お客さんのコラム8/10版

オペを乗り越えたセーターの巻

先日夫に編んでいたセーターがようやく完成。
三國万里子さん図案。
「うれしいセーター」の中で星野源さんの為に編まれたセーター“GEN”
簡単な編み方なのだけど、いろんなパターンの失敗を沢山してすごーーーくいい経験になった一品になった。
夫のだという事で、気楽に編めたのがよかった。
編み物教室でおばあちゃん師匠に教えてもらいながら図案を辿って編んでゆく。

モヘアウールの毛糸の風合いを生かすようにローゲージで編んでいたら、なんか大きくないか…??でも目数は合ってるしなぁ。と思いながらちょっとずつ不安がぐるぐる。
やはり完成予定よりも遥かに大きくなってしまった。目数は確かに合ってるけど、センチが図案と大誤差!(ゲージ通りに編めていなかったのです。)
前見頃と後ろ身頃が出来た時に夫に試着を頼んだら、ワンピースのセーターのようになってしまい大笑い。
笑ったはいいが、いやいや笑い事じゃない。
やはり、初心者マークの私。
ゲージ通りに編めていなかった事に気づき、目数ばかりじゃなく、センチを測ったりゲージ通りに編むことの大事さも知る。
さてどうしよう。
布のように大きかったら裁断というわけにもいかず。
でももう完成は目の前でここまできて、糸を解くわけにももう行かない。どうやったら少し小さくなるか、頭でグルグル。
乾燥機にかけて縮めたろかな…いや風合いも無くなってしまう上に、一か八かすぎる。
兎に角、おばあちゃん師匠に相談。
ふむふむ。…ちょっと手術しよか。
と言ってまさかの大きくなった前見頃、後見頃をチョキーーーン!!!!
うそーーー!できるん?大丈夫?汗が出る。
かなり衝撃。そもそも布とは違って切ってどうにかなるとは思ってなかったのでかなりびっくり。
そこから切ったところの目を一つ一つ拾い、また編んで広げて行き、修正。
見事手術成功。

おばあちゃん、セーターの手術もできるんか、、。
まさに神の手でした。
聞けばおばあちゃんは買ったセーターでも自分のサイズに直したり出来るそう。

なかなかの気の遠くなる作業だけど、神の手裁きは鮮やかで、わたしの目指すところはまだまだ遠いな、と思いつつ。こんな事出来たら無敵だよなぁと思う。

ワンピースほど長かったセーターも無事、夫の見頃にあったサイズに。

この暑い暑い真夏の日、
最高気温37度越えの日に夫に無事
ウールのセーターをプレゼントできたのでした。

だけど、このセーターは神の手なしには
完成せず。
…なんだか自分自身に悔しくなってきて、
復習のつもりで、もう一度色違いで編み始めてる今日このごろ。
今度は師匠の手術必要なしに、失敗を経験にして完成させるつもりマンマンでこの暑い暑い日に今日もウールのセーターをちくちくしています。

写真・文 / 田畑由布子

2012年11月からのお付き合い。葵子ちゃん・季なりちゃん・糸喜ちゃんの3姉妹5人家族になった今も年に2回、必ずスタジオや名張市のご自宅で撮影させて頂いてます。編み物の師匠・おばあちゃんのお話しを聴かせてくれたユフコちゃん。面白くてあったかくて、色んな人にも聴いてほしいと思い、毎月2回、綴ってもらってます。


