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お客さんのコラム8/25版

2020.08.25 更新

おばあちゃんから学ぶ事は多方面。の巻

最近の編み物教室はまずおばあちゃんとモーニングをしながら始まるのがルーティンだった。

美味しいものを持ち寄って、おばあちゃんが淹れてくれたコーヒーで喋りながらサンドイッチや、おやつ、旬のフルーツ、お互いで作りあった野菜のお惣菜の味見品評会をしたり。
だから、珈琲のお供がゴーヤの佃煮の日もあるし、ナスの煮浸しの日もある。
美味しいのが出来ると、編み物教室のモーニングタイムに持って行ったり、おばあちゃんも「美味しいのが出来たから食べてみて」とモーニングに出してくれる。
美味しい〜!どうやって作るの?
とレシピの交換。
そんな話をしながら、「そうそう、おばあちゃんここの編み方教えてほしいねん」と言ってボチボチと編み物教室が始まる。

話をしながらチクチク編む。
笑いながらチクチク編む。

この時間が私はとても呼吸が整う。
ドタバタする日やざわざわする世の中、
イライラしてしまう日もこの時間にありつけば、一呼吸整って、安心する。

チクチク編むこともおばあちゃんとのモーニングもルーティンになっていて、ルーティンというのは生活の根っこみたいなもんに感じている。

おばあちゃんは親身にしている人がたくさんいるので、お盆はあちらこちらにお参りに行くので物凄く忙しい。
毎年20件ほどのお宅のお仏壇に手を合わせにゆく。おばあちゃんは御坊さんなのか?と思うほど。笑
いつだって周りを大切にしているおばあちゃんらしいけど。

当然編み物教室はお盆は自粛しておく。

なので私は家でちくちくと編む。
だけど、このお盆の間はおばあちゃんとのルーティンをして過ごせないせいか、なんだか寂しく物足りない。

編む作業はどこでしても同じことだし、大好きな作業なんだけど、おばあちゃんと編む、この時間の繰り返しが好きなんだなぁと思った。

でも、お盆の編み物教室の休講の間は編み物に失敗しても、おばあちゃんを頼れないので、なんとか自分で解決したり、どうにか考えてやり直ししたりと、黙々と自分で編む手の進歩を感じる期間でもあった。
心地良いルーティンの中にもそこだけに浸かりきるだけでは何かを得るには緩すぎるのかしれない。
こうやってその時その場合ごとに自分なりにバージョンアップも忘れずしながら上達してゆきたいと思った。

それはルーティンの心地良い揺るぎない時間があってこそ。なのかなとも感じる。

私も3人の母。そんなふうに子どもたちがつまづいた時に「ただいま」「あ、おかえり〜!」と安心して心地良く帰る揺るぎない場所があるから、外でも頑張れると思ってもらえるような家庭でありたいなと、
編み物教室のおばあちゃんとから与えてもらったいつもの温かな時間で感じたことでした。

一見ここは編み物教室だけど、編み物を超越して学んだり感じること多し。。

写真・文 / 田畑由布子

こどもちゃん達が生まれる前の、2012年11月からのお付き合い。葵子ちゃん・季なりちゃん・糸喜ちゃんの3姉妹5人家族になった今も年に2回、必ずスタジオや名張市のご自宅で撮影させて頂いてます。編み物の師匠・おばあちゃんのお話しを聴かせてくれたユフコちゃん。面白くてあったかくて、色んな人にも聴いてほしいと思い、毎月2回、綴ってもらってます。


⑧「開設して3年。転落事故1件。骨折1名。どちらも同じ人です。」

8月17日でSukkuは開設して3年が経ちました。
まだ3年。もう3年。石の上にも3年。
3年続けると色々なことが見えてくるようになりました。
最近強く感じている事は、3年続けようが、20年続けようが、1日1日の積み重ね。
一足飛びで進歩しようとしても難しいし、一夜漬けで人間的成長なんてしやしない。
毎日を大切に。
違う毎日を感じる。
そんな思いが日に日に強くなってきている40代。

