「シロガラス」シリーズ 佐藤多佳子
パワースポット・白烏(しろがらす)神社の娘、藤堂千里。
古武術の天才少女である千里や、いとこの星司、幼なじみの美音たちは、子ども神楽の後、うたげの席によばれる。
来年の子ども神楽を務める同級生は、決して仲のよいメンバーではない。
集められた6人。
やがて、とんでもない事件にまきこまれて….。
あらすじだけだと、ファンタジーのようですが、SFやミステリーの要素も、中ほどから入ってきます。
しかも、小学生の心情がとてもリアルなんです。
初めには思いもつかない話になっても、心情がリアルなのでずっとリアリティがあるのだと思います。
五巻まで出ていますが、どんどん話が展開していって、引きこまれます。
私は千里と星司のおじさんや、クラスメートの数学少年が好きなのですが、キャラクターも個性豊かです。
神社のあれこれを学べるのもおすすめポイントの1つ!
ぜひ手にとってみてください!
文・写真/ 木下琴子
2006年3月からのお付き合い。琴子ちゃんが生まれる前から撮影をさせて頂いてます。小学5年生になった今も記念日ごとには必ず、スタジオやお好きなロケ場所で撮影させて頂いてます。埼玉県からお越し下さいます。幼い頃から、本が好きと撮影のたびに僕に話してくれた琴子ちゃん。読みたい物語がまだまだ沢山あると思うと、これからが楽しみとも話してくれた。そんな琴子ちゃん目線の書評を毎月2回、依頼しています。
2度目の緊急事態宣言が出てしまいましたね。病気の様子もほぼわかり、備えもあり、以前ほどあわてないにしても、またも大きな緊張を強いられいます。先が見えない……このことは、誰にとっても大きなストレスではないでしょうか。
そんな日々、わたしは身の回りのものに目を向ける機会が増えました。むかしからずっとたいせつにしているものや、空の上にいる両親の残したものを手にとって、じっくりと見る機会をもったのです。
子どものころ、海のそばの街に住んでいました。休みごとに家族で浜辺にでかけ、貝殻集めをするのが大好きでした。図鑑で調べた名前を記した紙片をはさみ、たいせつに箱にしまって、なくさずにきました。また、ずっと大好きな本。古くなって背表紙が黄色くなってはいても、そこにある題名をながめるだけで、読んだときに想像した世界が目の前にふわっとひろがります。……そんなものたちを、ただだいじにしまっているだけではもったいない。そう思って、ごく間近に、目や手に触れるところに並べてみました。日々の忙しさにまぎれて、新しいものの奥へ奥へとしまわれていたのものたち、また会えたね。大好きという、その気持ちをかみしめると、ああ、なんて気持ちがいいんでしょう。
京都新聞の記者をされている行司千絵さんの本、『服のはなし』にも、幼いころから服作りが大好きな行司さんが、ずっとたいせつにされてきた布や毛糸、ボタンやリボン、そして手作りの話が書かれています。
『服のはなし』(副題:着たり、縫ったり、考えたり)
行司千絵著 岩波書店
行司さんは、何より服作りが好きな人。そして縫い物や編み物をしながら、つらつらといろんなことを考えます。この素材はどこからきたものなのか……植物由来だったり、動物のものだったり、いろいろ。肌触りのいいものは自然の賜物であることが多いのですが、たいせつに採取されるものも多い一方で、それを手に入れるために人間は、動物をつらい目に合わせることもあるとも知ります。
それから、手作りは素材選びからといいますが、それを買うお店のあり方にも思いはめぐります。街の手芸店はどんどん減って、ネット通販がひろがり、便利にはなりました。でも、街で偶然素敵な素材に出会ったり、お店の人と触れ合う楽しみは減りました。そもそも、ものを売る、という行為と手作りの趣味のあいだには、どういう違いがあるのか。ここでは経済や社会の問題が考えられます。
また、手作りという行為そのものについて。昭和の初期までまだ着物文化だった日本に、豊かな外国の文化が入ってきました。子どもたちの服装も、かわいい洋服を着た絵本の主人公につられて、洋装化。まだ既製品がないため、母親たちの手作りが中心になりました。そこから、手作りという行為の変遷や、ひいては女たちの生き方についてへも、行司さんの考えはひろがります。手作りをしてくれたおかあさんやおばあちゃん、家族への思いも、ていねいに語られます。
