スツール

Sukkuのクスッと笑わせて

2020.09.10 更新

⑨「大事な会議で前歯が吹っ飛んだスタッフの紹介」

今回はSukkuのスタッフを紹介したいと思います。
開設準備から一緒に働いているスタッフがいます。名前は樋口さん。
年齢は私より少し上。以前勤務していた病院の同僚でしたが、家庭の事情で私より先に病院を辞められていました。
樋口さんの良いところは、とにかく飛びぬけて明るいところです。話し上手で、声が大きく、それはそれはとても大きな声で笑います。樋口さんがいるだけでその場は明るくなります。そして、困っている方に対して、一歩踏みこんでお節介が出来る。そう、何事にも一生懸命なのです。その姿を病院勤務時代に見ていたので、Sukkuを始めるときにまず、最初に頭に浮かんだパートナーは樋口さんだったのです。
開設する約1年前、居酒屋に樋口さんを呼び出しました。そして、理念などを伝え一緒に働いてくれないかと声をかけました。ヘッドハンティングです。返事は「OK」でした。

 開設してからの樋口さんの働きは、私の予想以上でした。Sukkuにお見えになる方は皆、樋口さんのトークを聞きに来ているのではないかと思うほどで、いつも笑い声がたえません。もちろん、持ち前の絶妙なお節介も発揮。利用者さんだけでなく、ご家族、ケアマネージャーなど、様々な人からの信頼を得て、どんどん突き進みます。
そんな樋口さん、明るく元気で頼りがいのある、とても気の強い姉御肌なのですが、正義感にも溢れているのです。
そのためなのか分かりませんが、良いことも悪いことも樋口さんには集まってきます。
例えば、最近問題になっているあおり運転。通勤途中にあおられて、腹が立ち、追い抜けないように車を道の真ん中に横向きに停車。あおってきた車を停めさせ、「何あおってんねん!」と一喝。すると、あおった車は窓を開けずに何かを言っている。あ~そうや。ワイドショーであおられて因縁つけられても窓を開けるなって言うてたな~。って、逆やん!
他には、車を運転中に竹やぶに人影と倒れた自転車が。何かおかしいと感じ、車を停めて見に行くと変質者発見!樋口さんは車を出て、変質者めがけて猛タックルをお見舞い。もちろん変質者はノックアウト。一緒に乗っていた夫が女子高生を確保し、警察に通報!これも逆やん!その後、変質者は余罪も見つかり、逮捕されたとのこと。後日警察に表彰をさせてくれと頼まれるも、当たり前の事をしただけと、断固拒否。
そんな、勇気と正義みなぎる樋口さんですが、仕事中に調子の悪かった利用者さんが亡くなったとの報告を受けると電話中でも泣き出します。そして、電話が終わると目を真っ赤にしながら仕事をします。
私は、樋口さんのことを見ていると喜怒哀楽の表現者!と思ってしまうのです。

 さて、私たちのような介護サービスに携わる事業者は、ご利用がスタートになる前に必ず、色々な職種が集まって会議をします。その会議で利用者さんの普段の様子や体調などを把握したり、今後の目標などを話し合います。
あれは、昨年の夏でした。新しく利用が始まる方がおられ、その方の自宅で、本人・妻・ケアマネージャー・他事業所スタッフ・樋口さんが集まり会議がありました。
その会議中、樋口さんがいつもの軽快な口調で話しをしていたのですが、急に声が小さくなり話すのをやめたのです。そして、大きく深呼吸をしてまた話しをしようとしたそのとき・・!「カラン」
なんと声を出そうと口を開けた途端、歯が飛び出てきたのです。最初、周りは何が起こったか理解できませんでした。しかし、樋口さんの顔を見ると前歯がないのです!樋口さんも恥ずかしそうに飛んだ前歯を探しています。そこで、ようやく何が起こったかみんな理解し、大笑いに。大事な会議なのに周りの人たちは、樋口さんの前歯が飛んだことしか印象に残らない会議になった!と言っていました。
聞けば、中学の時にソフトボールが当たり、前歯が抜けてそこから差し歯にしているとのこと。そういえば、私と話をしているときも一度前歯が抜けたことがあり、大笑いしました。人って前歯がないとすごく間抜けな顔になります。今でも樋口さんは、半年に1回は前歯が抜けそうになり急いで歯医者へ通っています。

ちなみに、このコラムを私が書いていることは本人には内緒にしていますので、自分のことを書かれているなんて全く樋口さんは知りません。
もし、知ったら・・・。
喜怒哀楽が爆発して前歯が飛ぶ、樋口さんを想像しながら終わります。 (おしまい)

次回のコラムは 「正美さんのベルトは、いつも反対」です。

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