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お客さんのコラム2/25版

2021.02.25 更新

『もうひとつの空の飛び方』

『枕草子』から『ナルニア国』まで 萩原規子

以前紹介した『空色勾玉』作者の萩原規子さんが、過去に読んできた名作やファンタジーの書き方を語る本です。

私は本を紹介する本が好きで、他にも似ている本を読んだのですが、この本はファンタジーや児童文学を多くあげていて、心理学的な難しいことも書かれているのが特徴です。

少しわかりにくいところもあるかもしれませんが、ひとつの本について深く考えているので読みたくなります。

とくに『ナルニア国物語』についての言及が多く、私も本棚のナルニアを読み返そうかなと考えています。

ぜひ手にとってみてください!

文・写真/ 木下琴子

2006年3月からのお付き合い。琴子ちゃんが生まれる前から撮影をさせて頂いてます。小学5年生になった今も記念日ごとには必ず、スタジオやお好きなロケ場所で撮影させて頂いてます。埼玉県からお越し下さいます。幼い頃から、本が好きと撮影のたびに僕に話してくれた琴子ちゃん。読みたい物語がまだまだ沢山あると思うと、これからが楽しみとも話してくれた。そんな琴子ちゃん目線の書評を毎月2回、依頼しています。


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シメは、林などにいるちょっと太りぎみでくちばしが太いのが特ちょうの鳥です。

よく、顔がこわいとか言われるけどよく見ると羽もきれいだし、そこまでこわくないんじゃないかなとぼくは思っています。

かたい実を食べているけど虫も食べるそうです。

「チッ」「ツィツィ」などとつぶやくように鳴きます。

はんしょく期以外は群れで生活をしていることが多いです。

飛ぶ時につばさに白いもようが見えるのでそこに注目してみてください。

すごいと思ったところは、シメのくちばしではさむ力は約30kg~50kgもあり、ぼくたちがリンゴをかじるのと同じくらいだそうです。

なので、指をはさまれると、そうとういたいと思います。

ここでクイズです。

シメは夏になるとくちばしの色が変わります。

白っぽい色から何色に変わるでしょう。

1.ピンク色

2.黄色っぽい色

3.黒っぽい色

4.黄緑色

正解は次の鳥図かんで発表します。

絵・文/ 中野響

お姉ちゃんとひーくんが生まれる前の、2005年10月から撮影をさせて頂いてます。今も2~3年に1回は必ず、スタジオや城陽のご自宅で撮ってます。小学5年生になったひーくんは、この前の撮影の時に鳥に魅せられていると話してくれた。それが小学生レベルの鳥好きの話ではなく、僕からすればもう学者レベル。しかも視点がユーモラスなのでこれはスゴイ!是非、図鑑を作ろうと盛り上がり、WEBという形で毎月2回、発表してもらっています。


⑳「所長は市民ランナー」

2月も後半に入りました。2月は子供たちにとって大きなイベント、節分がありましたね。川瀬家も例にもれず豆まきをしました。
今年の鬼はスタッフの樋口が鬼のお面をかぶり我が家を訪れました。
呼び鈴を鳴らし、インターホン越しに映った鬼のお面。そして、新聞受けから低い声で
「おーにーだーぞー。」それを見た子供たちはとても怖がりました。
豆なんかまく余裕はありません。長男は、お母さんに豆を渡し「お母さんがお豆まいて!」と震える。次男は、一粒の豆を握って頑張って投げました。その距離わずか5cm(届くか!)そして、少しだけちびりました。2人ともかなり怖がって、大成功!!
そんな節分も終わり、つい先日の夜のこと、「石焼き芋~」の声が外から聞こえてきました。すると次男、何を勘違いしたのか「おにがきたー」と腰が抜けて泣き出す始末。
来年の節分は怖くない鬼にしないと・・・。

