「そして、バトンは渡された」瀬尾まいこ
優子は、生まれた時から、水戸→田中→泉ケ原→森宮と、何度も苗字が変わってきた。
母親が二人、父親が三人いるけれど、優子は皆に愛されてきた。
優子は、あらすじだけ見ると苦労をしているようですが、苦労していても、いつも幸せです。冒頭の進路面談で不幸がなさすぎて、後で父親に次は「意地悪な人と結婚してくれ」と頼んだりしているほどです。
3人めのお父さん・森宮さんは、「父親の風格や威厳なんてものを一切持ちあわせてない」し、
「ひょうひょうとしている」し、「すぐおろおろする」人で、優子との会話がいちいち面白いです。
読み終えたら幸福になることまちがいなし。
2019年本屋大賞作、ぜひ読んでみてください!
文/ 木下琴子