スツール

Sukkuのクスッと笑わせて

2021.02.10 更新

⑲「命がけの同窓会」

1月も終わり2月に入りました。12分の1が終わりました。
皆さん今年立てた目標の達成度はどうですか?
私は1か月に2回登山することを目標にしています。(家族には内緒ですが・・)
1月は地蔵山と半国山に登りました。特に亀岡にある半国山は、渓流を横目に登山道が整備されとても気分良く登れました。そしてなによりも頂上からの眺望がよく、なんと大阪湾が見えました。半国山の渓流は最終的に大阪湾に流れるとのことで、自然のつながりを感じれてとても感動しました。やっぱり人間て自然の中で生きているんですね。

今回の登場人物は3名です。前回登場した田山さん、Sukkuご利用者さんの西野さん(仮名)
、そして二人のご友人の石田さんです。
石田さん以外はSukkuをご利用になっていますので、私たちもよく知っている方です。偶然にも小中学校の同級生が同じ曜日の同じ時間帯になりました。この3名は亀岡市で生まれ育ち、結婚を機に園部町へ来られた方です。昔からこの3人は1年に1回集まって食事会をされていました。若い時は泊りで色々行ったらしいですが、最近では年に1度のランチ会が恒例になっているそう。昨年も5月に3人で集まられました。
今回は、その時のお話しです。
田山さんと西野さんは同じご利用日ですので、ランチを終えてから二人でSukkuに来るつもりをされていました。しかし、3人とも80歳を超えている方々です。そして、Sukkuをご利用になっているということは何かしら体に障害を持っています。田山さんは腰と足が悪く杖が必要ですし、西野さんも腰と膝が悪く、特に腰は大きく曲がり膝は人工関節の手術を受けておられ杖で歩かれます。石田さんは・・・よく知りません。
同窓会は金曜日の11時。園部町の中心部にある、新しく出来た喫茶店が今回の集合場所です。
西野さんはバスを乗り継ぎ、シルバーカーを押して目的地へ。田山さんはご主人に車で送ってもらって到着。石田さんは・・・知りません。
喫茶店で美味しいランチと珈琲を飲んで楽しいお話しをして、トイレも済まし1時になりました。田山さん西野さんは二人でsukkuに行くためにそのまま石田さんとは別れました。
喫茶店からSukkuまで約500メートル・・・二人は歩いていくという選択をされたのです。まず西野さん、シルバーカーを押しているので比較的長い距離を歩けます。
問題は田山さんです。田山さんはその日ご主人に送ってもらったために、家に杖を忘れてしまいました。前回のコラムで書きましたが、田山さんは杖がないとほとんど歩けない方です。ではどうやって歩いたか?
たまたま、西野さんがシルバーカーに折りたたみ杖を入れていたらしく、それを借りてSukkuを目指しました。しかし、田山さんが普段使っている杖は4点杖。この4点杖は、杖先が4点になっていて、普通の杖より地面に接する面積が広いため安定して歩けます。(逆に言えば田山さんの場合、普通の杖になると歩きにくく、転倒の危険性が向上することを意味します。)
もちろん、西野さんの杖は普通の杖です。危ないながらもその杖を使いながら、田山さんは一生懸命に歩いていました。喫茶店からSukkuまでは信号が2つ。そのうち一つは国道9号線を渡ります。渡ってしばらくすると直線で250メートル先にSukkuがあります。
私が二人を目撃したのは残り50メートルの所。
腰を大きく曲げながらシルバーカーを押している女性の横で、杖に頼りながら左右に大きく身体を揺らし何とか歩いている田山さん。その姿はまるで綱渡りをしながら今にも綱から落ちてしまいそうな姿でした。
西野さんも、「隣でこけへんか、ヒヤヒヤしながら歩いてたんや~。」と…。
結局、田山さんはその日疲れてトレーニングは全く出来ず、二人はスタッフに怒られました。
そして、今年も3人の同窓会を行う予定が入りました。前回の同窓会はあんなことになってしまったので、西野さんが私にこそっと「来週集まるんや。」と教えてくれました。
またか。今回はさすがにSukkuのある日をさけて、1月14日に決まりました。
私はその後、どうやったか?をこそっと聞きました。
すると西野さんが、「1月14日に京都に緊急事態宣言が発令されたから中止になったんや!」
私は内心ホッとしました。
緊急事態宣言が出たおかげで、命がけの同窓会がなくなりました。開催されていたら、今回もどうなっていたか・・・。
京都府知事、あなたの判断は間違っていなかった。(おしまい)

次回は「所長は市民ランナー」

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