スツール

ターバン女のひとりごと

2023.02.15 更新

『踊る日本人①』

かれこれ盆踊りを習い始めて6年ほどになる。

いろんな祭で踊らせてもらった。ここ数年はそんな機会もめっきり減り、ただ練習を楽しむ。ちょっとさみしい。

踊れば踊るほど日本人のDNAが身体中で騒ぎ、伝統的なものが結局一番しっくりきて、かっこいいのではないかと思っている。

それを確信したのが、子供の小学校の運動会である。

毎年決まって学年ごとに、花笠音頭やソーラン節などを披露するのだが、初めて子供たちのその踊りを見たときに、「え!」と愕然とした。

ちゃんと腰が入ってる!まるで遥か昔から踊ってるような自然な動き!

日本人が日本の伝統的な踊りを踊る。

これは当たり前のことなのに、すごく感動する。

しかし世間では他国の文化が人気なのは否めない。伝統的なものはあまり人気がないように感じる。

どんどん淘汰されていってしまうのだろうか。

自分の子供でさえ、踊りの練習に連れていっても、年頃になってくると「恥ずかしい」と言って、逃げ始める。

家でわたしが練習していても、全く関心がない。

興味を無理矢理持たせることは不可能なのだ。

ところが去年のある日、子供が「全校集会で六年生が長岡京音頭を踊ってた!」と言い出し、自ら節を歌い出し、なんとな〜く踊って見せてきた。

え!

まさにそれは保存会で毎回練習してる踊りではないか!

「ちょっとちょっとちょっと〜、それいつも踊ってるやつ!学校に呼んで!お母さん、踊りに行ったのに!」と、興奮する。

それを聞いて若干嫌な顔をしたのを見逃さなかったのだが、大して関心を示さなかったのが急に、

「ちょっと教えてほしい」

と言い出してきたのである!

上級生が踊っているのが余程様になっていたのか。

あれ?これ、お母さんがいつも踊ってるやつやん、とリンクしてなのか定かではないが、とにかく関心を示している!

音楽をかけ、踊ってみせる。

息子も見様見真似で踊る。

これ、これ、これ!

こーいうやつ!

やっぱり同じ子どもが真剣に踊っている姿を見ると、多少なりとも関心を示すものなのか。

胸がじいんと熱くなる。

その後の冬休み中、久しぶりに保存会の練習に息子を連れていくと、予想外な出来事が起こったのである。

つづく

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