わたしも編み物をしながら、つらつらといろんなことを頭にうかべます。無心に手を動かしていると、日々モヤモヤと考えていることがまとまってきたり、いや、もっとモヤモヤしたり……。この行ったり来たりの迷い、逡巡する思考のなかで、答はなかなか出てこなくても、自分なりの納得に向かって、手を動かしながらじっくりと時間をかけることができるのです。
多くのことには、この”時間をかけること”が忘れられてきているのではないでしょうか。むしろ時間のかかることは、うとまれがちです。今はなんでも、パパッと、チャチャっと、サクッと、やれてしまいます。たとえば写真。スマホで誰にでもけっこう素敵な写真が撮れます。でも……きれいなんだけど、そうなんだけど……。何かだいじなものがとりこぼされはいないかな。そうやって置いていかれたものの中にこそ、決して目立たないけれど、たいせつなものがあるんじゃないかな。
わたしは下手ですが、フィルムで撮ったり、デジタルでもマニュアルモードで撮ったりすることが好きです。たしかにそれはめんどくさい。失敗もする。けれども、だからこそ光をとらえる瞬間を待ったり、その場の雰囲気までを写真に焼き付けようとしたりします。そのめんどくささでしか得られないものがあるのです。なぜならそこには、時間という、かけがえのない思いをかける余裕があるからです。やさしさや思いやりは、そんな心の余裕からしか生まれないと、わたしは思うのです。
行司さんの巡る思いや迷いからも、やさしさがいっぱいあふれ出てきます。とても気持ちのいい本です。ぜひ読んでみてください。
写真・文/ 中務秀子
2018年・第27期のフィルムカメラ教室の生徒さんとして、お付き合いが始まりました。今もフィルムカメラを続けてらして、二眼レフカメラにも挑戦中。こどもと大人の絵画造形教室 / コッコ・アトリエを京都の一乗寺でお仲間とされています。デコさんは本好き、映画好き、芸術好き、お話好き。いわば “ 忙しいひまじん ” です。とても自由で全然気取ってない表現に親近感を覚えさせてくれる先輩です。そして心友になりました。
コッコアトリエ・HP → ●
コッコアトリエ・インスタ → ●
19ページ
カイツブリは、ため池や河川などで見られる鳥です。
よくもぐってえさをとっています。
小魚やエビを食べます。
「ケレレレレ…」 と鳴きながら水の上を走るように飛んでいるすがたが見られます。
春には「ひな」をせ中に乗せて運ぶかわいいすがたも見れます。
カイツブリは泳ぐのは得意だけど歩くのはとてもおそいとか…。
おもしろいところは、目をはなしたらもぐっていなくなって探すけど出て来る場所が前と全然ちがったりするところです。
好きなところは、おしりがふわふわでかわいいところです。
ここでクイズです。
カイツブリの仲間はカイツブリをのぞいて何種いるでしょう。
1. 2種
2. 3種
3. 4種
4. 6種
正解は次の鳥図かんで発表します。
最後に前回のクイズの答えを発表します。
正解は
1.の「クロウタツグミ」 でした。
絵・文/ 中野響
お姉ちゃんとひーくんが生まれる前の、2005年10月から撮影をさせて頂いてます。今も2~3年に1回は必ず、スタジオや城陽のご自宅で撮ってます。小学5年生になったひーくんは、この前の撮影の時に鳥に魅せられていると話してくれた。それが小学生レベルの鳥好きの話ではなく、僕からすればもう学者レベル。しかも視点がユーモラスなのでこれはスゴイ!是非、図鑑を作ろうと盛り上がり、WEBという形で毎月2回、発表してもらっています。
繋いでゆきたいもの巻
先日の編み物教室は編み物でなくお味噌作りのワークショップでした。
全然編み物ではない、おばあちゃんとの時間の話です。
私が小さい頃から飲んできたお味噌汁の味。やっぱりこのお味噌が一番ホッとして好きだ。
いつもは出来たお味噌を分けてもらったりしていたけど直伝の配合もしっかり教わった。(きっと何も特別なことはない普通の作り方なんだろうけど、でもおばあちゃんのお味噌が自分には一味違って好きなのだ。)
お味噌作りは大豆作りから始まる。おばあちゃんが畑で育てた大豆を11月頃収穫し、乾燥させてサヤを振って大豆を出して。この大豆を取り出すのがこれがまた大変だけど、子どもたちとゆさゆさと降ってお豆がころりんと落ちてくるのを楽しんで収穫する。
