スツール

スツール通信~不思議な体験が音楽を~

2023.02.15 更新

 こんにちは、スツールの竹内です。いつも沢山の方にお読み頂いてるようで嬉しいです、有難うございます。 この1ヶ月の竹内家の変性を記してみます。

我が家のリビングのド真ん中の一等地に、TVが鎮座している。我々家族を、いやボクをグッーと支配するかのように。 2人の息子は数年前から全くTVを観なくなった。 カヨは僕が観る番組を横から、笑ったり泣いたりしていた。でも全然無くってもいい人なんだ。 ボクはと言うと華の67年世代!家族みんなでかぶりついてTVを観ていた世代だから、習慣とは恐ろしいもので、それが現在も引きづっていて、特に観たいTVがなくっても電気を付けるかのように、何の躊躇も考えもなしにすぐにポンとスイッチオンにしてしまう、本物のTVバカだったのだ、1ヶ月前までは。

1月の半ばのある日、あれ、今日は一度もTVを付けなかったことに気づいて、なんだか嬉しかった。 次の日もたまたまTVをスイッチオンしなかった。あれれ、今日もできた、と思った。 3日間たまたまスイッチオンしなかっただけでカヨに報告! それから次の日も次の日も、あの頃のように簡単にポンとスイッチオーンしなくなって、気づけば1ヶ月。 TVっ子のこの俺がTVを観なくなった事実に驚き、そしてほほ笑む。 TVは悪ではない、面白いものだと思う。でもなんだか自分の時間が確かに吸い取られて行くような心持ちではあった。観なくなると何故だか勘が冴えてきた。不思議な場面をここ数日、何度か確認している。そのことはちょっと横に置いといて。

液晶部分を布で覆い、無いことにしているものの、相変わらずリビングのド真ん中にドンと座っているTV。先週の土曜日の朝、撮影がないからとぼんやりしていた時、ふとなんで音楽が家の真ん中にないんだろうと思って、カヨに相談した。すると「ホンマやなぁ」と言った。 続けてカヨは、「あとで実家に行きたいんやけど、、。」、僕は「いいよ!」と何の気なしに応えた。

このなんでも会話の中、ピッカーンと突然光った。今、確かに頭か心か体か、そのどこかが美しく煌めいた。 前の日、カヨの母がとってもキレイにくっきり化粧をして、とてもにこやかに実家で話している夢を見ていた。 実家に行こうとカヨに誘われたこと。 そして音楽を家の真ん中に、、の会話。 すべてがドッキングしたはずみでキラッと光ったのだ。 ひらめきってやつです。 そうか、、カヨのお父さんのオーディオが俺を呼んでいたんだ!

カヨの父は車と音楽とオーディオを愛する人でした。土日になると、いつも巨大なスピーカーからクラシックが大音量で部屋から流れ出ていた。 カヨの身長くらいあるTechnicsのスピーカー、見るからに高級そうなアンプとCDデッキ、それにレーザーディスクを存分に操ってらした。 技術研究所を営まれていただけあって、メカ好きで新しいモノ好きだったんだろう。

すぐに実家に駆け付け、カヨが母と話しているのを横目に、僕は父の部屋のオーディオセットに一目散。これだー、久々にまじまじとオーディオを見て圧倒された。そびえ立つスピーカー、金色のアンプとCDデッキ、今も輝きは健在だった。 早速CDをかけてみる、たまたまそこにあったカーペンターズを手に取った。 カーペンターズ、、、この不思議にまた驚いた。その日の朝刊はバートバカラックの訃報を知らせていた。カーペンターズの楽曲で僕が一番好きな “They Long To Be Close To You” を作曲した方。残念な思いだったけど、父の部屋であたたかな形になって、今ボクの手の中にある。

そびえ立つスピーカーから素晴らしい音色でカーペンターズが高らかに流れだした。美しい音に魂が震えているのが分かった。 いい音って涙が零れ落ちそうになるほど感動するんだ。 部屋から流れ出る音にカヨと母が来た。 いい音。 黙ってふたりもカーペンターズを聴いている。 お母さんが恍惚とした表情をしている。 「やっくん、持って帰り!」 母が言ってくれた。

自宅のリビングの真ん中には、お父さん愛用のアンプとCDデッキ、スピーカーは音楽の先生だったカヨのおばあちゃんの愛用品、ステレオラックは学生時代に使っていたカヨの愛用品。3世代合作の音楽リビングが完成した。

カーペンターズが今日も素敵な音色で聴こえてる。

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長岡京市立図書館の雑誌スポンサーをしています。 友人の今小路工務店もしています。

STU:L/ 天然生活(春からもう1冊予定)

今小路工務店/ サライ

『雑誌スポンサー×図書館』による企画展示が行われています。

■ とき:2023年2月9日(木)~3月31日(金)

■ ばしょ:図書館1F 展示①コーナー

■ テーマ:STU:L・家ぞく、今小路工務店・住まい

※お時間があればご覧ください。

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