なにかに悩んだとき、同世代のミュージシャンならどういう行動をとるだろうと、参考にするのはいつも音楽。
どことなく似ているように思っています。アルバムという響きもそうだし、業界の置かれている状況もそうで、ここ数年で音楽業界は激変しましたね。 みーんなサブスクでCDなどのフィジカルがまったく売れなくなった。 アルバムを聴くという発想も失われていると聞きます。1曲目からラストまでの道筋なんかは必要なくて、それよりも好きな曲だけを選曲してダウンロード、、ベスト盤だけを携えておく。ミュージシャンも早送りされないようにイントロは短く、ソロなしで構成する。 そして一度も手にふれることなく、聴けるんですよね。
写真業界も似ていて、デジタルカメラで何百枚もの画像を撮影して、データをお客さんにメールで送る。写真プリントはもちろん必要ない。 画像が受信できたらそれらを画面で見る。 やっぱり手にふれない。
画像ではなく写真というものはそもそも手にふれるもので、でもふれた瞬間に親から怒られる! 指紋が付くからやめなさいと、、。それくらいとても大切で高貴なものとして扱われていた。よく親の目を盗んで、この手にふれて写真の感触を味わったものです。 レコードやCDも同じで、手に取るときは細心の注意を払って、息を止めてふれる。
ミュージシャンはアルバムをリリースすることを控えてしまって、ライブ活動に大きく舵を切った。 元々の音楽のカタチに戻り始めていると山下達郎さんも話されている。これまでの楽曲のベスト盤的なライブ。しかしそんな中でも新作をリリースし続けるミュージシャンもいる。
さぁ写真はどうなるのでしょう。というか僕はどうする? フィルムで撮影して、そのままプリントせずにデータ化だけしてお客さんに送信。台紙やアルバムのようなフィジカルはもう作らない。
有り得ないでしょう、それは。
自分の表現の半分しか見せてないことになる。 撮影をして、フィルムの美しさが滲み出ている写真をプリントにして、台紙やアルバムという手にふれられるカタチにする。それがSTU:Lのやりたいこと、伝えたいこと。
これからもそこだけは曲げずにやって行こうと思います。
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7/7に長岡京市立図書館でイベントを行います。
10代のこたちとのトークセッション&カメラレッスン。
無料で行いますので、みなさんどうぞいらしてください。
お申込み:075-951-4646(図書館)