そうして収穫されたお豆が、毎年この時期にお味噌を仕込む。
寒仕込みと言ってこの時期に仕込むのが雑菌の繁殖を防ぎ一番良い時期だそう。
お豆を蒸してやわらかくして、潰し、塩と麹と混ぜ、味噌玉を作って、容器に敷きつめる。
私と仕込んだのはきっと私用に用意してくれた少しの量なのだけど、ふと横を見るとまだまだきっとこれから大量に仕込むであろうお豆たちが水に浸されて順番待ちしていた。
いつものごとく沢山の人に配るためのお味噌なのだ。
今回はお味噌作りで、している事は編み物ではないのだけど、おばあちゃんのやり方を聞いて教えてもらって作るのはいつもの編み物と変わらずで、そしておばあちゃんから編み物の手を継いでいきたいと思うように、こうやって季節ごとに作る保存食も継いで行きたいなと思う。
小さい頃から纏ってきて暖かく大好きだったセーターのように、お味噌汁の味もホッとするこの味。
お漬物の味、梅シロップの味、栗の渋皮煮の味、干し柿の味、どれもきっと特別な作り方ではない普通の作り方なんだけど、買ったものよりも一味、優しく感じる味。
編み物だって同じで、買ったニットも素敵だけど、手編みで編んでもらったあのセーターの温かみと、宝物だと思う幸福感。そういうのは一緒だなぁと思った。
そっか、自分は編み物に限らず、こういうあたたかな手仕事を繋いでいきたいんだなと、改めて感じたのだった。
いつも同じ話になってしまうけど、編み物を習う名目ではじまったこの時間から、気づいたり、感じたり、教わったり、そんな事が編み物を超えてたくさんあります。
でも編み物のきっかけがなければ、こんな時間はなかったのかもしれない。
そう思うと益々、「編み物」は、自分の日常を変えた大事な存在なのかもしれないですね。
でも、他ならぬ「おばあちゃんから習う、編み物」がキーワードですね。
写真・文 / 田畑由布子
こどもちゃん達が生まれる前の、2012年11月からのお付き合い。葵子ちゃん・季なりちゃん・糸喜ちゃんの3姉妹5人家族になった今も年に2回、必ずスタジオや名張市のご自宅で撮影させて頂いてます。編み物の師匠・おばあちゃんのお話しを聴かせてくれたユフコちゃん。面白くてあったかくて、色んな人にも聴いてほしいと思い、毎月2回、綴ってもらってます。
⑱「80過ぎたら勝手に痩せる」
1月14日に緊急事態宣言が出ました。本当に不安な毎日です。そんな毎日を少しでも忘れられたらと思い、今日もコラムを書かせてもらいます。
私たち川瀬家は、南丹市に住んでいます。南丹市はとても自然環境に恵まれています。先日もふと夜に星を見に行こうということになり、車で10分ほどの日吉ダムへ。灯りのない場所に車を停め、地面にマットをひいて、湯たんぽと毛布を持参して上向きに寝ます。
そして、空を見上げると星だらけ!プラネタリウムに来たと錯覚するほどの光景です。
星座板を眺めながら星座を確かめるととても分かりやすく、冬に見えるほとんど全ての星座が見えました。
長い時間見ていると目が慣れてきてとてもよく見えます。それと共に、私は怖がりですので、熊や猪が襲ってくるのではないかという不安感に襲われます。(実際そんなことはないのですが・・・)私だけそそくさと車内へ入り、家族は私の不安なぞどこ知らずゆっくりと鑑賞しています。
皆さんもぜひ冬の星座をゆっくりと眺めて見てください。
今回のコラムで紹介する方は田山さん(仮名)女性です。この方とは10年以上の付き合いになります。私が20代後半。田山さんが70歳代前半からの付き合いです。
私たちが普段接している利用者さんは、介護保険を利用して来られています。
介護保険は比較的軽度の方から重度の方までを7段階に分けています。一番軽度の方が、要支援1→要支援2→要介護1~要介護5になります。これは病気の重さで判断するのではなく、どれだけ介護が必要か?で区分が分けられます。
田山ひいてさんは私が出会った時から、要支援2の方でした。そして、そこから10数年経ちますが、今も要支援2のままです。これってすごいことです。実際、この10数年間怪我や病気がなかったのかと言うと、そんなことはないんです。大腿骨骨折・泌尿器系のがん・骨盤骨折・足のやけどで皮膚移植と大病をされています。それでも病院から帰ってくると入院前と同じような状態で帰ってこられ、本人もケロッとしています。(歩くときは杖がないと転倒してしまいそうですが・・・)
