お客さんのコラム10/25版

このコラムの過去数回を読み返してみたら、なんとずっと病気の話題…。ほんと、やれやれ、です。子どものころから体が弱かったわたし。しょっちゅう何かの感染症にかかります。前回のお休みは、まさかの帯状疱疹の再発でした。

 そんなわたしにとって、気持ちを晴らすことはとてもたいせつ。それは読書や映画だったり、写真や編み物や庭仕事だったり。猫を愛することはもちろん、そして何よりも、気の合った友だちと話すことは、とても気持ちが安まるものです。

 ある本に、「依存の分散」という考え方が紹介されていました。熊谷晋一郎さんという、しょうがいをお持ちの小児科医の方が書かれた本です。熊谷さんは、体が硬直して思うように動かせないという状態でいらっしゃるのですが、ずっとお母さんにお世話をしてもらってきました。が、学生時代に一人暮らしをはじめ、「自立とはいったいなんだろう?」と考えはじめます。

 もし熊谷さんがずっと自宅に住んでいたら、お母さんが老齢になったり病気になったらどうなるのでしょう? たちまち全てが止まってしまうでしょう。
 そこで熊谷さんは、もっと多くの人に頼って、この人が無理でもあの人がいる、という風にしなければ生きていけないと気づきます。そうして、ひとりひとりへの依存が薄まれば、「自立」ということになるのでは? と考えました。

 実はわたしたちも、そうなのです。食べ物も、着るものも、仕事も楽しみも、なにもかも、実はだれかに関わっており、世話になっています。つまり依存先がたくさんあって、一見依存に見えないくらい薄まって、あたかも自分ひとりでやっているように見える。それが「依存の分散」です。だれにも、何にも頼らないのが自立ではない。数多くのだれかに、あるいは何かに頼って、そうして頼りあっている状態こそが、ほんとうの自立ではないか。

 前書きがとても長くなりました。そんなことをつらつらと考えていたとき、この本に出会いました。今回は漫画。1巻と2巻が出ています。

『ベルリンうわの空』
『ベルリンうわの空 ウンターグルンド』
  香山哲 イーストプレス

 主人公の若者、哲は、ドイツのベルリンに旅行でやってきて、この街が気に入り、そのまま住みついて5年になります。哲がまわりの、ちょっと変わった人々とかかわっていく日々を描いた面白い漫画です。

 まず絵柄がとてもユニーク。ひとの顔が、犬や花やロボットや、その他のよくわからないものになっていて、一見すごくシュールなのです。が、そこがなんとも可愛らしい。ベルリンの街には移民が多く、いろんな人がいる、ということをその絵は表しているのでしょう。

 いろんな人がごちゃまぜに、ゆずりあったり助けあったりして暮らしていて、なんかいい。食べ物を分けあったり、いらないものをゆずりあったりすることが、街中になんでもなく、あたり前にあるのです。
 日本だと、清潔なの? とか、まずそういうことを気にして、お金を介するやりとり以外はあまり信用されないのですが、それだって、昭和のはじめごろまで残っていた、味噌やしょうゆの貸し借りがあった頃には、ふつうのことでした。でも今やそんなつきあいはほぼありません。昔に戻れ、というのではありません。もっと今にあった方法があるのでは? と言いたいのです。

 この漫画のベルリンでは、その方法が実践されています。街角に、だれがもっていってもいい「あげますボックス」があったり、みんなで使える公共の場があちこちにあったり。ゆずりあいの気持ちが自然にやりとりできる場が、街中にあふれているのです。

 依存の分散、ということを考えながら読んでいると、街にも人のあいだにも、そいういうことがふつうにあるといいなあ、と思えました。どうぞ読んでみてください。

写真・文/ 中務秀子

2018年・第27期のフィルムカメラ教室の生徒さんとして、お付き合いが始まりました。今もフィルムカメラを続けてらして、二眼レフカメラにも挑戦中。こどもと大人の絵画造形教室 / コッコ・アトリエを京都の一乗寺でお仲間とされています。デコさんは本好き、映画好き、芸術好き、お話好き。いわば “忙しいひまじん” です。とても自由で全然気取ってない表現に親近感を覚えさせてくれる先輩であり心友です。

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⑫「85歳と鹿の知恵比べ」

今年の冬は寒くなるかもしれないと思わせる10月後半。川瀬家は先日、六甲山登山に挑戦しました。1000メートル近い山への挑戦は初めてです。しかも、天気は雨。とても大変な登山でした。子供も一緒の登山は珍道中でしたので、次回のコラムで紹介したいと思います。

