夢のバトンの巻
皆さま、ご無沙汰しております。
新年初めのスツール通信で、久々にこちらにお邪魔します。
前回のコラムからすっかり時間が経ちました。
前回におばあちゃんが昔に取ろうとしていたけど、事情があって取れなかった編み物の講師の資格。
“おばあちゃんの夢のバトン″を私が受け取って走り始めたという話をしました。
棒針編みの講師資格です。
その資格ですが、年末に無事合格して、先日認定証が手元に届いたので、ここで報告させていただきます。
私が編み物をはじめたのは三女がお腹にいて、産休に入った頃。
できた時間を大切にしたくてはじまりました。
おばあちゃんのような編み物名人になりたくて。
そんな三女も2月で3歳。
ちょうど3年前の今頃、おばあちゃんに教えてもらって編み物を触りはじめました。
その頃はまさか講師資格をとるなんて事は思ってもみませんでした。
なんなら、もしかして例の如く、いつもの私は、すぐ飽きるんだろうか。(私はとても飽き性でした、、)とすら、思っていたのですから。
でもおばあちゃんとの時間が大好きだったり、編み物をする時間の心地よさやがどんどん私を夢中にさせてくれました。
この三年間は私にとっても節目の年でもありました。
編み物をはじめて、しばらくした頃
実父が癌である事がわかりました。
癌の中でも、希少、予後の悪い、タチの悪いタイプのものでした。
私達家族は現実を受け止めるのに精一杯の中でも一筋の光を信じて、お父さんは治るかもしれない。奇跡は起こるかもしれない。と、信じて癌と闘っていましたが、去年の夏、空へ旅立っていきました。
心配で気持ちがどうも落ち着かない時、
悲しい現実を受け止めないといけない時、
お空にお父さんが行ってしまってからの喪失感で寂しくて仕方ない時、
気持ちがどうしようもない時、
そんな時に支えられたのは編み物でした。
なんか…編み物なんてしてる暇もない。
する気も出ないな。
なんて思う日もあったけど、導かれるように糸に触り始めると、脳が整理されていくような、リセットされていくような、ざわざわした心が研ぎ澄まされていくような、不思議な感覚でした。
子ども達が寝た後、黙ってチクチク編み始めると、色々心で絡まっていた感情が一目一目編み、一段一段編みしているうちに、感情が整理されていくのです。
問題が解決するするわけではないですが、
心のざわざわが解決されるのです。
心のざわざわが解決されると、
気持ちがまた前向きになれます。
おばあちゃんも前同じ事言っていたなぁ。
忙しい時ほど編み物してしまう。って。
おばあちゃんの忙しい時ほど、という言葉の意味の中には悲しい経験や、辛いこと、心がざわざわ忙しい。という意味も含まれているのかも。と今なら思います。
色んな事が起きる毎日や人生の中で、おばあちゃんもきっと編んで心を整えてきたのかな。と私は勝手に思い、勝手に共感してるのです。
編み物に出会えてなかったら、私はこの三年間の経験をどう乗り越えていたのかな?
と思う時があります。
編み物に出会えてよかったな。
おばあちゃん、私に編み物を教えてくれてありがとう。
おばあちゃんとの時間が大好きだから、ここまでこれました。
おばあちゃんの夢のバトン、わたしが受け取り無事走り抜けました。
棒針編み講師資格ゲットです。
だからと言って、奥深い編み物の世界、まだまだまだたまだ……知らない事、理解してない事の方が多いです。
ですから、まだまだ序の口の通過点、なんでしょうね。
この資格で、どうしていくか何も決めていませんが、この資格がある事によって、どんな風に広がっていくか、広げていくか、活かしていけるか、考えていきたいです。
受講中は、課題作に追われて編みたいものまで全然手が出ませんでしたが、
今はたっぷり好きなもの編んで、大切な人たちにたくさん編みたいと思います。
ちなみに講師認定証が届いた日は、父の月命日でお墓参りに行っていて、ちょうど家に帰ったら講師認定証が届いていました。
父の月命日に、父が届けてくれたような嬉しい気持ちになったのでした。
ではまた
ゆふこ