今回のコラムは、杉多さん(仮名)男性、70歳代の方のお話しです。
この方はSukkuを開設して2か月目からご利用いただいている方です。もともとは京都市内出身の方ですが、R大学を卒業後、障害のある方に就労する場所を作りたい!という熱い思いで園部町内に就労支援の作業所を設立されました。
しかし、就労場所を作っても仕事がなければ継続できません。杉多さんは色々な企業を回り、障害があってもできる仕事を苦労して探して確保されました。そのような活動と実績・信頼を長年積み重ねて来られ、勲章ももらわれています。そして、このコロナ禍でも仕事が減ることなく、作業所を利用している方全てに何かしらのお仕事があるそうです。
そんな杉多さん、仕事の傍ら市民ランナーとして色々なマラソン大会に参加されていました。自己ベストは3時間とのことで、かなり本気のランナーだったようです。
日本の大会だけでなく、ホノルルマラソンなども何度も走られたそうで、地域でも有名な市民ランナーでした。実際、Sukkuご利用中の服も、びわこ毎日マラソンや篠山マラソンなど、大会の記念Tシャツを着てトレーニングされています。
そんな杉多さん、数年前に脳梗塞を発症され、軽度の麻痺と失語症、そして認知症を患うようになり、その後徐々に動けなくなりました。
杉多さんの手足の麻痺は軽度で、ある程度身体は動かせる状態。元々スポーツマンと言う情報は得ていたので、私は厳しく杉多さんの身体を追い込みました。病気の影響で身体がとても硬くなっていたので、かなり入念にストレッチもしました。そして、トレーニングもしっかりして、最後は15分かけて作業所まで歩いて帰ることにも挑戦しました。杉多さんと歩いて作業所へ帰ると、スタッフの方が「所長!すごいですやん!!」と驚かれます。そして、杉多さんはニコッと笑顔を返されます。私はその時の顔が大好きでした。
そんなハードなリハビリを週2回実施し、歩く力も戻りました。
次の目標として私が「杉多さん。走る練習しましょうか!」と問うと「え~!!」と言いながらも、さすがスポーツマン!歯を食いしばって頑張りました!
そして、上り坂や下り坂・階段なども交えたトレーニングをして、10分程度ジョギングが出来るようになりました。(これはホントにすごい!)
状態もとても良くなったので、そろそろSukku卒業に向けて回数を減らしましょう。ということになり、ご利用が週1回になりました。
杉多さんも休みの日には外を歩いたりして頑張っておられましたが、ある日、大きく転倒してしまったのです。顔を強打され擦り傷も出来ました。
その日からご本人・ご家族の不安が強くなりました。
そして、自宅から出ないようになりました。出さないようになってしまいました。
私たちもなんとか前の状態に戻そうと頑張りましたが、それも難しく徐々にいろいろな能力が低下してきました。身体機能も認知機能もです。
特にショートステイ利用後の能力低下は著しく、身体の状態を見ただけで今週ショートステイに行ったかどうかが分かるくらいでした。(ショートステイは必要な制度です)
Sukku利用中も、職員の声掛けに対して頷くだけの日が多く、言葉はほとんど出てきません。歩行も手を引いて介助が必要な状態になってきました。しかし不思議なことに、トレーニングマシンに座ると体が覚えているのか・・しっかりとトレーニングに励んでおられました。
今月に入り、杉多さんのSukku卒業が決まりました。その理由は、作業所からSukkuに通うことが難しくなったからでした。約3年間の利用でしたが、ここ数か月は歩くことも介助を要し、コミュニケーションも難しい状態でした。
最後のご利用日、私から他の利用者さんに杉多さんが今日で卒業ですと伝え、杉多さんが今までしてきた偉業を話しました。そして、おそらく言葉は出ないだろうな・・と思いながらも、「杉多さん、最期に一言お願いします。」と伝えました。
すると、杉多さんは泣きながら「長い間お世話になりました。ここでは、本当によくしてもらいました。これからどうなるか分からないけど、しっかり頑張ります!」と大きな声で話をしてくださったのです。それを聞いた私たちスタッフは、思わず泣いてしまいました。数か月ぶりに聞いた、しっかりとした声でした。
帰りの車内でも、杉多さんはよく話しをされました。
それがとても嬉しかった2月の出来事でした。
杉多さんの人生はまだまだ続きます。
杉多さんの人生に関われたSukkuは心から幸せでした。
これからも利用者さんの人生の終盤戦を共に過ごせたらいいなと思います。(おしまい)

次回のコラムは「話す内容の90%はウソです」

写真・文/ 川瀬啓介・未央

Sukku 川瀬啓介 / 未央 (理学療法士・鍼灸師 / 鍼灸師)
〒622-0002 京都府南丹市園部町美園町4-16-38

TEL 0771-62-0005

2017年から京都の南丹市でリハビリを中心としたデイサービスをしています。利用者さんと過ごす時間は、笑い声と涙が入り混じる賑やかな毎日です。そんなささやかな日常、会話から気付かされること、そして個性派揃いのスタッフについて…色々な事を綴っています。

