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Sukkuのクスッと笑わせて

2021.03.10 更新

㉑コラム「話す内容の90%はウソです」

3月に入りました。
2月後半から私の鼻はムズムズ。目はショボショボ。花粉症の人間にはきつい季節になってきました。長男も本格的な花粉症になってしまいました。
つい先日、Sukkuで最年長95歳の女性が鼻水が止まらないとのことで病院受診すると、
医師から「花粉症です。」と一言。95歳でも新たに花粉症になります。皆さんご注意を!

今回のコラム「話す内容の90%はウソです」
主役は永山さん(仮名)80歳代 女性です。
この方の担当ケアマネージャーに頂いた情報の第一報は、話す内容の90%はウソです。冗談ではなくウソです。そして、高血圧と認知症。他者に攻撃的でどこでも問題を起こしてしまう。という情報もありました。色々な情報を聞く中で、社会で生きずらい方なのかな?というイメージが私たちの中で出来上がりました。(精神疾患の影響が大きいのですが)
Sukkuの中でうまくやっていけるかな?と心配したり、どこまでサポートできるか?と考えたり、トラブルが続いた場合などはご利用を断ることも想定しながら、スタートしました。
しかし、いざ利用が始まってみると、驚くほど穏やに過ごされたのです。お話上手という事もあって、他の利用者さんとも会話が弾みます。あまりにも上手にお話しをされるので、私たちもどれが本当の話しで、どのお話しがウソなのか分からなくなる事が多々ありました。ですので、永山さんがどんな話をされても決して否定はせず、同意するように過ごしました。
ただ、ご利用して頂く中で課題も出てきました。
一つ目は、朝おうちに迎えに行っても、不在の場合がとても多いのです。なぜか・・?(認知症の影響で、予定を覚えるのが難しいというのもあります)
永山さんにとって、何よりも難しいことがあります。お金の管理が出来ないのです。特にご主人を亡くされてからはその事でトラブルが絶えず、今は後見人である司法書士さんに管理をお願いしています。そして週2回、司法書士さんからお金を受け取っています。(もちろん生活するにあたり十分な額です)ただ計画的に使うことは難しいので、次の受取日までにお金が足りなくなります。そうなると大変です。感情のコントロールが出来なくなり、攻撃的になってしまうのです。永山さんは電話を持っておられないので、近くの病院へ行き、公衆電話で司法書士さんに電話します。一日に何度も、執拗に電話してしまいます。病院の受付職員が司法書士さんの電話番号を覚えるぐらい電話します。でも、司法書士さんもそんなしょっちゅう電話に出れません。すると、次は市役所に行きます。市役所に行って叫びます。「私の年金返せー!」って。
そうなんです。朝イチでこのスイッチが入ってしまうので、電話をかけるために、出かけてしまい、自宅には不在になるのです。では、どうしたら良いか・・?考えました。
すると、1つの法則性に気が付きました。それは、家にいない時は、近所の病院か市役所かコンビニ。この三か所のうちの1つに必ずおられるという事です。その法則が分かってからは楽になりました。病院と市役所には、Sukku利用時の時間帯に来られたら連絡してもらうようにお願いし、あとはコンビニを見るだけ!すると、すぐに発見することが出来るようになったのです。
もう1つの課題は、高血圧に対する薬の管理をどうするかでした。
ここは、ケアマネージャーが中心になり色々と調整することになりました。
そして、1週間のうち2回はSukkuをご利用時に内服してもらうことに。(他の日も、支援を受けられるように調整)と同時に、お金の受け取りもSukkuで行うことになったのです。長かった道のりも、ようやく整いました。
今でも、私たちが永山さんを迎えに行くと、「司法書士の先生に電話しなあかんし休むわ!」と言われます。でも、すぐに私たちは「Sukkuにお金持ってきてくれはるよ!」と言いいます。すると永山さんは「ほな行くわ!」とすぐに切り替えてSukkuに来られます。そして、何もなかったように他の利用者さんと楽しそうにお話しをされています。
ご利用中、司法書士さんがお金を持ってこられると嬉しそうに出迎えられます。最近は他の利用者さんも分かってきて、司法書士さんの姿が見えると「永山さん!先生きたで~。」と教えてくれるようになりました。
永山さんにとってSukkuは心のオアシスのようになっているらしく、他の利用者さんともめるようなことは一切ありませんし、スタッフとの関係も良好です。トレーニングにも熱心に励んでいます。ご本人も「ここに来るようになって膝が痛くなくなった。」と言われるようになりましたし、帰りは「ありがとねーありがとねー」と言いながら帰られます。
最近、永山さんは物忘れが進んできました。感情の起伏も激しくなってきました。
それでも、Sukkuに来ると穏やかになります。
Sukkuは市役所職員や司法書士さんから、救世主のように言われます。それが良いか悪いか分かりませんが、永山さんの心が穏やかでいられるような場所を提供し続けたいなと思う今日この頃です。これからも、小さな声に答えられる場所でありたいです。(おしまい)

次回のコラム、「一生懸命やってますよ。けれど、ガス漏れに注意してください」

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