンポには新しすぎて、プレーヤーを繋ぐPHONO端子が付いていない。PHONOイコライザーを間に噛ませると使用可能になるが音が劣化してしまう。中古のプリメインアンプを探し始めてもイメージしているものが見つからない。さぁどうしよう、途方に暮れる。

いつものように現像所にフィルムを預けに行き、ふッと横に目をやるとレコード盤が回転していた。そうや、そう言えばいつもお店はレコードでJAZZが流れてたんだ。 現像所の社長にかくかくしかじか話しをして、こういうオーディオを手に入れたいことを伝えると、なんと長岡京にお住いで、尼崎にあるコンサートホールの元音響の上野山さんという方が古いオーディオを修理して、破格値で販売されていると教えてもらった。 さぁすぐ電話。 何やら工房は南丹市にあるそうで、数日後会いに行きました。 廃校になった五ヶ荘小学校が今、森の学舎という名でアートスペースに変わっていて、その図工室が工房になっていた。所狭しとアンプやスピーカーやカセット、検査機器などがギューギューにひしめきあっていた。なんとも素晴らしい光景、音の広場だ! 竹内さんにはこれをおススメしますとプリメインアンプとsansuiのレトロなデザインのスピーカーを見せて頂いた。 しかもとても安価!! えっーホントですか?買います買います、買わせてくださいぜひ。 お値段も素晴らしいけれど、何より音が良質で伸びやかで深くて円やか。

自分はロック好きだと伝えると、柳ジョージが大音量で鳴り響く。ウォー、しかも小学生の時に初めてジョージを聴いて大感激したアルバムだ! 大好きな曲 “遺言” が鳴り響く。 街中ではこんなボリュームで仕事ができないから、渡り歩いてここに辿り着いたと教えてくださいました。 上野山さんが20歳の時にFM・NHKをエアーチェックしたJAZZ番組のカセットテープ。50年前のカセットが今ボクの目の前・耳の前で、素晴らしい音色で響いていました。僕が仕事でもテーマにしている普遍性がここにありました。

コーヒーをご馳走になったあと、絵の展覧会の準備をされている談話室に案内された。おばさん2人が準備を終え、お喋りをされていた。う~ん、普通の人とはちょっと雰囲気が違うなぁ、なんだか美術の匂いがするなぁこの人たち。。 お喋りをするとそのうちのお1人がやっぱり造形の作家さんだった。 そしてなんと29歳まで大山崎に住まれていて、そしてなんとカヨが通っていた造形短大の10年先輩だった。 エッ、こんなことある? 体と顔が高揚していくのが分かった。アトリエとして使われている横の木造校舎の教室を案内してくださった。 人・モノ・場所のタイムスリップ感が凄すぎて、どうだと言わんばかりに浴びせかけてくるようだった。帰り道はなんだかもうクタクタでヘロヘロだった。胡麻駅と書かれた看板を通り過ぎたところで、あっそういえば10年程前、ごま油・山田製油さんの撮影のためにここへ来たなぁーと思い出した。自分の仕事でもタイムスリップできて、少し微笑んだ。

数日後、メンテナンスされたオーディオがアトリエに設置されました。

みなさんどうですか、レコードライフ、、、ご紹介しますよ。

いよいよ本題、、、書きたかったのですが、壮大すぎるのでとても書くパワーが残っていません。8月1日のスツール通信に書きますので、乞うご期待!

ご予約ご質問