お客さんのコラム2/10版

先日、自分にとってほんとうにたいせつなものはなんだろう、と考えるきっかけがありました。

 お正月に、お餅ではなく珈琲が、のどの奥にすいっと入りこみ、誤嚥になってしまいました。しつこい咳き込みがとまらず、肺炎の検査をすることになったのですが、そのとき思いも寄らず、腫瘍マーカーに黄色信号が点ったのでした。びっくりした、というよりも、ああ、ついに来たか、という思いでした。

 昔、今のわたしと同い年で、母がステージ4の胃がんになりました。その後母は長くつらい闘病の末、命をとりとめ、88歳の生をまっとうしたのですが、いよいよわたしもそういう年になったのだなあ、と思ったことでした。

 先日ここでとりあげた法然院の貫主、梶田真章さんは、「自然と人間の共存」という考え方はおかしい、とおっしゃっています。人間と自然は対立しているのではなく、人間も自然のなかにあって、まじりあって生きているのだ、と。だから衰えも死も病気も、ただ自然の成り行きなのです。

 わたしは自分の時間にも限りがあるのだと、いまさらながらに実感しました。そしてこのとき、こころのすみずみまで見回してみて、なんの後悔もなかったです。

 さいわい再検査の結果、事なきを得たのですが、事なし、とは無事ということ。なんてほっとする言葉でしょう。そしてこれからは、自分にとってたいせつなことをより考えて生きていこうと、深くつよく思ったのでした。

 さてそんなことをつらつら考える日々、陽射しは早春のかがやきを帯びてきています。きょうご紹介したいのは……。

『ほんとうのリーダーのみつけかた』
 梨木香歩 岩波書店

 昔からひとは、多様な自然のなかで生きるにあたって、群れをつくって生きてきました。そこにはリーダー的存在がおり、リーダーのもとにまとまることで、人間は生き抜いてきました。
 しかし、そのリーダーに認められることばかりを気にかけていたら? それは、世間の評価を過剰に気にすることにもつながります。他人にいいと思われたい。そういう思いは、現代の日々のSNSにもあふれています。

 いつもだれかにいいと思われなくてはいけないの? と梨木さんは問いかけます。

 そうではなく、自分自身のなかにいる、もうひとりの自分の目で、自分を客観的に見直すこと。自分のなかの、もうひとつの声に耳を傾けて、意見を聞いてみること。わたしたちのほんとうのリーダーは、そのひとなのではないか。

「だれよりもあなたの事情をよく知っている、両親よりも、友だちよりも、いわんや先生たちよりもあなたのことをすべて知っている。あなたがそういうことせざるをえなかった、あなたの人生の歴史についてもだれよりも知っている。あなたの味方。いつだって、あなたの側に立って考えてくれている。
 そう。あなたの、ほんとうのリーダーは、そのひとなんです。
 それはさっき私が言った、「自分のなかの目」でもあります。同じひとです。そのひとにぴったりついていけばいい。
 自分のなかの、埋もれているリーダーを掘り起こす、という作業。それは、あなたと、あなた自身のリーダーを一つの群れにしてしまう作業です。チーム・自分。こんな最強の群れはない。これ以上にあなたを安定させるリーダーはいない。これは、個人、ということです。」

 ほんとうのリーダーと対話するためには、まず、自分自身で考えなければなりません。おかしいな、と思ったことをたいせつにして、自分の言葉をさがす。そうすることで自分らしさを保つのです。

 でももしそのとき、自分が間違っていた、と気づいたら? それでもいいのです。負けを素直に認めてやり直せば。そうすれば、以前よりもっとしっかりした、深みのある自分にたどりつきます。

「尊厳を感じさせ、優雅である負け方もあります」と梨木さんは言います。

 負けを素直に認める。それは自分の全否定ではありません。この分野では間違っていた、ただそれだけです。誤りを認め、考えなおす。その先には、新しい清々しい世界が広がっているのです。

 ほんとうのリーダーと対話することによって、自分を客観視し、内省し、自分にふさわしい言葉を選ぶ。そうすることで、揺るがない主体性にいたる。自分にとってなにがたいせつなのかを教えてくれるのは、自分と、自分のなかのほんとうのリーダーとの対話の言葉なのでしょう。

写真・文/ 中務秀子

2018年・第27期のフィルムカメラ教室の生徒さんとして、お付き合いが始まりました。今もフィルムカメラを続けてらして、二眼レフカメラにも挑戦中。こどもと大人の絵画造形教室 / コッコ・アトリエを京都の一乗寺でお仲間とされています。デコさんは本好き、映画好き、芸術好き、お話好き。いわば “ 忙しいひまじん ” です。とても自由で全然気取ってない表現に親近感を覚えさせてくれる先輩です。そして心友になりました。

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『あしたのことば』 森絵都

どっちも好き、馬が合わない、言葉はこわい、羽、音、またあした。

お気に入りの言葉はありますか?