⑦「Sukkuのファッションリーダーは、寝ても覚めてもお目目パッチリ」

Sukkuにはファッションリーダーがいます。
ファッションリーダーの名前は、玉ちゃん(仮名)。
玉ちゃんは以前、居酒屋の女将さんをされていました。少ししゃがれた声と濃すぎるくらいのアイメイクがチャームポイントで、笑った顔がとても素敵な可愛い方です。
そんな玉ちゃんは70歳代前半、ご主人を亡くされてからは子供さんの家の近くで一人暮らしをされています。一人暮らしと言っても毎日子供さんが見に来るし、娘さんと温泉に行ったり、大好きなマクドナルドで友達とお茶をしたり、大衆演劇のアイドルを追っかけたりと、自分の時間をとても楽しんでおられる方です。
そんな毎日を楽しんでいる玉ちゃんは、とてもおしゃれな方です。
お化粧は毎回ばっちりしてますし、服のセンスもなかなかよくて、髪は茶髪のショートヘア。右耳だけにピアスをつけるというこだわり。そして、ベストがとてもよく似合います。
つい先日も自宅まで迎えに行くと、黒のレースのシースルー長袖に、ジーンズタイプの白のベストとパンツというファッションで待ってくれていました。。
しかし・・その姿を見た私は「ギョギョ!」驚きの声をあげてしまいました。
ベストは前開き、黒レースのシースルー長袖からは下着が透けてほぼ丸見えだったのです!しかも、色は黒。思わず玉ちゃんに「その格好でいいの?」と問いましたが、玉ちゃんはいつもの少ししゃがれた声で「何がおかしいんやな!」と半ば逆切れ状態。これは言ってもしゃーないと思い、そのまま車でSukkuへ。
Sukkuへ入るなりスタッフが「玉ちゃん!その格好どうしたん!?」と慌てて聞くと、「どうもあらへん。」と言います。いやいや、白のパンツとベスト、そして黒のレースのシースルーから黒の下着が丸見え状態・・これは、もうセクシーを超えています。このままでは、ほかの男性利用者さんも運動に集中できない状態になりそう・・・。どうしようかと思いましたが、幸い今回のベストはボタンがありました。前のボタンを閉めてもらい、ぎりぎり胸元が見えるか見えないか・・の状態になりました。そして、無事にリハビリも終わり家に送っていきました。
翌週の利用時、会うなり恥ずかしそうに笑いながら「私すごい格好やったな。」と言われました。聞くと、帰ってから自分の格好を鏡で見て、セクシーすぎてびっくりしたとのこと。玉ちゃん、家出る前にしっかり確認しなはれ。
そんな、少しおっちょこちょいなところがある玉ちゃんは、元気そうに見えて色々と病気を持っておられます。
そして、その病気や内服の関係でよく眠たい眠たいとおっしゃられ、ベッドでのリハビリ中はすぐに眠ってしまいます。先日も来るなり、今日はめっちゃ眠たい!と言っていました。そして例によってベッドでのリハビリ中にご就寝されたので、あえて起こさずに、いつになったら起きるのかをみんなでじーっと見ることにしました。ほかの利用者さんが一人で寝ている玉ちゃんを見て、「玉ちゃん、全然動かないけど大丈夫?」と口々に言います。そうなんです。アイメイクばっちりの玉ちゃんは、目を閉じていても目を開けているようにしか見えません。だから、周りの人たちには、目を大きく開けながら横たわっている人にしか見えないのです。
その日は、皆に寝ている姿を見られながら約1時間ぐっすり寝ておられました。起きた時はみんな、「お~」「やっぱり寝てたんや~」の声。本人は何のことかわからないので「は~。よく寝た。」とすっきりした顔に。
結局その日は家に帰って、またよく寝たとのこと・・。
寝る子は育つと言いますが、Sukkuのファッションリーダーは、身体は休めていても、お目目は休みません。  (おしまい)

次回は「開設して3年。転落事故1件。骨折1名。どちらも同じ人です。」

写真・文/ 川瀬啓介・未央

Sukku 川瀬啓介 / 未央 (理学療法士・鍼灸師 / 鍼灸師)
〒622-0002 京都府南丹市園部町美園町4-16-38

TEL 0771-62-0005

2017年から京都の南丹市でリハビリを中心としたデイサービスをしています。利用者さんと過ごす時間は、笑い声と涙が入り混じる賑やかな毎日です。そんなささやかな日常、会話から気付かされること、そして個性派揃いのスタッフについて…これから色々な事を綴っていこうと思います。

