スツール

おばあちゃんとゆふ子

2020.11.25 更新

巡ることの強さの巻

さてさて、この間は干し柿のお手伝いから始まった編み物教室です。
今度は大豆の収獲と、大豆の皮を剥いてその大豆をお味噌にする教室もあるのです。
編み物教室も季節ごとに番外編がたくさん。
この約一年、人間界では新型コロナウィルスで暮らしがガラッと変わってしまいましたが、自然界ではいつも通り季節が巡っていて、農作物が実ったり、いつも通り同じ頃に同じ場所に花が咲いたり。
自然は強くてブレないなぁ。と思うのです。
特に私の住むところは田舎だからそう感じる機会がとても今年は多かった。
ざわつく世間の中、いつも通り季節が巡って自然界のいつも通りの回転はホッと癒され、

「あ、やっぱり暮らしの中の根っこはいつも通りなんだな」と再確認させられたように思う。

寒い季節になり、いよいよニットの季節の到来。
自分で編んだセーターを着たり、友達にこんな手袋を編んでほしいと頼まれたりするようになり、嬉しく毎日ちくちくしている。

先日父方の祖母から、おばあちゃんの昔着ていた毛糸を解いたので何かに使ってほしいと毛糸をもらった。
とても綺麗なエメラルドグリーンの毛糸。
大切に着ていたのか、丁寧に解かれ湯のしされていたものを渡された。
毛糸のものってこんな風にしてまた形を変えたり着る人を変えたりして巡るんだなぁと思った。
元は一本のただの糸。それを編んで洋服にしていく。
裁断したりしないのでまた解くと元の糸に戻るのが手編みのニット。
そんな着方をして大事に出来ることを知りまた手編みの魅力を知る。

その毛糸は、おばあちゃんへまたベストとして返すことにした。
編み図を師匠の方のおばあちゃんが考えてくれ、編むことになった。

形を変えてまた息を吹き返し巡る、ベストの出来上がりが楽しみです。

写真・文 / 田畑由布子

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