秋も深まり山々に自然の恵みが満ちている南丹市。今回は、その陰で山々から降りてくる鹿と日々格闘している杉村さん(仮名)を紹介したいと思います。
杉村さんは85歳の女性で小柄な方です。腰が曲がり杖で歩かれていますが、グランドゴルフや畑に日々取り組んでおられとても活動的なお年寄りです。そしてとても笑顔がチャーミングなおばあさんです。
そんな杉村さんは自宅の庭で畑に取り組んでおられます。夏の暑い日も冬の寒い日も毎日毎日畑に行かれてます。炎天下の中で体調不良になるまで畑をされていることもしばしば。特に夏野菜は一気に出来上がるので、取れるときも大量。Sukku利用者の方には畑をしている方も多いので、旬のお野菜をいろんな方が持ってきてくれます。
今年の夏の話しですが、いつものように杉村さんを迎えに行くと表情がすぐれません。青白い顔をしています。私が杉村さんに「なんか体調悪そうやね。」って聞くと、「調子が悪いんや。食欲ないし何食べても味がしないんや。」と返ってきました。これは夏バテだと思い、畑は早朝にして昼間はゆっくり休みや。と伝えました。
sukku利用中は色々な人と話しをされ、楽しそうに過ごされていました。
翌週迎えに行くとまた顔色がよくありません。本人も「調子が悪いのが続いている。」と。体重を測定すると2週間で2㎏痩せていました。けれども利用中は楽しそうにされて、運動もしっかりされています。
私を含めてスタッフが心配になり、改めて何かあったのかを問うと・・・
「畑に鹿が入ってきて茄子を全部食べられたんや。それが悔しくて悔しくて。柵も私が作ったのに!」と、鹿に対してそれはそれは怒っていました。
次の週に入っても体調は回復せず、体重は更に1㎏痩せました。あまりにも長引いているので主治医に相談され、胃カメラをすることになりました。
悪い予感がしました。食欲がなく、体重が減少して、味覚異常、そして、胃カメラ。
私と杉村さんの付き合いは長く、7・8年ほど。万が一悪い病気だとしたら年齢的にももう会えなくなるかも知れない・・・。
翌週迎えに行くと、白い顔で「胃に出血の痕があって貧血気味。鉄分の薬が増えた。」
更に私が、悪いものではないのか?と聞ききました。
「癌ではない。」その言葉で私もスタッフも安心しました。
なんで胃が出血するくらいになったんやろか?と聞くと理由は一つ。鹿。
畑を鹿に荒らされたこと。それによりやる気がなくなり毎日していた畑もしなくなってしまったのです。それがストレスの原因だったのです。
普段温厚でとても面白い杉村さんですが、この時期私たちが鹿の話しをすると、すぐに「鹿なんか死ねばいい。」を連発します。
最初に鹿に畑を荒らされた時から杉村さんなりに柵を修正して高くしたり、鹿が入る隙間を埋めたりしました。しかし、効き目は全然ありません。なぜか?
鹿は2mの高さまでだったら跳んでしまうのです。杉本さんは身長140センチです。
鹿が飛び越えれない高さの柵を作ることは不可能です。
そうこうしている間に毎週毎週鹿に畑を荒らされ、しっかり実のなっていた茄子も鹿に食べられてしまい茎だけになってしまいました。その茎も徐々に短くなり、もはや土から数センチ茎が出ているだけになっているのです。
茄子がなくなり、茎だけになり淋しくなった茄子と同調するように杉村さんの体調も悪くなり、体重も減り食欲もなくなったのです。
まさしく、鹿にやられてしまったのであります。
それから1か月ほどするとようやく体調が戻って来て顔色も良くなってきました。食欲も戻り、体重も戻ってきました。再度、病院で胃カメラを実施したところ胃は綺麗になり貧血もおさまりました。
急に体調が良くなったのはなぜだろう?
理由は簡単でした。
息子さんに鹿侵入防止ネットを作ってもらい、それから鹿が入って来なくなったからストレスがなくなり体調回復。今まで通り畑に取り組む日常が戻ったのです。
しかし、恐るべしは鹿です。夜に車を運転していると必ず鹿と遭遇します。
南丹市の綺麗な景色の陰には、鹿や猪、さらに猿まで民家に出没しています。
そして、野生動物の被害で杉村さんの様に心と体をを痛めている人が他にもたくさんいます。たかが畑、されど畑です。
年を重ねると、色々なものを失っていきます。体力や筋力だけでなく、友人や家族を失うこともあります。車の運転免許を返納することも失うことです。畑をしなくなることも失うことです。お年寄りが畑を失うことは自分の身体を失うことと同じなんです。
私たちが接しているお年寄りには、少しでも失うものが少なくなるようにしてあげたいですね。(おしまい)

