お客さんのコラム4/10版

『光待つ場所へ』辻村深月

大学二年の春。

自分の「感性」に自信のあった水あやめは、同学年の彼の作品を見て、

圧倒的な敗北感を味わうことになり…(「しあわせのこみち」)

恋人と別れた大学生・藤本昭彦

本来は彼女と行くはずだったベルリンを、ひとりで訪れて….(「アスファルト」)

前回紹介した『冷たい校舎』や、同じ辻村作品の『凍りのくじら』に登場する人物が顔を出す、「扉の開く瞬間」を描いた短編集です。

私のおすすめは、「しあわせのこみち」です。

私は、かなりあやめに似ていると思うところもあって、読みすすめている間、かなり共感して「突き刺された」感じでした。

この本を読むにあたって、ひとつすすめたい読み方があります。

『冷たい校舎』や『凍りのくじら』をそろえて、この本が先でもいいけれど、その2作を読んだうえでこの本を読み返してもらいたいです。

辻村作品の魅力がつまっていて、おすすめです!

文・写真/ 木下琴子

2006年3月からのお付き合い。琴子ちゃんが生まれる前から撮影をさせて頂いてます。小学6年生になった今も記念日ごとには必ず、スタジオやお好きなロケ場所で撮影させて頂いてます。埼玉県からお越し下さいます。幼い頃から、本が好きと撮影のたびに僕に話してくれた琴子ちゃん。読みたい物語がまだまだ沢山あると思うと、これからが楽しみとも話してくれた。そんな琴子ちゃん目線の書評を毎月2回、依頼しています。


4月。わたしの引退生活がはじまりました(そのいきさつは、前回のコラムを読んでくださいね)。
 35年の間、途切れることなく続けた活動から離れて、やはりさみしいかなあ、退屈するかなあ、と思いました。でも、一瞬そう考えたのち、そうだ、初めてのフリーランスだ! と気づいたわたしは、もうすでにわくわくしはじめたのです。そしてまず最初にしたことは……生活時間を大幅に変えることでした。

 朝は5時に起きます。それから、いちばん好きなことを、起きてすぐにします。それは日記を書くこと。1時間書いて、そのあと2時間本を読む。それでもまだ8時! 充実した気分で1日をはじめると、その気持ちがずっとつづいて、なんとも気持ちがいいのです。

 こうして新しいステージをはじめたわけですが、自らの限界を知り、長くつづけたことを終えたことで、多少の人間関係は変わりました。しかしわたしはそれも、ひとつの贈り物ととらえることにしました。変化は、次の出逢いへの贈り物でもあると。
 はじめての経験にはもの怖じもあるでしょう。しかしおそれることなく、不慣れなこともこつこつと地道に練習すれば、なんとかなるのじゃないか。そうすればいつかわたしには、楽しいうれしい気持ちが訪れるだろう……。

 気持ちと同時に、体も整えるために長年ヨガも続けていますが、ヨガの先生が、あるときこうおっしゃいました。
「自分の体の調子を整え、気持ちよく楽しくしていられることで、いつかだれかの役に立てるといいですね」と。
 体と心。自分自身のものでもあり、また環境ともとらえられるそれらを、また新らしい目で見直してみたい。61歳のわたしは、今そう考えています。

 さて、今日の本の紹介はこの本です。

『「利他」とは何か』
 伊藤亜沙 中島岳志 國分功一郎 若松英輔 磯﨑憲一郎・著
 集英社新書

 仕事にしろ、日々のさまざまな活動にしろ、ひとは自分のやりたいことをしたいものです。そして、やりたいことをするその先に、誰かがよろこんでくれたらうれしいなあ、と思うことも多いのではないでしょうか。自分のやりたいことが、人を喜ばせることができれば、それに勝る自分自身の喜びはないのではないか。

「利他」という言葉を聞いたことがありますか?
 利他とは、ひとの役に立つこと。と、まず思えますよね。でもそれが、ひいては自分の喜びになるなら、人のためと言いつつ、ほんとうは「自分のため」、つまり「利己」なのではないか? 利他と言い上、実は愛の押し付けや、他者のコントロールになっているのではないか?
 ではほんとうの意味での「利他」とはなんだろうか? そのことについて、5人の著者が考察を重ねたのがこの本です。その中で、主に伊藤亜沙さんと中島岳志さんの考えを紹介したいと思います。

 伊藤さんは、「利他」においてたいせつなことは、他者への距離と敬意だと言います。相手を自分の思うようになってほしいとコントロールしようとせず、相手の積極的な可能性を引き出す。そのためには、他者を気づかい、耳を傾けて、言葉を拾わなければなりません。つまり、「利他」はケアのようなものだ、と言うのです。
 ケアとしての利他には、こちらの思いを超える意外性があり、その意外性をも喜ぶ姿勢がいります。つまり、相手がちゃんと入りこめる様な「うつわ」のような、「余白」のような思いが「利他」なのです。言い換えれば、他者の尊厳をいつくしむ気持ちが「利他」なのです。