2011年11月からのお付き合い。楓くん・緑くんが生まれる前から撮影をさせて頂いていて、今も1年に1回は必ずスタジオ撮影にお越し下さいます。Sukkuというデイサービスの屋号は、佳代が名付けさせて頂きました。飾らない温かさ、自分の好きが明快で、歯切れがよい。けれど、流れる時間はゆっくり。そんなお二人の人柄が大好きで、バランスを崩した時には体を診てもらおうと決めているから安心です。笑いと涙のデイサービスの日々を毎月2回、綴ってもらってます。


まだまだ寒い日があるものの、陽射しは明るく、空気には春の光が満ちてきています。わたしの小さな庭にも、白やもも色の梅の花が咲き、種がとんで、庭のあちこちから顔をのぞかせるクリスマスローズの花盛り。愛猫ももも、光に誘われ、庭に出ようよ、と誘うので、久しぶりに、ももといっしょに庭散歩に出ることにしました。わたしは手にフィルムカメラを持って。いい光だったのです、ちょうどフィルム向きの。

 ふだん、バタバタと忙しいアトリエの仕事場では、デジタルの一眼レフで撮っています。が、プライベートではフィルムで撮るのが好きです。なぜなのかなあ、と考えました。

 59歳でフィルムカメラをはじめました。もちろん、すでに老眼もきていて、もともと弱視に近いほどのひどい近眼でもあるので、フィルム一眼で、ピントがオートでない愛機 CANON AE1は、わたしにとって、簡単に撮れるものではありません。でも惹かれるのです。何に?

 フィルム写真のよさは、偶然性にある、とわたしは思います。ねらっても撮れない。もちろんねらって撮るフィルム写真もあるでしょう。でもわたしにとってのフィルムのよさは、”たまたまそうなった”という要素が入りこむ”すきま”だと思うのです。たまたま今日、この光だった、たまたまたシャッターを切った瞬間、この表情だった、など。その瞬間が、偶然かきとめれらている。漂っているもの、つかみにくいもの、その瞬間が。

 その瞬間のすきまに、”想像”というものが入りこみます。すきま……わたしはこれはとてもいいものだと感じます。きっちりとつまっているものよりも、よいものだと。それは雑味ではなく、楽しい気分を起こさせる遊び。そのすきまに、それぞれの人の思い描く”想像”が生まれ、すきまの奥に、広く深くひろがってゆく……。

 そんなことを考えていて、わたしは何かにひかれるように、数十年ぶりに『ナルニア国ものがたり』という本を手に取っていました。第1巻『ライオンと魔女』にはじまるこの7冊の本は、わたしが10歳を少し過ぎたころに、生まれて初めて父にねだって買ってもらった全集です。その本を読むうち、わたしはえも言われぬ幸福感に満たされました。

 何度も読み返し、慣れ親しんだ言い回し、素敵な挿絵、珍しい外国のお菓子や調度。そして何より、親から離れて暮らす4人のきょうだいが、古い大きなお屋敷の、衣装だんすの奥からファンタジーの世界に入りこむという、魅力あふれる物語……。わたしはすっかりその物語に包みこまれました。ほんとうに好きな世界がここにあった、と思い出したのです。その思いがある限り、わたしには、悲しみよりよろこびの方が大きいと思えました。また悲しみも憎むべきものではないとも。悲喜こもごもで、それでいいのです。

 春の光が思いもかけず、わたしを子どもの頃に親しんだ想像の世界に引き戻してくれました。贈り物のような1日でした

『ライオンと魔女』(『ナルニア国ものがたり』第1巻)
 C.S.ルイス作 瀬田貞二訳 岩波書店

写真・文/ 中務秀子

2018年・第27期のフィルムカメラ教室の生徒さんとして、お付き合いが始まりました。今もフィルムカメラを続けてらして、二眼レフカメラにも挑戦中。こどもと大人の絵画造形教室 / コッコ・アトリエを京都の一乗寺でお仲間とされています。デコさんは本好き、映画好き、芸術好き、お話好き。いわば “ 忙しいひまじん ” です。とても自由で全然気取ってない表現に親近感を覚えさせてくれる先輩です。そして心友になりました。

コッコアトリエ・HP → ●

コッコアトリエ・インスタ → ●


人生あみものの巻

私はいつも「これが編みたい!」と思って取り掛かり、編み図を理解しておばあちゃんにアドバイスもらってから編み始めて、いつもだいたい3回は失敗して編み直すはめになるのです。(3回で済むのはマシな方。)
編み直さずに最初からスムーズに編み進めて最後まで編み直し不要だったものはなんと一度もないのです。

