『踊る日本人①』
かれこれ盆踊りを習い始めて6年ほどになる。
いろんな祭で踊らせてもらった。ここ数年はそんな機会もめっきり減り、ただ練習を楽しむ。ちょっとさみしい。
踊れば踊るほど日本人のDNAが身体中で騒ぎ、伝統的なものが結局一番しっくりきて、かっこいいのではないかと思っている。
それを確信したのが、子供の小学校の運動会である。
毎年決まって学年ごとに、花笠音頭やソーラン節などを披露するのだが、初めて子供たちのその踊りを見たときに、「え!」と愕然とした。
ちゃんと腰が入ってる!まるで遥か昔から踊ってるような自然な動き!
日本人が日本の伝統的な踊りを踊る。
これは当たり前のことなのに、すごく感動する。
しかし世間では他国の文化が人気なのは否めない。伝統的なものはあまり人気がないように感じる。
どんどん淘汰されていってしまうのだろうか。
自分の子供でさえ、踊りの練習に連れていっても、年頃になってくると「恥ずかしい」と言って、逃げ始める。
家でわたしが練習していても、全く関心がない。
興味を無理矢理持たせることは不可能なのだ。
ところが去年のある日、子供が「全校集会で六年生が長岡京音頭を踊ってた!」と言い出し、自ら節を歌い出し、なんとな〜く踊って見せてきた。
え!
まさにそれは保存会で毎回練習してる踊りではないか!
「ちょっとちょっとちょっと〜、それいつも踊ってるやつ!学校に呼んで!お母さん、踊りに行ったのに!」と、興奮する。
それを聞いて若干嫌な顔をしたのを見逃さなかったのだが、大して関心を示さなかったのが急に、
「ちょっと教えてほしい」
と言い出してきたのである!
上級生が踊っているのが余程様になっていたのか。
あれ?これ、お母さんがいつも踊ってるやつやん、とリンクしてなのか定かではないが、とにかく関心を示している!
音楽をかけ、踊ってみせる。
息子も見様見真似で踊る。
これ、これ、これ!
こーいうやつ!
やっぱり同じ子どもが真剣に踊っている姿を見ると、多少なりとも関心を示すものなのか。
胸がじいんと熱くなる。
その後の冬休み中、久しぶりに保存会の練習に息子を連れていくと、予想外な出来事が起こったのである。
つづく