スツール

Sukkuのクスッと笑わせて

2023.06.15 更新

6月に入り梅雨入りしました。梅雨入りすると困ること、それは私の髪型です。私は天然パーマです。梅雨入り宣言前には髪の毛が一層収まらなくなります。そして必ず、「パーマあてはったんやね!」と言われます。スツールのコラムを読んでいただいている方で天然パーマの方は、分かって下さると思います。特に髪の毛が長いと耐えられなくなりますね。何だか昔より収まりきらない具合がひどくなっているようにも思います。
義理の父には「天パーで髭の濃い奴は禿げる!」と言われていますので、そうならない様に日々努力して規則正しい生活をしています。
特別なことはいらない。お金をかけない。食事と睡眠時間の確保。
常にそれを心がけています。
おかげで義理の父よりはフサフサです。

55コラム「すべてに一喜一憂」です。


今回は、70歳代後半の女性で、土田さん(仮名)です。
10年ほど前に脳梗塞になり、左側の手足に麻痺が残っています。移動は杖をついて歩いておられます。料理や洗濯などの家事は、麻痺のない右手でされます。調理は時間がかかりますが、食材を切る、皮をむくのもお手の物。得意料理はハンバーグです。もちろん、食後の皿洗いもします。何事にも一生懸命取り組み、障害を言い訳にしない尊敬できる方です。
そんな土田さん、脳梗塞の影響か?はたまた元からの性格なのか?何に対しても全力で一喜一憂されます。
まず、阪神タイガース愛が凄すぎます。
昨年末に新監督に岡田監督が決まりましたが、次の日から「もう優勝する!」と満面の笑み。いざプロ野球が開幕し、土田さんの願い通りに阪神タイガースの好調が続くと、自然と歩行スピードもあがります。そして、一位になった辺りから毎週タイガースに関する新聞記事(特に岡田監督の記事)を切り抜いて私にくれるようになりました(もれなく私も阪神ファンです)。その時になぜか、「巨人ファンには見せへんようにしてな。」と、こそこそ声で渡してくれるのです。その行動が明らかに挙動不審すぎて、スタッフもほかの利用者さんも毎度大爆笑。逆に負けが続くと、とても不機嫌な顔で来られます。本当に全力で一喜一憂なのです。
阪神タイガースの勝ち負けだけでなく、日常の小さな出来事から大きな出来事までどんな事にも全力で一喜一憂しますが、先日の病院受診でも本領が発揮されました。
土田さんが診察を受けているのは大きな病院なので、どうしても予約時間より遅くなることが常なのですが…土田さんはそんなの気にしません。予約時間のずいぶん前から待合室でスタンバイします。右手に杖を持ち、右半身は前のめり、お尻は半分だけ座った状態。次こそは自分の番や!と思い、いつ呼ばれてもすぐに立って歩けるように(早押しクイズに出てるみたい)、ここでも一生懸命に全力で待ちます。気が付くと、その状態で1時間が経っていました。もちろん、呼ばれた時にはすでにクタクタ…。
次の日迎えに行くと、開口一番「昨日、診察待ちで疲れて…。」
確かに足が棒の様になっていました。全身が緊張状態で、歩行にも影響が出ています。
「土田さん、待つ時間長いんやから、早く行きすぎたらあかんで!」って伝えても、それは出来ません。
「私は、私の次に待っている人のために少しでも早く終わるように、呼ばれたらすぐに行ける様に準備してんねん!」と、なぜか息切れをしながら話されます。(思い出したんやろか・・)思い出すときも、全力で一生懸命です。

Sukkuの看護師は巨人ファンです。
大ファンといったわけではなく、前日の試合の勝敗を気にする程度です。
しかし、土田さんはなぜか大ファンだと思い込んでいて、阪神の話(特に勝ち)について話す時は、小声で話します。本人は刺激しないようにしているつもりなのですが、小声でも十分にみんなに聞こえる声です。
私が、普通に話したら良いよ!って伝えても「あの子、巨人ファンやろ?あの子、野球の話したら、一喜一憂するやんか~。だから小声で言ってるんよ~。」
それを聞いた私は絶句。
一喜一憂は土田さん、あなたですから!(おしまい)

次回コラム「安生してもらって~。」

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