2011年11月からのお付き合い。楓くん・緑くんが生まれる前から撮影をさせて頂いていて、今も1年に1回は必ずスタジオ撮影にお越し下さいます。Sukkuというデイサービスの屋号は、佳代が名付けさせて頂きました。飾らない温かさ、自分の好きが明快で、歯切れがよい。けれど、流れる時間はゆっくり。そんなお二人の人柄が大好きで、バランスを崩した時には体を診てもらおうと決めているから安心です。笑いと涙のデイサービスの日々を毎月2回、綴ってもらってます。


『忠吉語録』
 野津恵子 DOOR books

『自主独立農民という仕事』(副題:佐藤忠吉と木次乳業をめぐる人々)
 森まゆみ basilico

前回は帯状疱疹にかかり、お休みしてしまいました。いつも読んでくださっているみなさん、すみません。わたし自身、ほかのみなさんのコラムを毎回楽しみにしていますので、申し訳なかったなあと思っています。おかげで今はすっかりよくなりました。
 さて今日は、おわびにと言ってはなんですが、2冊の本をとりあげます。

出雲の地に「木次(きすき)乳業」があります。日本で初めて低温殺菌牛乳(パスチャライズ牛乳)を開発したところです。人の体に有害な菌を殺菌し、有用なタンパク質やカルシウム、乳酸菌を極力活かす製法です。
 その創業者、佐藤忠吉さん。忠吉さんの言葉を、地元のお母さんがまとめられたものが『忠吉語録』。一方、『自主独立農民という仕事』は、作家の森まゆみさんが書かれた、彼の評伝です。

 わたしたちはいま、このコロナ禍という奇妙な日常を生きる中、生き方を見直さないといけないという思いを、これまで以上に肌で感じています。大量流通、大量消費……。ことに食の問題はその筆頭でしょう。

 現在100歳を越えられている忠吉さんが、75年前の終戦直後、まず考えたのがそのことでした。もともと農村中心だった日本の政策は、工業を軸にすえた近代化をめざし、農の分野もコスト削減、大量生産に転換しました。それは今でもずっと続いています。

 しかしそれで、体にほんとうにいいものが作れるのか? そう考えた忠吉さんが目指したものが、「自主独立農民という仕事」でした。効率やもうけにがんじがらめになった農業から自由になって、まず自分の体にいいもの、おいしいものを追求する。地域を中心にした小さな範囲で食べ物をつくり、余ったものを周囲に分けるやり方。欲はかかない。

 その考えを基本に置き、行政のことは「ムス」。これは出雲弁で「無視」のことだそうです。上の言いなりにはならない。自分の頭で考え、自分で決める。ただそこで面白いのは、忠吉さんはそんな厳しいことを言いながらも、「イイカゲンでいい」「そげなたいそうなもんではない」、とも言います。もちろん彼は、本気で考え、本気で取り組みますが、そこからずれるものや失敗、やり直しがあってもいい。そういう柔軟さをもっているのです。芯はとおっているからぶれない。でもぶれたことを許す器量をもっているのです。そこが農民忠吉さんのしたたかさというか、ねばり腰だなあと思うのです。

 忠吉さんのユニークさはまだまだあります。「地方は活性化ではなく、鎮静化がよい」。ほどよい小ささで、自分たちでやっていけるように備える。できないことは周りのできる人に助けてもらう。「活性化は競争、沈静化は共存」「自立と共生」という考えです。

 また、食べるものは粗食が基本。でもたまにはお酒も暴食も。「あんたの作ったもんは食べられへん、では人間関係がこわれるでしょう」と。ここになんとも言えないかしこさとやさしさを感じます。