印象に残っている言葉、大切にしている言葉、忘れていた言葉、後悔している言葉はありますか?

森絵都さんが<言葉>をテーマに綴る8つの物語です。

どの話が好きになるでしょう?

感想はいろいろだと思います。

言葉について、どう思うでしょう?

私もまだ読み終わったばかりです。

短くて読みやすいので、何度も読むうちに、いろいろなことを考えると思います。

国語の教科書掲載の「帰り道」、2021年のある中学校の入試に出た「あの子がにがて」なども収録。

9人のイラストレーターさんとコラボもしていて、話ごとにイラストがちがうんです。

とてもすてきな本です。

ぜひ読んでみてください!

文・写真/ 木下琴子

2006年3月からのお付き合い。琴子ちゃんが生まれる前から撮影をさせて頂いてます。小学5年生になった今も記念日ごとには必ず、スタジオやお好きなロケ場所で撮影させて頂いてます。埼玉県からお越し下さいます。幼い頃から、本が好きと撮影のたびに僕に話してくれた琴子ちゃん。読みたい物語がまだまだ沢山あると思うと、これからが楽しみとも話してくれた。そんな琴子ちゃん目線の書評を毎月2回、依頼しています。


おばあちゃんは与えの人の巻

立春を過ぎると春めく日差しを感じる日も多くなってきましたね。
ぽかぽか暖かく、薄着で外に出る日が待ち遠しいです。

毎晩寝る前に子どもたちと絵本を読んだり、子どもたちの好きな日本昔ばなしを見てから寝るのが我が家のルーティンになっていて、先日見た昔話で、優しいおばあさんが村にやってくるおっかない嫌われ者の鬼にも「まぁ、お入りよ」と笑顔でもてなして鬼の心をほぐして、仲良くなってしまい、おばあさんのお陰で村にも平和が訪れるという話を見て、私の師匠のおばあちゃんを思い出さずにはいられなかった。

編み物をしながらお茶をしたり、おばあちゃんとちくちくしながら色んな話を聞く。
編み物に纏わる話はほどほどに、昔の話や、最近の面白かったこと、おばあちゃんの珍エピソードなど。いつもちくちく編みながら笑って話すこの時間が大好きだ。

その珍エピソードの中に先日、子ども達と見た日本昔ばなしのような話があった。

おばあちゃんの家はいつも来客がとても多い。近所のおばちゃん、おじちゃんがいつもおばあちゃんと話をしにきてくれている。
他にもヤクルトレディさん、農協の人、庭師さん、来る人来る人みんなに「さむいなぁ、まぁ入ってください!」と言ってお茶を出したりして世間話をしたりしている。
とっても仲良さげに話をしてるので、お客さんが帰ってから「いつも来てくれる人なん?」と聞くと「あの人は、はじめてやわぁ〜」なんて言うからびっくり!なんて事が多々ある。

そんな調子なので、その昔も…

おばあちゃんが出先から帰ってきたら家の中から作業着を着た男性が出てきたそう。
あら、鍵は空けていったかなと思いながらも
庭師さんかと思って「あら、こんにちは、どうもご苦労様です、どうぞお茶飲んでって」
とお茶を出して話していたそう。
おばあちゃんがお茶やお菓子を出したりしてもてなしてるうちに、その男性が「すみませんでした。」とポケットからお金を出した。
おばあちゃんは「え?」と思っていると、その男性は庭師さんではなく、泥棒に入った紛れもない泥棒さんだったそう。
泥棒さんは怪しまれないように、おばあちゃんが勘違いしている
庭師さんになりきって、おばあちゃんに出されたお茶やお菓子を食べながら話してるうちに罪悪感に苛まれたのだろう。お金を出して謝ってきたそう。
おばあちゃんはびっくりしたけど、警察にも通報することなく、許したそう。

