スツール

Sukkuのクスッと笑わせて

2020.12.25 更新

⑯「週4日の勤務です」

12月は私たちが結婚してから毎年恒例となっている、スツールでの撮影があります。前回のコラム完成後、今年も行ってきました。スツールには撮影に行っているというよりは竹内夫婦と喋りに行っているような感じです。私も子供もあの場所に行くととても気持ちが明るくなります。竹内さんは今私たちが考えていることに耳を傾けてくれます。そして賛同してくれます。その反応を見て、よしこれならいける!と自信を持って次の一歩が踏み出せます。今考えればSukkuの構想を話したときに、それは絶対いける!と言ってくれたのも竹内さんでした。そして、屋号はカヨさんにつけて頂きました。
来年・再来年に向けて色々考えていますが、まずは目の前にいる困っている人に対して何が出来るか考える。それが未来へとつながる道だと信じて、ゆっくりと確実に進もう。

 今年も残すところあと1週間。Sukkuは4回目の年を越せるところまで来ました。
Sukkuには開設当初からのヘビーユーザーが1名おられます。名前は石水さん(仮名)男性で70歳代の方です。この方は、脳出血の後遺症で両手足に麻痺があります。長年、長距離トラックの運転手をしていて、65才になり定年を迎えそろそろ仕事のウエイトを減らそうと考えていた矢先に病気になられました。石水さんはあまり多くを語ることはされませんが、責任感が強い方で、自分に必要なことはコツコツと続けることが出来ます。この病気になった当日も朝から身体の半分が動かしにくかったにも関わらず、自分で運転して仕事場まで行き、職場のスタッフに、こんな身体やししばらく会社を休むと伝えて、自分で運転して病院へ。診察して命が危ないほどの病気と分かり、緊急入院と手術を受けられました。そして、10か月もの入院の後、なんとか杖で歩けるようになったので退院されました。
退院後は病院の外来リハビリに毎日通っておられました。私はそこで石水さんと知り合いました。直接の担当ではなかったのですが、リハビリの様子を見ていても、あまり頑張っているようには見えなくて、ただ淡々とリハビリを受けているといった感じでした。
その後、私が病院を退職しSukkuを開設すると、すぐに利用したいと直接来られたのです。
最初は週2回の利用でしたが、徐々に回数が増えて3年程前から週4回の利用になりました。石水さんは日頃からセニアカーに乗って移動されていますので、自分で来られます。朝は30分前に来て、Sukkuの周りを歩いて身体を動かして、靴の脱着に時間を有するからと15分前に入られます。4年間休まずにその時間通りに来られます。雨の日も雪の日も休まずに自分で来られます。何度か迎えに行きましょうか?と声をかけましたが「いや。自分で来る。」と言われます。
4年間休まずに来れるってすごいですね!って言うと、石水さんは「これは俺の仕事やから。」と一言。
さらに石水さんは、ご利用日には必ずノートに一言を書いて来てくれます。麻痺した手でペンを持って書いて来てくれます。絶対に書きにくいはずですが4年間毎回書いてくれます。そこには、Sukkuの改善点を書いてくれるときもありますし、前日の阪神の結果であったりします。毎回キリっとした気持ちで私たちは目を通させて頂いてます。
病院で見ていた私の石水さんのイメージとは大違いで、実際はとても頑張り屋さんでそれを誰にも見せないのです。

石水さんは多くを語らない方ですが、娘さんが一言「父は愛想も悪いし、怖い顔をしてるけど、犬と子供には好かれるんです。」
私は優しい人の代名詞って、犬と子供に好かれる人だと思うんです。
実際うちの子供たちも石水さんにとてもなついていて、園部のおじいちゃんだと思っている様子。街で見つけると必ず「石水さーん!」と大声で呼び止めます。その都度、石水さんはセニアカーを停めて軽くうなずきます。それだけです。けど、子供たちは大好きです。
昭和の男って多分こんな感じなんでしょうね~。
今となっては、数少ない昭和の匂いを残した人たちを相手に仕事をしつつ、来年は令和3年です。
このコラムに目を通して下さっている読者の方々、今年もありがとうございました。
皆さんやスツールにとって、来年が良い年でありますように。(その前に年末ジャンボ宝くじが当たりますように)   おしまい。

次回 「Sukkuにもカメラマンがいます」

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