「晴れ、時々くらげを呼ぶ」 鯨井あめ
自分にも他人にも関心のない越前亨は、父を亡くしてから「呪い」を抱えている。高校の図書委員で知り合った少女・小崎優子は、屋上で雨乞いならぬ「クラゲ乞い」をする不思議ちゃんだった。彼女と距離を保ったまま、「クラゲ乞い」を眺めていた亨。ある日、街にアカクラゲが降って ―。
優しさを求める全ての人のために、本にまつわる物語。
実在する小説がたくさん登場する青春小説です! 作中には、私の大好きな上橋さんや辻村さん、文豪やミステリー作家など、たくさんの作家さんと小説の名前が飛び交うシーンがあります。
「クラゲ乞い」をしたことがあるという人がいなくても、「子どもの頃に車窓から忍者を走らせ」たり、「布団の反対側が別世界」だと想像したりした人は多いのではないでしょうか。そんな、日常の延長線上にあるような非日常が起こる物語なんです。読むと本が大切に思えて、そしてクラゲが呼びたくなります。
とても優しい物語なので、様々な人にお勧めしたいです。
クラゲよ、降ってこい!