お客さんのコラム6/25版

時々編み物じゃない日の巻

今日は編み物教室の日の編み物じゃない日の話を少し挟みます。マスクが不足して、手作りマスクが世の中に出回る頃、編み物の師匠であり手芸が得意な私の祖母もやはりマスクを大量に作ってまわりの人たちに配っている。
ちょっとお茶しに遊びにきた友達に配り、
用事で行った所で配り、近所で配り、
病院で出会った人に配り、家族に配り、
「今はこれが一番喜ばれる」と言って月水金の編み物教室に家に行くとここはマスク屋さん?と思うほどのマスクの型紙をとった布が並んでいた。
こんな布で作ったらかわいいかと思ってと言って、かわいい柄を選んで作っていた。
こんなんできたけどどう?
とおばあちゃんがマスクして見せてくれて、大笑い!
大きな丸い柄が二つ、ちょうど鼻のあたりにきて、マスクすると豚の鼻みたいになっていた!!「おばあちゃん、豚の鼻になってる!!!」
二人で大笑い、鏡見て涙出るほど笑って今日の編み物教室は終わり。


編み物教室と言っても、編み物をしないなんてこともしばしば。
ある日は、おばあちゃんとコーヒー飲んで、サンドイッチを食べて喋って「由布子、ちょっといい子で待っときや」と言って
買い物に行ってしまうおばあちゃん。
そんな日もあったり。
そんなゆるゆるな編み物教室が、ゆるりと続き、今は私は夫のセーターを編んでいるのだ。三國万里子さんレシピの、星野源さんの為に作られたGEN。
本を見ながら、図面を理解してまさかセーターを編む日がくるなんて。
ゆるゆる、楽しく、時折脱線。
そんなのだから続いている日々。
もうライフワークになってきつつ、とても楽しい編み物の日々。

ちなみにおばあちゃんの手作りマスクは配り歩いて色んな人のところに手に渡り、市内で雑貨屋さんをしている方の目に留まり、是非うちに手作りマスクを置きたいので、縫い子をしてくれないか?と言われ、今は縫い子をしているのだ!笑
その数100枚近く…!!
相変わらず忙しい、わたしの編み物の師匠なのだ。

写真・文 / 田畑由布子


④「校長先生のありがたいおはなし」

梅雨入りして、じめっとした日が多くなってきた今日この頃。
私の天然パーマは湿度70%を超えるともはや制御不能となり、思った通りの髪型になりません。それに、なんとなく身体がだるい。
今日はそんなだるさを吹き飛ばす、小学校の元校長先生岡村さん(仮名)80歳代男性のありがたいおはなしをしましょう。
この方がご利用される日は、男性利用者さんしかおられない日で、利用者さん達曰く“メンズショップの日”だそうです。
そんなメンズショップの日は、元トラック運転手・現役の電気屋・元土建屋・元国鉄社員・元教習所教員など多種多様な男性が集う日です。皆さん話し出すと、よく話しをされます。内容も多種多様。そしてたいていの場合、話しの始まり、きっかけは岡村さんです。岡村さんから話しが始まり、皆がその話しを膨らませ、最後も岡村さんがまとめる。岡村さんが話し始めると、みんないつの間にか生徒のように聞き入ってしまう。利用者さんの中には岡村さんのことを“先生”と呼ぶ人もいます。(実際、その利用者さんの子供さんが教え子)