 中島さんのアプローチは、利他を、「自力と他力」の観点から考えるものです。自力とは、自分がこうしようとする能動的な行為です。他方、他力とは、どんなに自力でなんとかしようとしても、さまざまなものが関係してきて、自分の力とは別の力が働くことを言います。
 わたしたちがだれかを愛するときも、なにかの思いに至るときも、自分だけでそうなるのではなく、まるでわたしたちに「愛が宿った」、わたしたちに「思いが宿った」と感じることがあります。それが他力です。そのときわたしたちは、自分の無力を知るにいたります。自分だけの力ではない、なにか別の力の訪れによって、わたしは成り立っている。
 ただ自分の力だけでこうなったと思い込むより、自分が力を尽くした先に、自己の限界を知り、その限界に立ったとき、他力がおのずとやってくる、と中島さんは、仏教の考え方を引きながら説いています。「利他は行うのではなく、生まれる」と。

 自らのよろこびと、他者のよろこびが、しあわせにも分ちがたい状態になることを、わたしは日々の暮らしという練習を通じて、目指してゆきたいと思っています。

写真・文/ 中務秀子

2018年・第27期のフィルムカメラ教室の生徒さんとして、お付き合いが始まりました。今もフィルムカメラを続けてらして、二眼レフカメラにも挑戦中。デコさんは本好き、映画好き、芸術好き、お話好き。いわば “ 忙しいひまじん ” です。とても自由で全然気取ってない表現に親近感を覚えさせてくれる先輩です。そして心友になりました。


24ページ

ジョウビタキは、冬に田んぼや林にわたってくる冬鳥です。

枝などに止まっているときに細かく尾をふっているのが特ちょうです。

「ヒッヒッヒッヒ」と鳴きます。

地上におりて虫を食べたり、木の実を食べることもあります。

つばさに白い「はん点」はオスもメスもあります。

おもしろいと思ったことは、「カッカッカッ」と火打ち石を打つような音で鳴くことです。

みなさんもジョウビタキを見たら聞いてみてほしいです。

好きなところは、オレンジ色の尾羽がきれいなところです。

ここでクイズです。ジョウビタキの全長はどの鳥と同じぐらいでしょう。

1.メジロ(11cm)

2.スズメ(15cm)

3.ムクドリ(24cm)

正解は次回の鳥図かんで発表します。

最後に前回のクイズの答えを発表します。

正解は、

1.の飛ぶのが上手いからでした。

絵・文/ 中野響

お姉ちゃんとひーくんが生まれる前の、2005年10月から撮影をさせて頂いてます。今も2~3年に1回は必ず、スタジオや城陽のご自宅で撮ってます。小学5年生になったひーくんは、この前の撮影の時に鳥に魅せられていると話してくれた。それが小学生レベルの鳥好きの話ではなく、僕からすればもう学者レベル。しかも視点がユーモラスなのでこれはスゴイ!是非、図鑑を作ろうと盛り上がり、WEBという形で毎月2回、発表してもらっています。


コラム「Sukkuは携帯屋さんではありません。」

 4月に入りました。我が家の長男も春休みでした。春休み中の長男は、学童に行くことを拒否。かと言って一人で家にいることも拒否。そこで考えたのが、会社敷地内でのソロキャンプ。敷地内にテントをはり、テントで1日の大半を過ごす生活。そこでは、ラジオで高校野球を聞いたり、お気に入りの番組を発掘したり、絵をかいたり、空き箱で作品を作ったりしています。春休みの宿題もテントに机を置いてやりました。一見するととても寂しそうに思いますが、いわゆる隠れ家になってる様でとてもお気に入りの様子。近くで、親や利用者さんの声を感じながらなので安心して過ごせているようです。(そういえば私も小学生の時に隠れ家を色んなところに作っていたなあ)
長男はこの春休みで、絵を描くことと作品作りのレベルがかなり上がりました。
子供の2・3週間の成長ってすごいと改めて思う今日この頃です。

今回のコラム「Sukkuは携帯屋さんではありません。」
今や社会問題である、高齢者のスマホ使えてない問題ですが、Sukkuの利用者さんでも起こっています。
いわゆる携帯電話の時はまだ皆さん何とか対応できていたのですが、スマホに変えたらもう全然ダメです。本当にダメです。80歳過ぎてからのスマホへの機種変更はダメです。
最近あった、利用者さんのスマホにまつわる数々の事件を紹介します。

