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文学少女、ことこ。

2020.08.25 更新

『空色勾玉』荻原規子

村娘・狭也はある日、「闇(くら)」の氏族の巫女姫だと告げられる。自分が闇(くら)の生まれと認めたくない狭也は輝(かぐ)の宮へと行くが、宮の神殿で夢を見ていた輝(かぐ)の末子、稚羽矢と出会い、狭也の運命は大きく変わっていく。

日本の神話を下敷きにして書かれたファンタジーです。狭也と稚羽矢の関係性が、すてきだと思います。

絶対に死なず、傷を受けても回復する輝(かぐ)の一族と、死んで生まれ変わり、くり返す闇(くら)の一族。狭也が、いつまでも若く美しい輝(かぐ)の一族に憧れる気持ちはなんだかわかる気がします。

幼く、世間を知らなかった稚羽矢と、村娘で自分の生まれを受け入れられない狭也が出会い、ひかれていくようすがいいと思います。

勾玉三部作の一冊目、おすすめです!

文/ 木下琴子

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