 牛の病気、災害、幼い息子の死……。忠吉さんは多くの不幸にも見舞われますが、そのたびに立ち上がります。そこには「難行を易行に」という考えがありました。「人は不幸がある方が一生懸命生きようとする」「不幸に遭遇してこそ人の痛みがわかる」「災害は不幸ではなく、受けたら、人生を見直す機会にすればいい」ということです。たいへんな目にあっても、それを乗りこえることを楽しもう。言うは易し行うは難しですが、今こそ心得ておきたい言葉です。

 この2冊は補い合う関係になっています。どうぞ読んでみてください。

写真・文/ 中務秀子

2018年・第27期のフィルムカメラ教室の生徒さんとして、お付き合いが始まりました。今もフィルムカメラを続けてらして、二眼レフカメラにも挑戦中。こどもと大人の絵画造形教室 / コッコ・アトリエを京都の一乗寺でお仲間とされています。昔は学芸員や翻訳のお仕事をされていて、しかもなんと早稲田の文学部卒。道理でデコさんは本好き、映画好き、芸術好き、お話好きなはずです。でもとても自由で全然気取ってない表現がお好きな所に、勝手に親近感を覚えさせてくれる先輩であり心友です。

コッコアトリエ・HP → ●


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コチドリは、田んぼや川原などにいる小さい鳥です。

京都府の鴨川でよく見られるけれど、砂や石の色に似ているから見つけにくいです。足はきれいなオレンジ色をしています。そうがん鏡を使って観察してみるとおもしろいと思います。春は、コチドリのはんしょくをする時期なので、たまごを産みます。その時にカラスなどにたまごをねらわれた時に、親はけがをしたふりをして気をそらす行動をします。ぼくがおもしろいと思ったところは、コチドリが1羽見つかると、どんどん見つけられて最後に数えると15羽ぐらい、いることがあるところです。なのであきらめずに探すとたくさん見れることがあります。

最後に前回のクイズの答えを発表します。

正解は、

1の2種でした。

絵・文/ 中野響

2005年10月からのお付き合い。ひーくんとお姉ちゃんが生まれる前から撮影をさせて頂いてます。今も2~3年に1回は必ず、スタジオや城陽のご自宅で撮ってます。小学5年生になったひーくんは、この前の撮影の時に鳥に魅せられていると話してくれた。それが小学生レベルの鳥好きの話ではなく、僕からすればもう学者レベル。しかも視点がユーモラスなのでこれはスゴイ!是非、図鑑を作ろうと盛り上がり、WEBという形で毎月2回、発表してもらっています。


『サクラ咲く』辻村深月

若美谷中学二年生の朋彦のところに、転校生がやってくる。眼鏡の転校生は、何やら秘密があるようで…(「約束の場所、約束の時間」)

本好きの中学一年生・塚原マチは、図書室の本にはさまれた「サクラチル」と書かれた便せんを見つける。やがて、顔の見えない文通が始まるが…。(「サクラ咲く」)

映画同好会・一平。映画の主演女優候補・立花亜麻里になんとか出てもらおうと奮闘するも、彼女からある条件を出され..(「世界一美しい宝石」)

青春のシーンを描いた三編を収録。実は実は、3つの話は、ちょっとずつ〇〇〇しているので、読み終えたら驚きです!感動します!

辻村さんの作品には、時折あるのだそう。探してみたいです。

主人公の成長が、共感できる細部の心情が、すばらしいです!

3つの話は、それぞれバラバラの所にのっていたのに、〇〇〇しているなんて….!

ぜひ読んでみて下さい!

文/ 木下琴子

2006年3月からのお付き合い。琴子ちゃんが生まれる前から撮影をさせて頂いてます。小学5年生になった今も記念日ごとには必ず、スタジオやお好きなロケ場所で撮影させて頂いてます。埼玉県からお越し下さいます。幼い頃から、本が好きと撮影のたびに僕に話してくれた琴子ちゃん。読みたい物語がまだまだ沢山あると思うと、これからが楽しみとも話してくれた。そんな琴子ちゃん目線の書評を毎月2回、依頼しています。