スツール

文学少女、ことこ。

2022.07.15 更新

『ツナグ』シリーズ 辻村深月

二度と会うことができないはずの生者と死者を一晩だけ再会させてくれる―それが、使者・ツナグ。死者の答えを求めて、もう一度だけ伝えたくて ― 人々は「ツナグ」に依頼する。憧れのアイドルとの面会を望む女性、亡くなった母と息子、親友と少女。一晩の再会が彼らにもたらすものは ―。

最近、続編「ツナグ 想い人の心得」が文庫化されたので(待ちわびていました….!!)紹介します。

この物語の最大の魅力は、何と言っても生者と死者の再会なのですが、私はその日の前後での、依頼人たちの変化に感慨を覚えます。

実は、再会にはいくつかのルールがあり、必ず再会できるとは限りません。それでも、依頼する人々は仲介を願うのです。その一晩が、悔いのないものになるとも限りません。会ってしまったことで、変化した彼らの心中を読んで、晴れやかな気持ちになったり、もどかしく思ったり、一緒に考えているように思えます。

「ツナグ」の男の子の正体についても、読み進めていくうちに明らかになるのです。「想い人の心得」は、彼の成長を感じられる七年後の物語です。

ぜひ、2作とも手に取ってみてくださいね。

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