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文学少女、ことこ。

2022.02.15 更新

『彼岸花が咲く島』李 琴峰

記憶を失って<島>の砂浜に倒れていた少女は、海の向こうから来たために宇実(ウミ)と名付けられました。<島>の支配者・ノロに憧れる少女・游娜(ヨナ)、密かに女の言葉・女語を覚えた少年・拓慈(タツ)らとともに、宇実はノロになるため努力する。そして、<島>の歴史が告げられるとき…。

今回の本の著書・李さんは、台湾出身の方です。けれど、どこか沖縄のようで、台湾のようなこの<島>は、とても特殊なところなのです。

最大の特徴は言語と文化。なんと、作中には3つの言語が出てきます。

◦「ひのもとことば」→宇実のみ。「あなたはまことに、<ニライカナイ>があるとビリーブしているの?」

◦「二ホン語」→<島>の言葉。「リーは真に女語、爛ネ。ノロなるなら更に努力(ヌリ)しろう」

◦「女語」→ノロの言葉。日本語とほとんど同じ。

文化も沖縄のもののようだけれど、多くの独自性があるのです。

実はこの本は、いろいろなメッセージ性を含んでいます。<島>とはどこなのか。<島>の歴史が、宇実たちに明かされるときに、この物語の意味がわかります。

一度読んでみて、考えてみてくださいね。

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