次回は「下山のすすめ」です。

写真・文/ 川瀬啓介・未央

Sukku 川瀬啓介 / 未央 (理学療法士・鍼灸師 / 鍼灸師)
〒622-0002 京都府南丹市園部町美園町4-16-38

TEL 0771-62-0005

2017年から京都の南丹市でリハビリを中心としたデイサービスをしています。利用者さんと過ごす時間は、笑い声と涙が入り混じる賑やかな毎日です。そんなささやかな日常、会話から気付かされること、そして個性派揃いのスタッフについて…これから色々な事を綴っていこうと思います。

2011年11月からのお付き合い。楓くん・緑くんが生まれる前から撮影をさせて頂いていて、今も1年に1回は必ずスタジオ撮影にお越し下さいます。Sukkuというデイサービスの屋号は、佳代が名付けさせて頂きました。飾らない温かさ、自分の好きが明快で、歯切れがよい。けれど、流れる時間はゆっくり。そんなお二人の人柄が大好きで、バランスを崩した時には体を診てもらおうと決めているから安心です。笑いと涙のデイサービスの日々を毎月2回、綴ってもらってます。


「獣の奏者」シリーズ 上橋菜穂子

10才の少女・エリンは、母のソヨンと二人暮らし。母は「闘蛇」という、戦いに使われる凶暴な生き物のなかでも、最強の<牙>たちの世話をまかされていた。

しかし、ある日、その<牙>がすべて死んでしまう。ソヨンは罪を問われて捕らえられた。

「決して人に馴れない、また、馴らしてはいけない獣とともに生きる」少女の物語。

私の大好きな上橋さんの本です。

壮大な物語で、政治のこと、獣たちの生態などがあまりにくわしく、ていねいで、作りこまれているので、フィクションではないのではと思ったほどです。

たくさんの謎、すべてがあきらかになるのは….?

上橋さんは「内容にも表現にもなんの手加減も加えませんでした」といっているし、外伝『刹那』は結構大人向けです。(上橋さんも「自分の人生は半ばを過ぎたな、と思う世代に向けた」といっているくらい)

でも、ぜひ読んでみてください!

圧倒まちがいなし!

文/ 木下琴子

2006年3月からのお付き合い。琴子ちゃんが生まれる前から撮影をさせて頂いてます。小学5年生になった今も記念日ごとには必ず、スタジオやお好きなロケ場所で撮影させて頂いてます。埼玉県からお越し下さいます。幼い頃から、本が好きと撮影のたびに僕に話してくれた琴子ちゃん。読みたい物語がまだまだ沢山あると思うと、これからが楽しみとも話してくれた。そんな琴子ちゃん目線の書評を毎月2回、依頼しています。


編み物のコツは無理せず、無理させずの巻

月水金の編み物教室では三女が産まれる少し前から始まって、産まれて産後の生活が落ち着いてからまた再開して今日。
おばあちゃんとのエピソードや編み物教室で感じた事学んだことを綴ってきたけど、
さてさて三女がいつも編み物教室に同行してくれている事は触れた事がなかったなぁとふと思った。
月水金の中でたくさん編み物をしたり、保存食を学んだり、おばあちゃんとモーニングしながらお喋りしたり…
実はいつも三女も同行してくれているのだ。

三女はいつもどこでもよく寝て、穏やかな性格なのか?はたまた3人目だからいい具合に放ったらかしとでもいうのだろうか?
編み物教室の間だいたいいつも、ぐーすか眠りこけてくれているのだ。
起きている日もあるけど、起きてるときは私の横で糸の端っこを引っ張ってニコニコしながら糸で遊んでいてくれているのだ。

