新年の巻
新年明けましておめでとうございます。
本年もスツールに繋がる皆さまにとって、佳き一年になりますように。
「おばあちゃんとゆふこ」今年も読んでいただけると幸いです。
年末年始は子ども達も冬休みという事もあり、普段のようにじっくりと編み物に集中してという時間はなかなか取れずにいたけど、やはり子ども達が寝た後は手が動かしたくなるもの。
例え編みかけの4段ほど編み進めるだけでも(きっと時間にすると5分ほどだろうな…)出来るとなんだか安心する。
そんな調子で進み具合はとてものんびりですが、無理せず、今年も編み物で呼吸を整える時間を過ごすのだろうと思う。
私は三姉妹の母でもあるので、子ども達とのかけがのない「今」の時間も楽しむ事を一番に大事にしながら、編み物で呼吸を整える、そんなのんびりした調子ですがきっとこれが今の自分にはピッタリ。
今年もおばあちゃんに習う、いい塩梅の編み物をしていきたい。
おばあちゃんはもちろん年末年始も周りの人のことで大忙し。
年末におばあちゃんちにいくと、また例によって型取りした布がたくさんあり、以前からのマスクを沢山発注されているのかと思いきや…
よ〜く見るとマスクの形ではなく、赤ちゃんのスタイのような形のものがたくさんあった。
「これ何作ってるの?」と聞くと
「近所のお地蔵さんの前掛けを新年までに新しく変えるのが毎年恒例なんよ。」と。
あの人のためにと、台所には周りの人に配るための黒豆やなますや栗きんとん、ごまめ、つきたてのお餅が大量にあるし、おまけにお地蔵さんの前掛けまでしていたとは…
こんなに周りの人に尽くすことがたくさんあり、きっと忙しいはずなのにバタバタしているように見えない、いや、見せないおばあちゃんは尽くしのプロだな…と改めて思った年末でした。
みんな喜んでくれるから嬉しい。どんな場面もそればかりのおばあちゃん。
それにしてもおばあちゃんのこなしている周りの人のための事の数は24時間でこなしているとは思えない量。
ものすごい段取りでしているんだろうなぁと思う。おばあちゃんはたまに何か物忘れがあると「おばあちゃんももうボケてきたな、もうだいぶあかんわ〜アハハ」と言って笑ってるけど、あの段取りをこなしているんだから、脳みそフル回転、「そんな簡単にボケるかい!」といつも心でツッコミを思う私でした。
今年もとんでもない素敵な師匠と共に、編み物やその他の生き方まるごと感じて学んで過ごしていきたいな。
写真・文 / 田畑由布子