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おばあちゃんとゆふ子

2021.01.25 更新

繋いでゆきたいもの巻

先日の編み物教室は編み物でなくお味噌作りのワークショップでした。
全然編み物ではない、おばあちゃんとの時間の話です。

私が小さい頃から飲んできたお味噌汁の味。やっぱりこのお味噌が一番ホッとして好きだ。
いつもは出来たお味噌を分けてもらったりしていたけど直伝の配合もしっかり教わった。(きっと何も特別なことはない普通の作り方なんだろうけど、でもおばあちゃんのお味噌が自分には一味違って好きなのだ。)

お味噌作りは大豆作りから始まる。おばあちゃんが畑で育てた大豆を11月頃収穫し、乾燥させてサヤを振って大豆を出して。この大豆を取り出すのがこれがまた大変だけど、子どもたちとゆさゆさと降ってお豆がころりんと落ちてくるのを楽しんで収穫する。

そうして収穫されたお豆が、毎年この時期にお味噌を仕込む。
寒仕込みと言ってこの時期に仕込むのが雑菌の繁殖を防ぎ一番良い時期だそう。

お豆を蒸してやわらかくして、潰し、塩と麹と混ぜ、味噌玉を作って、容器に敷きつめる。
私と仕込んだのはきっと私用に用意してくれた少しの量なのだけど、ふと横を見るとまだまだきっとこれから大量に仕込むであろうお豆たちが水に浸されて順番待ちしていた。

いつものごとく沢山の人に配るためのお味噌なのだ。

今回はお味噌作りで、している事は編み物ではないのだけど、おばあちゃんのやり方を聞いて教えてもらって作るのはいつもの編み物と変わらずで、そしておばあちゃんから編み物の手を継いでいきたいと思うように、こうやって季節ごとに作る保存食も継いで行きたいなと思う。

小さい頃から纏ってきて暖かく大好きだったセーターのように、お味噌汁の味もホッとするこの味。
お漬物の味、梅シロップの味、栗の渋皮煮の味、干し柿の味、どれもきっと特別な作り方ではない普通の作り方なんだけど、買ったものよりも一味、優しく感じる味。

編み物だって同じで、買ったニットも素敵だけど、手編みで編んでもらったあのセーターの温かみと、宝物だと思う幸福感。そういうのは一緒だなぁと思った。

そっか、自分は編み物に限らず、こういうあたたかな手仕事を繋いでいきたいんだなと、改めて感じたのだった。

いつも同じ話になってしまうけど、編み物を習う名目ではじまったこの時間から、気づいたり、感じたり、教わったり、そんな事が編み物を超えてたくさんあります。
でも編み物のきっかけがなければ、こんな時間はなかったのかもしれない。
そう思うと益々、「編み物」は、自分の日常を変えた大事な存在なのかもしれないですね。

でも、他ならぬ「おばあちゃんから習う、編み物」がキーワードですね。

写真・文 / 田畑由布子

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