Sukkuでは、4月に入り新しいスタッフが正式に加わりました。
約3か月パートで働いてくれた看護師が、4月から正社員になったのです!(Sukkuのような小規模のデイサービスでは、看護師を常勤にする事は大変難しいことなのです・・!)
最初は、パートで従事するという事で入職しSukkuでの勤務が始まりました。彼女は、とても落ち着いていて、穏やかで自分の職務に真面目に取り組む姿に感心していました。そして勤務が始まって2週間ぐらい経ったころ本人から、「とても楽しい職場なので、4月から正社員にはなれないですか?」という相談を受けました。私はとても嬉しかったですが、すぐに人件費の心配が始まりました。一人の社員が増えることは給料だけでなく、社会保険料や賞与も考えなければなりません。
看護師さんを正社員にして会社の経営は大丈夫なのか・・?
今のSukkuでそれだけの余裕があるのか・・・。
私が出した答えは・・・否。
けれど、この人材を逃がしてはいけないと私と妻は分かっていました。
考えました。そろばん弾いて考えました。
最後に行きついた答えは、今のままでは無理だ・・しかし、Sukkuをアップデートしたらいける!デイサービスは、人員の基準を見直したりして様々な加算を算定することが出来ます。それでようやく、なんとかなるだろうと。加算に伴う事務作業や申請手続きに向き合うこと数か月・・何とか手続き完了!
晴れて4月から、彼女をSukkuに正式に招くことが出来きたのです!
人が増えると経営者としての責任も増えます。
そうやって私は成長するのだと思います。親としても、経営者としても。
㊶コラム「平井さん、ウイッグ見えてる?」
さて、今回紹介するのは平井さん(仮名)。88歳の女性です。
この方は、普段は一人暮らしをされていますが、月に何回か娘さんが帰って来て平井さん一人ではできないことを手伝っておられます。
平井さん、若い時から家業の料理屋の手伝いをしていたので、お料理や食べることが大好きです。料理屋では天ぷらを担当する事が多かったそうで、得意料理の一つです。そして今でも月に1、2回はその料理屋さんで食事をされます。そして食事をした翌日にSukkuに来られると足がよく浮腫んでいます。そんな時は前日にラーメンを食べたときです。(お魚料理が自慢のお店ですが、ラーメンも売り出し中なのです。)「平井さん、昨日はラーメン食べたでしょ!」って聞くと「分かるけ?」と一言。週2回その方の身体を触っていると、前日に何を食べたか分かるようになります。(笑)
身体の方は長年糖尿病を患っており、徐々に視力が低下しています。特に自宅に届いた葉書などは文字が小さくて見えないためにSukkuへ持ってこられ、スタッフが内容をお伝えします。以前平井さんが持ってきた葉書に、聞いたこともない会社の名前が書いてありました。内容は、お金の振り込みを依頼する内容でした。「これ振り込んだらよいやろか?」と平井さん。「あかん!あかん!これは詐欺の葉書や!!」と伝え、事なきを得ました。住所も名前も合っていますし、いかにも公的機関でありそうな会社名でした。これは信じる人がいてもおかしくないです。皆さん気をつけてください。
また、平井さんはスタッフや他の利用者さんの話しにいつも興味津々です。先日、他の利用者さんたちと手相の話しになりました。みんなそれぞれ適当に手相を見せ合い、「生命線が長いな~」とか、「ますかけ線があるやん!」とか、賑やかに話していました。ちなみに、スタッフも利用者さんも誰も手相を見れる人はいません。(笑)
もちろん私自身も、手相は一切見れませんが、両手にますかけ線があります(自慢)。インターネットで調べると1000人に一人の確率とか・・・。要はすごい大人物になるらしい手相だそうです。(自慢)
そんな話しをしていると、平井さんが「私も見て!」と手袋を脱いで手のひらを見せてきました。ますかけ線があるのか、ないのかくらいしか知らない私・・。とりあえず生命線らしきものを見て「平井さん!これは長生きできるよ。90歳までイケルで!」と言うと、平井さんは「そうか・・。あと2年しか生きれへんのか・・・」と残念そうな顔。
しまった!平井さん88歳やった!
それを見ていた周りの人は大笑い。
ごめん。平井さん。
長生き出来るよ。って伝えたかっただけやねん。
そんな平井さん、Sukkuに来る時はウイッグをつけて来られます。つけていなくてもあまり気にならない位ですが、必ずつけて来られます。でも、視力が低下している影響もあってか、毎回同じところにはついていません。そして、運動するとずれます。かなりずれます。けれど、本人はずれていることに気付いていません。ある日、あまりにもずれていたので、勇気を出してスタッフが戻しました。すると平井さんは「ずれてるけ?ありがとう。直してくれんと、見えてへんのや」と笑いながら話されました。
平井さん、見えてないんやったらつけなくても大丈夫。
つけてなくても、十分チャーミングですよ。 (おしまい)
次回コラム 「突然の別れ」