『鹿の王 上生き残った者 下還って行く者』 上橋菜穂子
強大な東乎瑠帝国に呑まれていったアカファ王国の西の端で、抵抗を続けた戦士団<独角>の頭であったヴァンは、奴隷として岩塩鉱に囚われていた。
ある日、岩塩鉱を襲った犬の群れに噛まれた者が謎の病を発症する。
逃亡したヴァンは生き残った幼子を拾い、ユナと名付け育てるが —— 。
一方、その病を追いはじめた天才医師・ホッサルは、恐ろしい病の正体に気がつき——。
今回は、私の尊敬する作家さんの一人、上橋菜穂子さんの本です!
疫病の流行する世界。
抗体を持つ限られた人々と、広まるのを防ぐべく奔走する医師 —— 。
コロナ禍の現在と、重なるものがあると思いませんか?
今だからこそ、感じられることも考えられることも多い本だと思います。
張り巡らされた思惑、人々の考えや思い。
何のために医師は医療を行うのか。
どうして、人は生きるのか。
久しぶりに読み返し、鮮烈な驚きを味わいました。
様々なことを考えさせてくれる本です。
読んでみてくださいね!
文・写真/ 木下琴子