そんな何度も大病をしている田山さん、元気でいる秘訣は何といっても畑です。毎日自宅敷地内にある畑に行ってます。ご主人と二人暮らしですが、二人では到底食べきれない量の野菜を作っておられます。収穫できるとそれを分けてくれます。若い時はそれでも良かったのですが、最近は雑草を引くことも収穫することも容易ではなくなってきています。自宅の畑と言っても元は田んぼだったのでとても広いです。畑での移動は杖だと汚れるから木の棒を持って歩いています。やっぱり畑でもよくこけると聞いていました。
そして、昨年から私たち家族が収穫を手伝うようになりました。昨年の秋は南瓜が大量に出来て腐ってしまうから取りに来てと相談されたので、家族4人で南瓜を取りに行きました。
私は知らなかったのですが、南瓜ってつるのようになっていて大量に取れるんです。一度に30個位取れました。あっちにもこっちにもあります。見るとすでに腐っている物もありました。一本のつるをたどると10m位延びています。最期はつるも抜いて雑草も引くと畑はとてもきれいになりました。よくこれを80後半の夫婦がやっていたなと感心します。
その時も田山さんは草引きをしていたのですが、さすがベテラン。とても早く抜いています。そしてどんどん抜いて進んでいきます。あっという間に5m位進んでいます。そして、そこで立ちます。立ったはいいけど杖がないので歩けません。そして、キョロキョロ木の棒を探しています。その姿はまるでプレーリードックが穴から出てきて周りを見渡しているような姿。杖を見つけるとそこまで歩こうとします。田山さん!杖ないと歩けないやん!と言いながら木の棒を渡すと「これを探してたんや!」と田山さん。そらこけるわ。
田山さんはSukkuへは、セニアカーで来られます。(セニアカーはお年寄りがよく乗っている乗り物で、免許がなくても乗れます。介護保険でレンタルができるためsukkuでも使用してる方はおられます。最高時速は6キロまでで4輪なので安全に乗れます。)
Sukkuには午後1時30分位に来るように伝えていますが、いつもかなり早く来られます。だいたい30分くらい前に来られることが多いのですが、一度だけ12時30分に来られた事がありました。1時間以上前です・・もう私たちは笑うしかありません。スタッフ皆昼食を食べています。ですので、田山さんには珈琲を出して、皆の到着を1時間ほど待ちながら談笑しています。、そして帰りは、終わりの時間が近づくとそそくさと荷物を片付けはじめ、誰よりも早く帰ろうとするので、皆から「まだや!」って総ツッコミ。
そんな田山さんの口癖は「80歳過ぎたら痩せる」です。
田山さん、以前は身長は160センチ以上あって、体重も60キロとがっちりした方でしたが、年齢を重ね病気をしていくごとに体重が減ってきています。今では50キロ程度です。
毎月体重を測ると、今月も痩せてなくて良かった~。と喜ばれます。
Sukkuのスタッフは昨年ダイエットに取り組んでいたこともあり、よく痩せたい!と言ってましたが、それを聞くたびに田山さんは「大丈夫。80歳過ぎたら勝手に痩せる。」と断言。
いやいや、そんなに待てませんから! (おしまい)
次回のコラム「命がけの同窓会」
写真・文/ 川瀬啓介・未央
Sukku 川瀬啓介 / 未央 (理学療法士・鍼灸師 / 鍼灸師)
〒622-0002 京都府南丹市園部町美園町4-16-38
TEL 0771-62-0005
2017年から京都の南丹市でリハビリを中心としたデイサービスをしています。利用者さんと過ごす時間は、笑い声と涙が入り混じる賑やかな毎日です。そんなささやかな日常、会話から気付かされること、そして個性派揃いのスタッフについて…これから色々な事を綴っていこうと思います。
2011年11月からのお付き合い。楓くん・緑くんが生まれる前から撮影をさせて頂いていて、今も1年に1回は必ずスタジオ撮影にお越し下さいます。Sukkuというデイサービスの屋号は、佳代が名付けさせて頂きました。飾らない温かさ、自分の好きが明快で、歯切れがよい。けれど、流れる時間はゆっくり。そんなお二人の人柄が大好きで、バランスを崩した時には体を診てもらおうと決めているから安心です。笑いと涙のデイサービスの日々を毎月2回、綴ってもらってます。