そんな話をするもんだから、おばあちゃんお人好しが過ぎるで…と思いつつも泥棒さんの気持ちもちょっとわかるような気持ちもする私だった。
おばあちゃんと話していると、喜んでもらおう!というおばあちゃんの無性のもてなし心に、本当にこちらの気持ちが解き解されるような気持ちになってしまうのだ。
きっと泥棒さんもそうだったのだろう。
もうこの人には悪いこと出来んと思ったのかな。。(笑)

おばあちゃんはいつでも与える人だなぁと思う。
優しさや、暖かさを相手にまずは自分から与えて相手の心を解いていく。
見返りはいらない。
相手が喜んでくれたらそれでよし。

師匠の背中は大きすぎます。
なかなかあんな風にはなれないけど、
そんなおばあちゃんが大好きで誇りに思う私です。

先日子どもたちとみた昔話のおばあさんの話を聞きながら、現代版のこんな話をこの前聞いたなぁなんて思っていたのでした。

また編み物から離れたコラムになってしまいましたが、最近は編み物片手にちくちくしながら別の事を学んでるような、そんな教室です。
でも名目は編み物教室ですから、編み物もたくさん教えてもらってます。
でも編み物が霞むようなエピソードが多い、楽しい編み物教室なのです。(笑)

写真・文 / 田畑由布子

こどもちゃん達が生まれる前の、2012年11月からのお付き合い。葵子ちゃん・季なりちゃん・糸喜ちゃんの3姉妹5人家族になった今も年に2回、必ずスタジオや名張市のご自宅で撮影させて頂いてます。編み物の師匠・おばあちゃんのお話しを聴かせてくれたユフコちゃん。面白くてあったかくて、色んな人にも聴いてほしいと思い、毎月2回、綴ってもらってます。


20ページ

ケリは、田んぼや河原にいるハトぐらいの大きさの鳥です。

「ケッケッケッケー」などとうるさく鳴きます。

夜にも鳴くのでねているときもうるさいです。

田んぼにいるときは目立たないけど羽を開くと白いので別の鳥に見えます。

前に紹介したタゲリ(NO,4)もケリも、田んぼにいるのに「タ」(田)がケリにつかないのかなぁと考えています。

好きなところはひなやたまごを守るためにカラスやトビ(トンビ)を追いはらうところです。

追いはらっているところを見るとついついぼくもおうえんしてしまいます。

おもしろいと思ったことは、若鳥の時は目が黒いことです。

ケリがいたら目が黒くないか見てほしいです。

今日はぼくの住んでいる城陽市に「コウノトリ」が来たのでコウノトリについて書きます。

名前は「ひかり」で福井生まれです。

田んぼでタウナギやザリガニを食べていました。

「ひかり」がここではんしょくしてくれたらうれしいです。

最後に前回のクイズの答えを発表します。

正解は

3.の4種でした。

絵・文/ 中野響

お姉ちゃんとひーくんが生まれる前の、2005年10月から撮影をさせて頂いてます。今も2~3年に1回は必ず、スタジオや城陽のご自宅で撮ってます。小学5年生になったひーくんは、この前の撮影の時に鳥に魅せられていると話してくれた。それが小学生レベルの鳥好きの話ではなく、僕からすればもう学者レベル。しかも視点がユーモラスなのでこれはスゴイ!是非、図鑑を作ろうと盛り上がり、WEBという形で毎月2回、発表してもらっています。


⑲「命がけの同窓会」

1月も終わり2月に入りました。12分の1が終わりました。
皆さん今年立てた目標の達成度はどうですか?
私は1か月に2回登山することを目標にしています。(家族には内緒ですが・・)
1月は地蔵山と半国山に登りました。特に亀岡にある半国山は、渓流を横目に登山道が整備されとても気分良く登れました。そしてなによりも頂上からの眺望がよく、なんと大阪湾が見えました。半国山の渓流は最終的に大阪湾に流れるとのことで、自然のつながりを感じれてとても感動しました。やっぱり人間て自然の中で生きているんですね。