先日の外出自粛期間中、岡村さんが急に「Sukkuでバーベキューしよう!」と言い出しました。話しはおおいに盛り上がり、他の男性陣もだんだんその気になり、よしやろう!という空気になりました。そこで私が、外出自粛期間中にSukkuが主催することは出来ないから、場所はSukkuで提供するし、岡村さんが発起人となりやりましょう!と伝えると、急にもごもごしだし、尻込みしだしました。そして最終的に「やっぱり密になると危ないからやめましょう!」と皆のやる気に蓋をして、今の話しはなかった事にしてしまったのです。そして、「時間になったし帰ります。」って帰りました。話しの盛り上げ方が最高でしたので、崖から突き落とされた感じになりしばらくぼう然となって岡村さんを見送りました。
また、岡村さんは長年教育現場に立ち続けた人ですから、組織をまとめる事についても色々と経験を持っておられます。その中でも印象的なのは、「チームはまとまりのない方が、良い方向へ進んでいく事が多い」というお話しです。会社組織を運営していると自分と似た考えの人を近くに置き、それ以外の方を遠ざけてしまう事があるけれど、自分と違う意見の人が近くにいることで、違う視点から物事を考えることが出来、結果的に視野が広がるのではないか。という話でした。それを聞いた時私は思わず「岡村さん!たまにはええこと言うやん!」って言ってしまいました。
岡村さんには個人的な相談もします。4月から長男が小学校に通いだしたのですが、私は突然教育父ちゃんになり、勉強についてあれこれ考えるようになっていました。そんな時、岡村さんは「まず学校に行くことを、楽しみにしないといけないんだよ。」って教えてくれました。さらに、「どの親も最初は、普通でいいって言う。でもいつの間にか、親の願望通りに子供を動かそうとするんやな~。」これを聞いて私は何も言えませんでしたが、それからは、子供が今楽しみにしていることを聞き出すようにしています。
 そして岡村さんは、最近地球のことをとても心配しています。今回のコロナも、地球が怒っている。地震や災害が多いのも、地球が怒っているからだと言われます。そして、そう遠くない未来に地球が壊れるかも知れない。そう考えると怖い。といった話をよくされます。
それを聞いて私はいつも思うのです。
岡村さん、Sukkuには自家用車で来られているのですが、行きは前向きで駐車場に入ります。となると当然、帰りはバックで道路に出ます。そう、この時が一番危ないんです。本人はスタッフに、後ろ見てて~と頼まれますが、バックしてる時は窓も開けず、ずっと前を見ながら運転しています。その間スタッフが、岡村さんストップ!車来てる!って叫んでも窓を閉めているので全く聞こえてません。私もスタッフも、何度もひかれそうになっています。だから私は、地球がなくなるかもしれない怖さより、毎回行う岡村さんのバックの誘導の方が怖いんです。
そんな岡村さんは、50名程おられる利用者さんの中で、一番整理整頓が出来ない方です。請求書・領収書は一年近くカバンに入ったままで、自家用車には畑道具がそのまま積んであります。お金もあちこちから出てきます。
私はこの方を見て、話して、いつも心の中で思います。「整理整頓が出来なくても校長先生になれるんや。」そして、家では岡村さんの話しを子供たちに聞かせ、整理整頓が出来なくてもすごい人になれる!だから、片づけが出来なくても大丈夫や!って言ってます。(妻は怒っていますが)
岡村さん、毎回希望になる見本を見せてくれてありがとう!

→次回は「谷本さんのゴルフはアリ地獄!」です。

写真・文/ 川瀬啓介・未央


『ブルックリン・フォリーズ』
 ポール・オースター著 柴田元幸訳 新潮社

マスクがあったかーい、なんて言っていたのがついこないだ、と思ったら、もう一年の半分が過ぎて、マスクが蒸し暑いこのごろです。わたしはそろそろ映画館に行こうかなあと思っていますが、今日はそんな思いを晴らす、まるで映画のような小説をご紹介します。

主人公ネイサンは、50代後半。長年、保険屋として平凡な結婚生活を送ってきました。ところがその平凡さゆえに妻に愛想をつかされ、離婚、離職。と同時に肺癌を患ってしまいます。病がなんとか小康を得たころ、ネイサンはニューヨークのブルックリンでひとり暮らしをはじめます。

 離れて住む一人娘に、「お父さん、ぼやっと生きてちゃ駄目よ」と叱咤され、ネイサンはあることを思いつきます。それは、「人間の愚行の書(ザ・ブック・オブ・ヒューマン・フォリーズ)」を書くこと。人生にはありとあらゆるバカなことが起こります。自分や他人がしでかしたそれを、思いつくまま書き留めていこうというのです。

