スツール

スツール通信10/10版~バーボン~

2021.10.10 更新

確かあれは20歳。

沢木耕太郎氏の著書・バーボンストリートを知り、読み、憧れ、アーリータイムズ、I.W.ハーパー、ワイルドターキーを、悪友たちとしょっちゅう酌み交わしたものだ。グラスには、幾つもの青春の悩みや迷いや喜びや悲しみが氷とともに溶けていった。

そんな懐かしい1ページもすっかり忘れて、ワインや焼酎にうつつを抜かしていた近ごろ。

1987年、ボクが20歳の時にリリースされた吉川晃司の名盤、A-LA-BA・LA-M-BA。

僕らのバーボンのそばにはこのアルバムがいつもあった。

彼は、引かれた線路の上を進むアイドル路線から、少しずつロックミュージシャンへの道へ進路変更して、このアルバムでは単身ニューヨークに渡り、曲を描き、それを決定的なものにした。

当時聴いていた20歳のボクには、彼が眩しくて、勇敢で、弾んでいて、とても羨ましい存在であり、それでいて危うさも感じたり、デビューから実は深く悩んでいたんだろうなぁなんて、なんにも分かってないのにちょっとセンチにもなったりしていた。

このアルバムは、いまでも色褪せることのない最高の名盤だと思っているし、無論いまも聴きつづけている。

「終わらないSun Set」は、夕暮れをむかえるニューヨークのちょっとはずれにある(勝手なイメージ)、大きな川のテラスでひとり思いをはせる男の歌。

寒い心で淋しさをこらえながら、別の自分を夢見ていた本当の自分。

「MARILYNE」は、マリリン・モンローを歌ったらしいが、歌詞はともかくサウンドが素晴らしすぎる。

おそらく、ギターの音色を変えるフランジャーというエフェクターをかけて、弾いてるであろう、元パール兄弟の窪田晴男氏。

中盤とエンディングの彼のギターソロは、もうなんていうか…宝そのものです。

いま聴いても、胸がキュッーーーと絞めつけられるような、近づく冬の街で夜風に吹かれ、コートの襟を立てて淋しく歩いているような。

そんな風に感じさせることとは裏腹に、人の温もりのやさしさを思い出させてくれる名演奏とでも言いましょうか。

ところが、フレーズとしてはぜんぜん弾いてないんですよ! そこがいちばんの不思議!!

ちっとも弾いてないように見せて、オーディエンスの感情を剥き出しにする、これがほんとの名演奏。

ギターを弾きすぎてないように見えてるのに、心は奪われる。

シャッターをほとんど切ってないように見えて、実はバッチリ瞬間をおさえている、これがボクの理想。

今もボクにとっては、とても大切なアルバムです。

音楽から教わることは、とても沢山あります。

この前の夜、アルバムを聴いていた時にブワッーと思い出が立ち上り、そうだバーボンを買いに行こう! 歩いて4分のお店にすぐさま飛び込んだ。

さぁもうすぐT`s MUSIC AWARDS 2021の発表ですね。

年末に第1位~5位まで発表します。

現在のところ、エイドリアン・スミスとリッチー・コッツェンが結成した新ユニットのデビューアルバム、『Smith/Kotzen』は約束されています。

IRON MAIDENのギタリスト・エイドリアンと、元POISONのギタリスト・リッチーがタッグを組んだこのセンセーショナルな1枚。

ふたりともギターのテクニックは勿論のこと、歌が上手い!渋い!泣かせる!

ロックとブルースのいいとこ取りだから、間違いないです。

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