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Sukkuのクスッと笑わせて

2022.02.15 更新

㊴「頑固な93才。Sukkuは続いています。」

 2月に入りました。節分も終わり立春も過ぎて日々の生活も徐々に春に向かっていることを実感する毎日。そして、こんな田舎にもコロナの波がすぐそこに来ているという感覚。Sukku利用者さんにも陽性の方を認め、お年寄りを守ることが出来るのか?と言う不安が日々大きくなる。我が家の子供たちの周りにも感染者が出ていて、子供から私に私からお年寄りへ感染させないかと言う不安。自分やスタッフがコロナになったときに会社を休業させる準備と対応を考える。そして、再開してもまた利用者さんは来てくれるのか?と言う不安。そんな不安は常に心の中にはあります。
けれど、春が近づいていることを感じる陽の光。奥さんが昨年仕込んだお味噌が出来上がり、その味の美味しさを感じる食事。長男が通っている小学校の先生の愛情の深さを感じ、次男が通っている幼稚園の先生の諦めない強い気持ちを感じた週末。南丹市市議会議員選挙で必死に頑張っている候補者の方々。この人に投票すると自分のしたいこと、感じていることに共感してくれるかも知れないという淡い期待。色々なことを感じ、思いながら毎日を丁寧に生きていくことの大事さを改めて確認した2月の始まり。
皆さん大丈夫でしょうか?生きていくには色々な覚悟が必要ですね。

今回のコラム茂夫さん。
90歳を過ぎたじい様の茂夫さん(仮名)。今年93歳になられるじい様です。
若いときから一人親方として家の土壁作りをしていた方です。今ではほとんど見られませんが、当時は仕事も多く、腕一つで頑張ってこられました。しかし、阪神大震災以降家の作りがガラッと変わったらしく、それ以降仕事はゼロになったとのこと。ほかにも震災以降に仕事がなくなったと話してくれる利用者さんがおられましたが、震災は家の作り方も変えたのですね。
そんな職人気質の茂夫さんですが、呼吸器疾患と肺がんを患っておられます。高齢のため進行はゆっくりで、なんとか身の回りのことは出来ています。
Sukkuの利用が始まる時も担当のケアマネージャーからは「続かないかも知れませんがよろしくお願いします。」と一言。
ある雪の日の朝、迎えに行くと茂夫さんは真っ白な地面の上に立ち、見たこともない様な細くて長いタバコを吸いながら車に向かってきます。そして、そのタバコをポイっと投げ捨てて「お待たせ。」と言いながら登場。私が、「茂夫さん!タバコを吸ってしんどくないの?」と聞くと、「しんどくない。これ吸うとエネルギーが湧いてくるんや!」と、息が切れてヒーヒー言いながらも嬉しそうに話していました。それどころか、「娘には内緒やし、言わんといてや!」と。いやいや、においと吸い殻でバレてると思うで~と突っ込みを入れながら、車に乗り込みました。
90歳過ぎても好きなことを貫く。流石です。昭和一桁生まれは違います。
そして、Sukkuの事をとても気に入って下さっています。
数年前に奥さんを亡くされましたが、奥さんの介護も茂夫さんがされていました。肺がんを患っている影響で少し作業をすると息切れが起こるのに、最後まで寄り添いました。そして、その時から料理や洗濯は自分で出来るようになりました。
90歳を過ぎてもSukkuのトレーニングマシン8台を全部されます。呼吸器の疾患があるので逐一チェックをしながら実施して頂いてます。そんなある日、看護師から「茂夫さん、今日はしんどそうです。」と報告がありました。
顔を見ると、確かに疲れた様子。私が、「茂夫さん、今日は疲れてますか?」と問うと、「そうや。昨日は畑を2時間したんや。」と一言。いやいや、茂夫さん、あなたうちの自転車7分でしんどい言うてるのに。2時間て・・・。殺生な。
茂夫さんは週の半分は一人で生活し、もう半分は息子さんが仕事の関係で帰って来られるのですが、すこぶる仲は悪いです。でも、茂夫さんは息子さんのことを思っています。自分が若いときから苦労をしてきたからか、息子さんにはとっても甘いです。(ほかの利用者さんもそうですが、息子さんにはとっても甘く、娘さんにはそうでもない。と言う方が多い様に感じます。)何歳になっても子供のことが心配なんだろうな~。ということがよく分かります。しかし、そんな息子さんは結婚もして奥さんも子供もいます。なにより、もう60歳を過ぎています。茂夫さん口数は多くはないのですが、思ったことをストレートに話してしまうので、息子さんにも余計な一言を言ってよく喧嘩になっているようです。話しを聞いていると、放っといたら良いのに・・と思うことばかりです。私に言わせると、息の合わないバッテリーのような感じなのです。
夜ご飯を作ってあげることもあるそうですが、息子さんからすると頼んでもいない、仕事で帰りも遅い、外で食べてきた。と、食べないことも多く、茂夫さんは「せっかく、作ったのに・・・朝そのまま置いてあった!」とブツブツ言われています。もう息子さんもええ年やし放っとき!というのですが、無理なようです。

茂夫さんやっぱりまだまだ息子さんの事が心配でたまりません。
病気はありますが、今は夏野菜のことを考えることが楽しいみたいです。
息切れとも戦いながら、95歳まで頑張れるようにずっと私たちは応援していきます!
(おしまい)

次回コラム「昭和元年生まれ!一人暮らしで頑張っています!」

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