 そうこうするうち、ネイサンは、長年音信不通だった甥のトムに遭遇します。そして、トムの雇主のハリーや、やはりトムの妹オーロラにも。人生に絶望していた孤独な元保険屋のネイサンのまわりに、いろんな人々が現れてくるのです。そしてその誰もが「元(ex)」を持っていました。元秀才大学院生、元家出少女にして元バンドシンガー、元服役囚……。

 生きているとどうにもならないことが繰り返し起こります。そのたびに「もう駄目だ」と思いながら、なかなか駄目にはならず(というより、駄目にはしてもらえず)、なんとか切り抜けなければなりません。トムの母親が昔言っていたのように、「トム、お天気は変えられないのよ」。「いくつかの物事はそうなっているのであって、受け容れるしかない」という具合に。

 しかし、みなその物事から解放されるべく、その物事がなんなのかわかろうとし、そして解放されるためには、心を開いていかなければならないと理解します。心の扉を開ける鍵はなんでしょう? わたしはそれは、 kindness だと思うのです。誰かを思いやること、想像することです。そしてその誰かと関わっていくこと。

 たとえばネイサンは、この街であらたに親しくなった女性にこう言います(彼女は最近娘につらい目にあわされ、娘を家から叩き出そうかと思っています)。「やめておけよ、ジョイス。パンチにパンチを返すのはよせ。あごをしっかり引けよ。気楽に行けって」と。

 この物語に出てくる人々は、みなごく平凡な無名の人たちです。でも誰の人生もこまごまとした物語にあふれていて(とたえそれが、ネイサンの『愚行の書』にしか記し得ないしょうもないことでも)、彼らが kindness や想像力をもって乗り切っていくことを想像をすると、思わず共感を覚え、わたしはとてもしあわせな気持ちになりました。でもしあわせが、しあわせだけでは終わらないのも人生です。この本はそのことにもそっとふれて、物語を終えているのです。

写真・文/ 中務秀子


ルリビタキは、ひくい山~高い山に住んでいて、オスは全体的にるり色をしていて、おなかは白く、おなかの横はオレンジ色をしています。メスは茶色っぽい色をしています。とてもきれいな色をしているのでぜひ見てもらいたいです。「ヒッチョロチョロチョロリ」などと鳴きます。鳴く時は、高い枝にとまって鳴きます。あんまり人をこわがらないので、ちょっとだけ近づいてみてください。小さいけど、オスは色がはでなのでひくい木を見ていくともっと見つかりやすいと思います。

好きな所は、とてもきれいで他の鳥にくらべて丸っこくてかわいいところです。いつか写真におさめたい鳥です。ぼくがルリビタキを見たところをしょうかいします。

京都府城陽市鴻ノ巣山 オス♂

京都府宇治市大吉山 メス♀

最後に前回のクイズの答えを発表します。正解は

③の冬の貴婦人でした。

絵・文/ 中野響


『かがみの孤城』辻村深月

いじめが原因で中学に行けなくなった安西こころは、ある日部屋の姿見が光っていることに気がつく。鏡の中には、6人のこどもたちがいて、不思議な城があった。

そこにこころと6人を集めた“オオカミさま”は、願いを叶えられるという願いの鍵を探すよう言う。日本時間5時までに城から出ないと、恐ろしいペナルティがあるらしく…。

とまどいながらも城に通うこころたちは…!?

物語の中にたくさんの(本当にめちゃくちゃ!!)伏線が張られています。

最後数ページの大大大どんでん返し!!ものすごいです。読み終えたら、二度見ならぬ二度読みまちがいなし!554ページありますが、一気読みもまちがいなし!私は数日で読み切り、最後に「そういうことかぁー!!」と叫びそうになりました。

本屋大賞を受賞したので、読んでいる人も多いかな?

ストーリーはとっっっってもおもしろいし、心情はリアルだし、すばらしい作品です。

私のイチオシ、ぜひ読んでみてください!!

文/ 木下琴子