④「校長先生のありがたいおはなし」
梅雨入りして、じめっとした日が多くなってきた今日この頃。
私の天然パーマは湿度70%を超えるともはや制御不能となり、思った通りの髪型になりません。それに、なんとなく身体がだるい。
今日はそんなだるさを吹き飛ばす、小学校の元校長先生岡村さん(仮名)80歳代男性のありがたいおはなしをしましょう。
この方がご利用される日は、男性利用者さんしかおられない日で、利用者さん達曰く“メンズショップの日”だそうです。
そんなメンズショップの日は、元トラック運転手・現役の電気屋・元土建屋・元国鉄社員・元教習所教員など多種多様な男性が集う日です。皆さん話し出すと、よく話しをされます。内容も多種多様。そしてたいていの場合、話しの始まり、きっかけは岡村さんです。岡村さんから話しが始まり、皆がその話しを膨らませ、最後も岡村さんがまとめる。岡村さんが話し始めると、みんないつの間にか生徒のように聞き入ってしまう。利用者さんの中には岡村さんのことを“先生”と呼ぶ人もいます。(実際、その利用者さんの子供さんが教え子)
先日の外出自粛期間中、岡村さんが急に「Sukkuでバーベキューしよう!」と言い出しました。話しはおおいに盛り上がり、他の男性陣もだんだんその気になり、よしやろう!という空気になりました。そこで私が、外出自粛期間中にSukkuが主催することは出来ないから、場所はSukkuで提供するし、岡村さんが発起人となりやりましょう!と伝えると、急にもごもごしだし、尻込みしだしました。そして最終的に「やっぱり密になると危ないからやめましょう!」と皆のやる気に蓋をして、今の話しはなかった事にしてしまったのです。そして、「時間になったし帰ります。」って帰りました。話しの盛り上げ方が最高でしたので、崖から突き落とされた感じになりしばらくぼう然となって岡村さんを見送りました。
また、岡村さんは長年教育現場に立ち続けた人ですから、組織をまとめる事についても色々と経験を持っておられます。その中でも印象的なのは、「チームはまとまりのない方が、良い方向へ進んでいく事が多い」というお話しです。会社組織を運営していると自分と似た考えの人を近くに置き、それ以外の方を遠ざけてしまう事があるけれど、自分と違う意見の人が近くにいることで、違う視点から物事を考えることが出来、結果的に視野が広がるのではないか。という話でした。それを聞いた時私は思わず「岡村さん!たまにはええこと言うやん!」って言ってしまいました。
岡村さんには個人的な相談もします。4月から長男が小学校に通いだしたのですが、私は突然教育父ちゃんになり、勉強についてあれこれ考えるようになっていました。そんな時、岡村さんは「まず学校に行くことを、楽しみにしないといけないんだよ。」って教えてくれました。さらに、「どの親も最初は、普通でいいって言う。でもいつの間にか、親の願望通りに子供を動かそうとするんやな~。」これを聞いて私は何も言えませんでしたが、それからは、子供が今楽しみにしていることを聞き出すようにしています。
そして岡村さんは、最近地球のことをとても心配しています。今回のコロナも、地球が怒っている。地震や災害が多いのも、地球が怒っているからだと言われます。そして、そう遠くない未来に地球が壊れるかも知れない。そう考えると怖い。といった話をよくされます。
それを聞いて私はいつも思うのです。
岡村さん、Sukkuには自家用車で来られているのですが、行きは前向きで駐車場に入ります。となると当然、帰りはバックで道路に出ます。そう、この時が一番危ないんです。本人はスタッフに、後ろ見てて~と頼まれますが、バックしてる時は窓も開けず、ずっと前を見ながら運転しています。その間スタッフが、岡村さんストップ!車来てる!って叫んでも窓を閉めているので全く聞こえてません。私もスタッフも、何度もひかれそうになっています。だから私は、地球がなくなるかもしれない怖さより、毎回行う岡村さんのバックの誘導の方が怖いんです。
そんな岡村さんは、50名程おられる利用者さんの中で、一番整理整頓が出来ない方です。請求書・領収書は一年近くカバンに入ったままで、自家用車には畑道具がそのまま積んであります。お金もあちこちから出てきます。
私はこの方を見て、話して、いつも心の中で思います。「整理整頓が出来なくても校長先生になれるんや。」そして、家では岡村さんの話しを子供たちに聞かせ、整理整頓が出来なくてもすごい人になれる!だから、片づけが出来なくても大丈夫や!って言ってます。(妻は怒っていますが)
岡村さん、毎回希望になる見本を見せてくれてありがとう!
→次回は「谷本さんのゴルフはアリ地獄!」です。