まず、80歳代女性。小田さんの場合。1か月前にスマホに変更し、何とか電話は出来ていたが、突如通話不能に・・・。携帯屋で確認すると、なんと飛行機に乗っているモードになっている・・・。本人は全然気づいてませんし、操作した記憶もありません。そして、スマホで撮影した写真を嬉しそうに見せてくれる小田さん。梅の花や桜の花など自宅で育てている花を色々見せてくれたけど、そのほとんど全てに小田さんの指が入り込んでます。心霊写真のように・・・。本人は気付いていません。
今はSukkuスタッフによるライン講座を受けておられます。

80歳代男性 神田さんの場合。先月娘さんの機種変更に伴い、半ば強制的にスマホに変わりました。そして、ラインの仕方を教えてほしいとスタッフに相談がありました。ラインを開いてみると、なんと孫や娘のラインが登録してありました。そして、孫に「おじいちゃんは元気です」とラインを送った形跡がありました。しかし、本人は送った記憶がありません。それどころかラインを開いた記憶もありません。完全にホラーです。
4月に入っても未だに神田さんはラインを送れていません。

小山さん80歳代女性の場合。この方もスマホです。Sukkuスタッフによるライン講座の成果もあって、何とかラインが出来るようになりました。今では上手に使えています。しかし困ったことに、毎日10時30分に携帯会社からお知らせメールが届きます。その音が大きくてとてもおかしい着信音なんです。小山さん自身は、耳が遠いので着信音に全く気付いていません。けど、周りは気付いています。小山さんあの変な着信音なんとかして~。

杉山さん80歳代女性の場合。この方は頭の回転が速く、スマホにも対応出来ている方です。夕ご飯はスマホで美味しそうな料理を検索して作ったり・・と上手く活用できています。
先日利用中に「眠たいわ~」と言っておられました。お年寄りはトイレ事情や、病気の影響で眠りが浅くなるなど色々なことが起こります。
杉山さんもそうなのかな?と思い、原因を聞くと・・・
「スマホで面白い動画を見てたら興奮して眠れなかったんや~」と!
私は思わず「中学生か!」と言ってしまいました。
これから、お年寄りの不眠の原因にスマホも入ってくる。そう感じた瞬間でした。

山田さん女性80歳代の方の場合。この方は普通の携帯電話です。しかし、全然使えていません。来られるとほぼ毎回「充電がなくなりそうなんですが、何とかなりませんか?」と言われます。私は携帯を確認します。すると、未読メールがたまっています。全て、携帯会社からのどうでもいいようなメールです。それを、見ないために携帯がチカチカ光り充電がすぐになくなります。私は、それらを消すために暗証番号を聞きますが、もちろん本人は覚えていません。けど、分かります。「0000」これが暗証番号です。これで、毎回削除しています。そして、帰りにフル充電状態で渡します。(電気代は頂いていません)
そして山田さんは毎回、「今週も着信音が鳴らなくて困りました。」と言われます。娘に、電話してるのに出ない!と怒られたと。確かに、携帯を見せてもらうと毎日夜7時半に娘さんからの着信があります。そして、必ず不在着信です。確認すると音は大きい音で鳴っているし、バイブもなっています。なんで気づかないんだろうか・・?
先日お迎えに行った時、何度チャイムを鳴らしても出てきません。たまたま玄関が空いていたので「山田さーん」と叫びながら入ると、僕の声をかき消すぐらいの大音量でテレビが鳴っていました。そら、携帯の着信音なんか聞こえへんわ。 (おしまい)

次回は、「人生の終い方を考えてる」です。

写真・文/ 川瀬啓介・未央

Sukku 川瀬啓介 / 未央 (理学療法士・鍼灸師 / 鍼灸師)
〒622-0002 京都府南丹市園部町美園町4-16-38

TEL 0771-62-0005

2017年から京都の南丹市でリハビリを中心としたデイサービスをしています。利用者さんと過ごす時間は、笑い声と涙が入り混じる賑やかな毎日です。そんなささやかな日常、会話から気付かされること、そして個性派揃いのスタッフについて…色々な事を綴っています。

2011年11月からのお付き合い。楓くん・緑くんが生まれる前から撮影をさせて頂いていて、今も1年に1回は必ずスタジオ撮影にお越し下さいます。Sukkuというデイサービスの屋号は、佳代が名付けさせて頂きました。飾らない温かさ、自分の好きが明快で、歯切れがよい。けれど、流れる時間はゆっくり。そんなお二人の人柄が大好きで、バランスを崩した時には体を診てもらおうと決めているから安心です。笑いと涙のデイサービスの日々を毎月2回、綴ってもらってます。