スツール

文学少女、ことこ。

2021.09.25 更新

『鹿の王 上生き残った者 下還って行く者』 上橋菜穂子

強大な東乎瑠帝国に呑まれていったアカファ王国の西の端で、抵抗を続けた戦士団<独角>の頭であったヴァンは、奴隷として岩塩鉱に囚われていた。

ある日、岩塩鉱を襲ったの群れに噛まれた者が謎の病を発症する。

逃亡したヴァンは生き残った幼子を拾い、ユナと名付け育てるが —— 。

一方、その病を追いはじめた天才医師・ホッサルは、恐ろしい病の正体に気がつき——。

今回は、私の尊敬する作家さんの一人、上橋菜穂子さんの本です!

疫病の流行する世界。

抗体を持つ限られた人々と、広まるのを防ぐべく奔走する医師 —— 。

コロナ禍の現在と、重なるものがあると思いませんか?

今だからこそ、感じられることも考えられることも多い本だと思います。

張り巡らされた思惑、人々の考えや思い。

何のために医師は医療を行うのか。

どうして、人は生きるのか。

久しぶりに読み返し、鮮烈な驚きを味わいました。

様々なことを考えさせてくれる本です。

読んでみてくださいね!

文・写真/ 木下琴子

ご予約ご質問