スツール

Sukkuのクスッと笑わせて

2024.05.15 更新

 5月の連休も終わり、ようやく普段の生活に慣れてきた今日この頃。
私達川瀬家は本格的な山登りシーズンを迎えるために、時間があれば近郊の山に出向いて
います。先日は滋賀に帰省したついでに、高島市マキノにある赤坂山と三国山に行ってき
ました。登り始めは階段が続き、子供たちはすぐに「疲れた~」と言っていましたが、階
段を乗り越えしばらくすると「先に登っていい?」と聞いてきました。この山は2度目だ
し、危ない所や迷うところは少ないことも分かっていたので先に行かせました。そこから
約1時間、子供の背中を追うも姿は見えず…山頂に着くと、「お父さん、だいぶ待ったで
~」と、清々しい顔で迎えてくれました。
私は数年前から、毎日早朝ウオーキングを行っていて、しかも、4月からは両足に1キロの
重りを巻いて歩いているので、なんとか現状キープしている!と自負していたのですが…
もう足手まといは親なのかも知れません。
子供の成長は早い。

コラム「私の畑の師匠を紹介します!」 


私は、新年を迎えた1月1日に、今年一年の目標・やってみたいこと、新しく挑戦するこ
となんかをいっぱい羅列します。今年は、そのうちの一つに家庭菜園に挑戦!というのが
ありました。年齢を重ねてきたためなのか?自分や家族の食べる物を自分で作りたいと思
うようになってきました。そして、お年寄りが自らの体を痛めながらも、毎日毎日、何時
間も没頭している畑にどれだけの魅力があるのか?それを知りたくて挑戦することに決め
ました。
Sukkuの利用者さんは、現役で畑をされている方や過去に何十年も畑をしていた方が多い
です。そんな方々に家庭菜園を始めると伝えると、皆さん自分の経験をもとにいろいろと
教えてくださいます。でも、皆さん言うことが違います。みんな、オリジナルなんです。
ですので、私は今年1年間、一人の方に意見を聞いてみようと思いました。弟子入りする
なら、この人にしようと決めた方がいたのです。
その方は、88歳の川田さん(仮名)男性です。
長年役所勤めをされ、定年後は京都で有名な和菓子屋の役員を務められました。穏やかで
寡黙。記憶力がすごく良い方で、畑のとこだけでなく、植物に関する知識がとても豊富。
数年前に転倒し、急性硬膜下血腫による開頭術を受けたり、脊柱管狭窄症の手術をしたり
、膝も人工膝関節にしたりと、様々な症状と付き合いながら頑張っておられます。奥さん
を看取ってからは一人暮らしですが、時々京都市内から娘さんが様子を見に来られます。
昔は山登りもされていたので、私たち川瀬家とも話しがよく合います。趣味は、読書です

私はそんな川田さんを、今年から勝手に師匠と呼んでいます。
師匠は、農業関係の高校を卒業されました。なぜ農業関係なのか?川田家は、近くに田や
畑を広く持っておられる地主さん。川田さんはその中でも本家の長男だったらしく、70年
以上も前の田舎では長男は家を継ぐことが当たり前だったそうです。高校三年生の時に、
難関の林野庁の入庁試験を受けて見事合格。配属先も北海道へ決まっていたそうですが、
両親に、北海道に行ってクマに襲われたらどうするんや?本家の長男やで!と問い詰めら
れ、北海道行きは辞退するしかなかったとか。

その後、地元で仕事をしながらも先祖代々の田や畑を守ってこられました。
そんな頼りになりすぎる師匠がいるものの、師匠任せではいけないと思ったので、私も図
書館で本を読んだり、これは!と思う本は購入し、勉強に励む日々。そしてまずは、土作
りから始めました。ちなみに私がトライした野菜は、ジャガイモです。(奥さん曰く、小
学生でも出来るらしいです。)
種イモを植え付け、しばらくすると、かわいらしい芽がいくつも出てきました。その後も
、葉を間引いたり、つぼみをとったり…その都度、師匠に指示を仰ぎ、手を動かします。
今ジャガイモは、順調にすくすくと成長しています。6月には収穫の予定です。
人生初の野菜作り、収穫はどうだったのか?次回のコラムでお伝えできそうです。
ちなみに師匠の畑はどうなっているのか?
送迎時に見ていますが、雑草は一本も生えていません。畝(うね)から、ピンと背筋を伸
ばした野菜達が並んでいます。川田さんのように、丁寧に伸びています。
毎日、数時間は畑作業をされます。
膝や腰に痛みはあります。けれど続けておられます。
毎年数本ずつ、庭にある木を伐採し手入れしなくて良いようにもされています。
今住んでおられる家を引き継ぐ人はいないので、いつか必要なくなるからです。
そのための準備もしておられます。
と同時に1か月に1回、同級会にも参加されています。
何十年も続いている、同級会です。
川田さんは、決して欲張らず奢らず同じリズムで生活されています。
私も、師匠のような人になりたい。(おしまい)

次回コラム「さらば校長先生」

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