今回の登場人物は3名です。前回登場した田山さん、Sukkuご利用者さんの西野さん(仮名)
、そして二人のご友人の石田さんです。
石田さん以外はSukkuをご利用になっていますので、私たちもよく知っている方です。偶然にも小中学校の同級生が同じ曜日の同じ時間帯になりました。この3名は亀岡市で生まれ育ち、結婚を機に園部町へ来られた方です。昔からこの3人は1年に1回集まって食事会をされていました。若い時は泊りで色々行ったらしいですが、最近では年に1度のランチ会が恒例になっているそう。昨年も5月に3人で集まられました。
今回は、その時のお話しです。
田山さんと西野さんは同じご利用日ですので、ランチを終えてから二人でSukkuに来るつもりをされていました。しかし、3人とも80歳を超えている方々です。そして、Sukkuをご利用になっているということは何かしら体に障害を持っています。田山さんは腰と足が悪く杖が必要ですし、西野さんも腰と膝が悪く、特に腰は大きく曲がり膝は人工関節の手術を受けておられ杖で歩かれます。石田さんは・・・よく知りません。
同窓会は金曜日の11時。園部町の中心部にある、新しく出来た喫茶店が今回の集合場所です。
西野さんはバスを乗り継ぎ、シルバーカーを押して目的地へ。田山さんはご主人に車で送ってもらって到着。石田さんは・・・知りません。
喫茶店で美味しいランチと珈琲を飲んで楽しいお話しをして、トイレも済まし1時になりました。田山さん西野さんは二人でsukkuに行くためにそのまま石田さんとは別れました。
喫茶店からSukkuまで約500メートル・・・二人は歩いていくという選択をされたのです。まず西野さん、シルバーカーを押しているので比較的長い距離を歩けます。
問題は田山さんです。田山さんはその日ご主人に送ってもらったために、家に杖を忘れてしまいました。前回のコラムで書きましたが、田山さんは杖がないとほとんど歩けない方です。ではどうやって歩いたか?
たまたま、西野さんがシルバーカーに折りたたみ杖を入れていたらしく、それを借りてSukkuを目指しました。しかし、田山さんが普段使っている杖は4点杖。この4点杖は、杖先が4点になっていて、普通の杖より地面に接する面積が広いため安定して歩けます。(逆に言えば田山さんの場合、普通の杖になると歩きにくく、転倒の危険性が向上することを意味します。)
もちろん、西野さんの杖は普通の杖です。危ないながらもその杖を使いながら、田山さんは一生懸命に歩いていました。喫茶店からSukkuまでは信号が2つ。そのうち一つは国道9号線を渡ります。渡ってしばらくすると直線で250メートル先にSukkuがあります。
私が二人を目撃したのは残り50メートルの所。
腰を大きく曲げながらシルバーカーを押している女性の横で、杖に頼りながら左右に大きく身体を揺らし何とか歩いている田山さん。その姿はまるで綱渡りをしながら今にも綱から落ちてしまいそうな姿でした。
西野さんも、「隣でこけへんか、ヒヤヒヤしながら歩いてたんや~。」と…。
結局、田山さんはその日疲れてトレーニングは全く出来ず、二人はスタッフに怒られました。
そして、今年も3人の同窓会を行う予定が入りました。前回の同窓会はあんなことになってしまったので、西野さんが私にこそっと「来週集まるんや。」と教えてくれました。
またか。今回はさすがにSukkuのある日をさけて、1月14日に決まりました。
私はその後、どうやったか?をこそっと聞きました。
すると西野さんが、「1月14日に京都に緊急事態宣言が発令されたから中止になったんや!」
私は内心ホッとしました。
緊急事態宣言が出たおかげで、命がけの同窓会がなくなりました。開催されていたら、今回もどうなっていたか・・・。
京都府知事、あなたの判断は間違っていなかった。(おしまい)

次回は「所長は市民ランナー」

写真・文/ 川瀬啓介・未央

Sukku 川瀬啓介 / 未央 (理学療法士・鍼灸師 / 鍼灸師)
〒622-0002 京都府南丹市園部町美園町4-16-38

TEL 0771-62-0005

2017年から京都の南丹市でリハビリを中心としたデイサービスをしています。利用者さんと過ごす時間は、笑い声と涙が入り混じる賑やかな毎日です。そんなささやかな日常、会話から気付かされること、そして個性派揃いのスタッフについて…これから色々な事を綴っていこうと思います。

2011年11月からのお付き合い。楓くん・緑くんが生まれる前から撮影をさせて頂いていて、今も1年に1回は必ずスタジオ撮影にお越し下さいます。Sukkuというデイサービスの屋号は、佳代が名付けさせて頂きました。飾らない温かさ、自分の好きが明快で、歯切れがよい。けれど、流れる時間はゆっくり。そんなお二人の人柄が大好きで、バランスを崩した時には体を診てもらおうと決めているから安心です。笑いと涙のデイサービスの日々を毎月2回、綴ってもらってます。