師はいろいろと偉大なり…笑。の巻
編み物教室に通いながらおばあちゃんの新たな一面に気づいたことがあった。
おばあちゃんは実はすごく丁寧なんじゃないかということ。
おばあちゃんは私の目から見てもおおらかで細かい事は一切気にしないし、明らかに大雑把だとばかりずっと思っていたのだけど、編み物はそうはいかない場面が多々ある。
編み物は、編み目を一目間違えたり落とすだけで、全部の歯車が狂ってしまう。
偶数を奇数に変えるだけでその後の設計を大きく変えてしまう。
模様が全く合わなくなってしまう。
なので一目一目が大事な編み目で、その一つ足りないだけでも大きな誤差になってしまうので、丁寧に一目を大事に編まないといけない。
かと言っても私なんて間違いばかり。
「あ、編み目一つ足りない!(もしくは編み目がいつのまにか増えている!)」なんて場面が多々ある。
やばい、折角ここまできたのに…一目くらいだし…誤魔化したろかな…という思いはまず抱いてしまうけど。
その誤魔化が完成に大きく影響する事を身をもって体験したので、もうそんな事はしなくなってきた。
もし間違いに気づいた時は誤魔化さず、間違えた所までを解いて戻り、一つ一つ編んで重ねてゆく。
こうじゃなきゃやっぱり完成しないのだ。
何を隠そう、私も自他共に認める大雑把。
だいたい…でなんでもやってきた気がする。笑
大雑把はおばあちゃん譲りだとてっきり思い込んでいたのだけど、編み物の師匠の私のおばあちゃん、実はすごく丁寧なんじゃないのか。とここへ来て初めて気付いた。
編み物が得意で数々の細かい編み模様の入ったセーター、帽子、ワンピース、靴下、手袋…これは丁寧じゃないと絶対できない!!(断言!!)
編み物の模様は一段一段積み重ねて編んでゆき、出来上がるもの。一目ごと、一段ごとの丁寧な積み重ねでしかできないものだった。
失敗を重ねて身をもって体験して気づいた編み物の事と、おばあちゃんの一面。
おばあちゃん、今まで勘違いしていてごめんなさい。笑
でもやっぱり普段のおばあちゃんはどう見てもおおらかであり、大雑把。
小さい頃からおばあちゃんに、細かい事を言われた事もなければ、そう感じた事もない。
普段はそうであって、編み物では丁寧さを発揮。
それって、その使い分けできるって最強じゃないのか。。と最近思うようになってきた。
きっとおばあちゃんは使い分けてるつもりはないのだろうけど、そのバランスが上手く混在していて、私の理想とする最強の大雑把の形だ。
師匠、編み物の師匠と弟子入りしましたが、生き方を学ぶようになってきた気がする私でした。偉大なり…!!笑
写真・文 / 田畑由布子