あ、ここ間違った!と思って二、三目を戻って直す事はちょこちょことあったとしても「うわー!ここまできたのに!ここが違うとこの先どうしようもないやん、どうしよ、、なんとか、、なる??…ダメ。解こう、、涙」のレベルの間違いです。
編み物は元は一本の糸で、糸を一目一目編み、重ねていき、いつの間にか“面“になるという物なので、せっかく積み重ねて出来てきた面をまた一本の糸に解く時の悲しさたるや…ここまできたのに…という、絶望感です。笑

今度こそ間違わずに編みたいといつも思うのですが、だいたい3回はやらかしてしまって悲しい顔して解く羽目になるのです。

でもそうして間違いを重ねることによって、やっと自分のモノにできると言うか、やっと理解したような気持ちになるのです。

あぁ。間違ったな。これどうにか誤魔化そう…としても誤魔化していいものと、ならないものがあって、私のミスは大半どうにもならない事が多いのですが、仮にどうにかこうにか誤魔化して最後まで編み続けた事があり、ですがどんなに面になっていくのがワクワクする編み物でも、その間違って無理矢理誤魔化した箇所が気になって気になって、目がそこにしかいかないのです。
出来上がってきた全体よりも、もう、その気になる所しか目に入らないのです。
せっかく日々、コツコツ編んで面にしていくのに、あの時やっぱり戻っといたら…という後悔がすごいのです。
こうなるともう気持ち悪くて仕方ない。
出来上がってきてもなんだか嬉しさが半減するような。
こういう理由から、もう潔くミスを認めてその場へ戻って修正!!そして理解して前へ!!のスタンスを大事にしようと思うようになりました。

おばあちゃん曰く
「誰でもそうやわ、由布子。おばあちゃんも最初から上手くいかんもの。
試行錯誤も大事やね。
編み物は正直の積み重ねやからなぁ、編んだ通りに出来てくる!正直やで〜、その時の編んだのが面に出る。やった通りにしか出来上がらない、辿った通りに出来てくる。
どうにかできる事は自分で対処したらいいけど、こりゃあかんと思ったらまた戻ってそこからスタートしたらいい。
その方が気持ちいい。裁断してしまう裁縫とは違って編み物は始まりから終わりまでずーっと繋がってるからな!やり直しはどこからでも何回でも!」と。
おばあちゃんに編み物の相談しながら、なんかそれって生き方みたいと思って聞いていた私です。

いつもまっすぐ暖かく生きて、人生を重ねてきたおばあちゃんから聞く話は、おばあちゃんは単に編み方の話だったのかもしれないけど生き方そのものの話に聞こえたのです。

何度でもやり直せるなら、納得して前に進みたいし、何度でもやり直せるなら失敗も怖くない!何を今更ですが、最近はそう改めて思います。
いや、でも失敗せず出来ることならやってみたい!ですが、以外と実は分かったつもりでいるだけだった事が多いのかもしれないです。

ちゃんと理解できてなかった事、勘違いして覚えて進めていた事に気づくには、失敗として現れてこないとずっと気づけなかった事だから、これは意味のある失敗。
今後につながる失敗!!これでいいのだ!!

と自分を鼓舞して気合を入れて今日も糸解く…(うわーーー!!くっそーーー。と、とてつもなく悔しくなりますが…笑)

こんな経験を編み物で積み重なってきたのですから、私生活でも失敗、壁にぶつかった時、立ち直る術を身につけて編み物に出会う前よりもポジティブになったように思います。
だって人生も裁断されたものではなく、始まりから終わりまで糸のように繋いで重ねて、その正直の積み重なりが面となるような気がしているからです。

人生フルーツ
と言うとても素敵なドキュメンタリー映画がありましたね。

私にとっては、人生編み物。
でしょうか!?笑

写真・文 / 田畑由布子

こどもちゃん達が生まれる前の、2012年11月からのお付き合い。葵子ちゃん・季なりちゃん・糸喜ちゃんの3姉妹5人家族になった今も年に2回、必ずスタジオや名張市のご自宅で撮影させて頂いてます。編み物の師匠・おばあちゃんのお話しを聴かせてくれたユフコちゃん。面白くてあったかくて、色んな人にも聴いてほしいと思い、毎月2回、綴ってもらってます。

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