サニー文庫1/25版

竹内佳代がスタジオスツールで、毎月第4土曜日の10:00~12:00にSUNNY BUNKO(家庭文庫)を開いています。

次回のサニー文庫は 2月27日(土)10:00 - 12:00

*マスクの着用とアルコール消毒にご協力をお願いします。

「えぇーっ!」思わず声が出た。安野光雅さんが昨年12/24に亡くなられていたことが新聞に載っていた。ここ数年、大好きな方が旅立ってゆかれる。私が40年以上前に出会った絵本を作られていた方々なので、ご年齢を考えると早すぎるわけではないのだけれど、90代になってからもご活躍されていたので、なんだかずっと活動を観ていられるような気になっていた。涙がでてしまう。安野さんの絵本と出会ったのは小学校の図書室。「旅の絵本」をパラリとめくって、文字がなくて風景が続くのを見て棚に返したことを覚えている。でもその後、「ふしぎなえ」に出会い絵の中の小人を追いかけて “あれ?” “どうして?” と思っているうちに安野さんの世界へ。溢れる情報や人の意見に惑わされずに生きるにはどうすればよいかを安野さんの発想で綴られたエッセイ「かんがえる子ども」では、安野さんが幼い頃に遊んでいた鏡の遊びが不思議の世界の入り口であったと書いてあった。それを読んだとき、私も小さい頃鏡を持って家の中を探検(歩く)するのが面白かったことを思い出した。

『絵本作家のアトリエ』という1-3までの本の2に安野さんが登場されている。沢山の作家さんのアトリエが写真で見られる本なのですが、安野さんはアトリエを一切公開されておらず、安野さんの故郷、島根県の津和野にある「安野光雅美術館」の中に再現されているアトリエが載っています。インタビューの終わりの言葉。“最後に一つだけ言わせてくれない?これを言ったら、今日話した他のことなんて、なにも載せなくていいからさ。” “子どもたちに、もっと、たくさん本を読んでほしいんだ。” それからちょっと照れたように笑われて “こう言葉にしてしまうと月並みだし、陳腐な感じになるから、難しいね。それに子どもに『読みなさい!』ってストレートに言うと、逆に本嫌いになっちゃうかもしれないし、どう言うのがいいのかな。とにかく自分で考えるくせをつけてほしいんだ。誰か偉い人がそう言ってたからとか、テレビで言ってたからとか、判断を他人に任せるのはよくないよ。でも自分で考えるためには、日ごろの訓練が必要だからね。いきなり考えろ、って言っても無理。楽器の勉強は幼いうちにしないとダメだと言うでしょう。文字も楽譜も考える訓練も、小学生のうちにやっておかないと身につかないのです。頭がやわらかいうちにたくさんの本を読んで、世の中にはいろんな考えがあることを知っておいてほしい。” 一息に話しゃべると水を口に運ばれて “それに、ほら、考える人が減ってしまうと、ぼくの絵本がわからないって人も増えちゃうからね(笑)”。「母の友」2006年12月掲載

写真の右側は京都・久美浜町にある美術館「森の中の家・安野光雅館」3月には本格的な追悼展が予定されているそうです。