あっという間に夏休みも終わり、9月に入りました。川瀬家の夏休みラストは、鳥取県の大山にトライしました。天気は曇天でしたが、とても蒸し暑く汗だくになりながらの登山でした。流石、百名山です。登山道は登山者で渋滞しているところもありましたが、往復6時間程かけて無事にクリア。そして、翌日は鳥取砂丘へ！子供たちは初めて見る砂丘を、『めっちゃおっきい砂場や！！』と大喜び。何度も往復して走っていました。私たち夫婦は大山の疲労がマックスで、砂丘の頂上まで登るのがやっとでした・・。
さて来月は、愛媛県へ遠征！石鎚山へ行ってきます！

㊻今回のコラム、「翔ちゃん命！」

このコラムを見ている方は『翔ちゃん』って言うと誰を連想するでしょうか？
やくざ映画の好きな方は、哀川翔？
巨人ファンなら、中田翔？
今回の翔ちゃんは・・・
櫻井さんです。
そうです。嵐です。
嵐と言っても、横浜銀蝿ではありません。
ジャニーズの、嵐の、櫻井君です。
ジャニーズの中でも知的なタイプ？の方です。
その翔ちゃんを愛してやまない方が、幹子さん（仮名）９０歳。女性の方です。
初めて自宅に伺った時から、気付かない訳ないやん！って言うくらい大きいうちわがリビングに貼ってあり、机にも切り抜きの写真がしっかりありました。聞けば８０歳になっても友人とコンサートに行っていたとか。櫻井君が出演している夜のニュース番組は必ず見ていて、その日は寝不足になるとか。翔ちゃんへの愛は尽きることがなく・・
これまで話しはたっぷり聞かせてもらいました。

幹子さんはこの辺りでは有名な女子高を卒業されていて（今でいう高学歴な方です）、卒業されてからはずっと京都府の職員として勤務されました。その後、保育園や障がい者施設、作業所の所長などを歴任し、その長年の功績から国からの勲章や京都府知事からの表彰も授与されています。
定年後もシルバー人材センターの仕事で、色々な施設や家の草引きに精を出されたそう。あまりに一生懸命に働かれるので、是非ともまた幹子さんに草引きをお願いしたいと！個人指名されるほどの草引き名人だったらしい。愛車はジープ。サングラスをかけて、８５歳まで運転してあちこち出かけていたとか。だから、地元では少し有名人です。

そんな幹子さんですが、大変なご苦労もされています。まだ子供さんが小さい時に、ご主人を病気で亡くされました。今から６０年以上も前の話しです。これから一人でどうにか子供を大きくしないといけない・・強い決意と覚悟を決め、とにかく毎日、一生懸命に働いたそうです。そんな一生懸命な姿勢は今も変わらず、生き方そのものににじみ出ています。
また、幹子さんは脊柱管狭窄症で腰が悪く、足に痺れがあります。なのに、椅子に座っている姿勢が凛としています。姿勢だけでなく、所作、言葉使い、その他様々なことを考慮して思うところ、多分、幹子さんはお嬢さんです。お嬢さんとして育てられたように見受けられます。だからなのか、人を疑うことがありませんし、とても正直な方です。
以前、隣の席の利用者さんが、『家の畑に鹿や猿が来て大変！まるで動物園みたいやわ。』と幹子さんに話しをしたのですが、幹子さんは聞き取れなかったようで、私が間に入り伝え直しました。内容は、『家の畑に、犬と雉（キジ）と猿がでて、毎日大変なんやって！』と。
皆さん気付かれましたか？
『サルとイヌとキジ』って言えば・・・そう、桃太郎です。
幹子さんならすぐに気づいてくれると思って言ったのですが、完全に信じ込んでしまいました。帰りの車の中でも『あの人の家には、毎日サルとイヌとキジが出るんやって～。大変やな～』と真剣に私に話しをされていました。結局、私は本当のことを言わず『じゃあまた来週！』って言って別れました。１週間後、幹子さんを迎えに行き、車へ乗り込んだひと言目が『あの人の家にはサルとイヌとキジが出るのか～。私の家は大丈夫やろか～。こんなに近所やのに。』でした。
すっかりその話をしたことも忘れていた私。これはまずい。と思い、幹子さんに『サルとイヌとキジが出る昔話って何でしょう？』と聞くと・・
『桃太郎・・・。』
（しばらく沈黙）
『あ～。だまされた！』ようやく気付かれました。
そして、次の一言がたまりません。
『翔ちゃんは、そんな嘘は言いませんわ。』
この９０歳まだまだ元気。

その正直さと姿勢の良さ、時にミーハー（今は死語？）だけど、豪快で潔い生き方は私たちのお手本です。（おしまい）

次回コラム『年寄りでもスマホ使えまっせ！』