寝てくれたり、ご機嫌で過ごしてくれている間に編み物を一緒にしたり習ったり、喋ったり、お茶をしたりしている。
そんな三女もすくすく成長し、
7か月を超えたころからハイハイをするようになってきて、いつも布団でコロコロしていたのがズンズン動き、目に映る世界が楽しくてあっちこっちに動き出し、ハイハイで私はどこへでも行けるのよ!と言わんばかりに活発に動き、いよいよ今までのようなゆっくり編み物とは行かなくなってきたのだ。

でも月水金がおばあちゃんの楽しみやから編み物出来なくても連れてきてねと言ってくれて最近は編み物もほどほどに、三女をのびのび遊ばせたり、おばあちゃんにたっぷりかまってもらったり、お喋りがメインの編み物教室になってきつつある。
そして三女が寝たタイミングの時は編み物を出してきてちくちくタイムがスタート。
だから三女もおばあちゃんの編み物教室が大好きで心地良さそうに過ごしている。
無理なく自分のペースを大事にされてることを感じているのかなぁと思う。

前にも増してのスローペースな編み物教室だけど、編み物はこうじゃないとあかんのよ、といつも言われる。
疲れるほどしない事、煮詰まるほどしないこと、今はお母さんの時間の隙間にすることを大事にね!と。すると楽しく長く続いて、みんなに喜んでもらえるよ。とおばあちゃんは私に言う。
だから私もその部分は本当に大事にしたいなぁとおばあちゃんがみんなに喜んでもらってる編み物ライフを見ていて思う。
無理してしない、無理矢理しない。まわりにも無理させない。
編み物と一緒に習ったこと。
でもきっとこれは、おばあちゃんの編み物教室だからこそ、教えてもらえ事なのだろうとありがたく思う。他の編み物教室では技術は習えても、ここのところは習えなかったかもしれない。

そのペースだからきっと細々だけど、長く長く楽しみたいし、おばあちゃんみたいでありたいからそのペースでこれからも編んでゆきたい。
今しかないこどもたちの姿を見ながら、思いながら、今日もこども達が寝た後にちくちく。
不思議とその時間が脳内がリセットされ、心地よく病みつきになる。
なるほどなぁ、きっとおばあちゃんもそうしてきたんだな。
編み物に出会えてよかった。
おばあちゃんに教えてもらう編み物に出会えてよかった。

次女が着てるこのセーターは、私が小さい頃着ていたもの。
もちろんおばあちゃんの手編み。
手編みは次の代次の代へと大事に受け継いで着たくなるから不思議。
次女もお気に入りで毎年クリスマスの時期はたくさん着ている。

写真・文 / 田畑由布子

こどもちゃん達が生まれる前の、2012年11月からのお付き合い。葵子ちゃん・季なりちゃん・糸喜ちゃんの3姉妹5人家族になった今も年に2回、必ずスタジオや名張市のご自宅で撮影させて頂いてます。編み物の師匠・おばあちゃんのお話しを聴かせてくれたユフコちゃん。面白くてあったかくて、色んな人にも聴いてほしいと思い、毎月2回、綴ってもらってます。


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ムクドリは、田んぼや家の周りでも1年中見られる身近な野鳥です。くちばしと足はオレンジ色をしています。「キュルキュル、ギャー」などと鳴き、よく群れで行動しています。3年前の春におじいちゃんの家の雨戸の間にムクドリが巣を作りました。ムクドリが巣から落ちた時には助けたりもしました。1羽が足をけがしたけど、無事に全員巣立つことができました。好きな所は、目が大きいし、てくてく歩いておもしろいところです。身近な鳥もじっくり観察すると色んな発見があるので、ぜひ観察してみてください。

ここでクイズです。ムクドリは漢字で何と書くでしょう。

1、無口鳥

2、椋鳥

3、鶲雀鳥

答えは次の鳥図かんで発表します。最後に、前のクイズの答えを発表します。

正解は 3、「キセキレイ」「ハクセキレイ」「セグロセキレイ」

の順でした。

絵・文/ 中野響

お姉ちゃんとひーくんが生まれる前の、2005年10月から撮影をさせて頂いてます。今も2~3年に1回は必ず、スタジオや城陽のご自宅で撮ってます。小学5年生になったひーくんは、この前の撮影の時に鳥に魅せられていると話してくれた。それが小学生レベルの鳥好きの話ではなく、僕からすればもう学者レベル。しかも視点がユーモラスなのでこれはスゴイ!是非、図鑑を作ろうと盛り上がり、WEBという形で毎月2回、発表してもらっています。

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