『きみの存在を意識する』梨屋アリエ
みなさんのまわりに、文字を書くのが、あるいは本を読むのが、「深刻に苦手」な人はいませんか?
この本は、語り手が話ごとに変わる連作短編集です。ディスグラフィア、ディスレクシア、過食症、化学物質過敏症などの中学生が出てきます。
できない言いわけだって、わがままだって、思っていなかった? 考えさせられました。
障害って、性って、自分って、権利って、配慮って、何だろう?
この物語の人々が、救われるわけではありません。認められて、手を差しのべてもらえるわけではありません。でも、何かが変わっています。
だからこそ、みんなに読んでもらいたいです。

文・写真/ 木下琴子