今回のコラムは、あまり思い出したくない出来事です。
リハビリをメインにしているsukkuでは、歩くことを大事にしています。
普段、家や施設では車いすで移動している方でもSukkuでは、歩いて移動して頂いてます。
杖などの歩行補助具と言われるものを利用し、スタッフが介助して、時間がかかってもすべてのトレーニングが出来なくても歩いてもらいます。
歩くことって、とても大事なのは言うまでもないですが、今まで歩けていた方が病気で歩けなくなると、自信を失う人が多いです。
また、話す練習や麻痺して動かない手のリハビリを拒否しても歩く練習は頑張る人は多いです。
しかし、歩くことはそれなりに転倒の危険性はありますし、実際に何度か転倒されたこともあります。
転倒の危険性が高い方に対しては、スタッフが付いてますので転倒しても軽微なことが多いです。
幸い過去何度かある転倒で捻挫や骨折などのいわゆる重症な怪我はありませんでした。
では、今回のテーマである転落事故なんてあるわけないと思うかも知れませんが、1件だけありました。
あれは忘れもしません。今年の3月17日火曜日の午前の部でした。
その日は、長男・楓の幼稚園の卒園式。その時にはすでにコロナが問題になっていたので、必要最低限の参加者での卒園式でしたので、次男・緑は会社のスタッフにお任せして出席させてもらいました。
私たちにとって初めての子供でしたので、幼稚園での体験は親も子も全てが初体験の毎日でした。また、会社設立とほぼ同時期に入園したので、設立当初の大変な時期を乗り越えてきたこともあり、子供の成長と会社の成長を振り返りながら涙涙の卒園式でした。
感動の卒園式を終えた私たちは、早速、緑のいる会社へ戻りました。
あれっ?緑がいません。
会社の車を見ると助手席で寝ている緑がいます。
私は、午前中にスタッフに遊んでもらって疲れて寝ているんやと思いました。
でも、緑に声をかけると急に泣き出しました。抱っこをしようとすると、「おとうちゃーん。うでがいたいー。」と大泣き状態に。
私が腕を触り挙げようとすると「いーたーいー。あがらへーん。」
冷汗が出てきました。これは、ただの打撲ではない…。
スタッフにどうしたのか聞くと、両親がいない間、ここぞとばかりに好き放題にしていて、平行棒を鉄棒の様にぶら下がっていたら手を放してしまいそのまま肩から転落…
そして、大号泣。「おかあちゃんとこかえるー。」を連発。
困ったスタッフが車にお菓子とDVDを準備して、「もうすぐ帰ってくるから。DVD見るか?」と言いようやく泣き止む。DVD見る。泣き疲れて寝る。そこへ私たちが帰る。
奥さん、着物のまま病院へ直行。診断名「左鎖骨骨折」全治4週間。
卒園式のジーンとした感情は一瞬でどっか行ってしまいました。
両親一度も骨折したことないのに..4歳で骨折。
幸いにも、手術はせずに保存療法でいけるとのこと。
服を着せたり脱がせたりするたび、「いたーい。」
骨折のことなど忘れて遊んで、左肩を壁にぶつけて、「いたーい。」
なかなか大変でしたが、若いってやっぱり素晴らしい。1週間ぐらいでほとんど痛みもなくなり、2週間で腕も上がるようになり、4週間で骨もきれいにくっつきました。今となっては本人も骨折した場所を間違えるくらい元気になりました。
それでも本人は、会社に来るといつも平行棒を鉄棒の様にして遊んでいるので、次の転落事故もまた起きるんだろうな…と思いながら、「やーめーなーさーい。」と周りから言われる緑でした。(おしまい)

次回は 「大事な会議で前歯が吹っ飛んだスタッフの紹介。」

写真・文/ 川瀬啓介・未央

Sukku 川瀬啓介 / 未央 (理学療法士・鍼灸師 / 鍼灸師)
〒622-0002 京都府南丹市園部町美園町4-16-38

TEL 0771-62-0005

2017年から京都の南丹市でリハビリを中心としたデイサービスをしています。利用者さんと過ごす時間は、笑い声と涙が入り混じる賑やかな毎日です。そんなささやかな日常、会話から気付かされること、そして個性派揃いのスタッフについて…これから色々な事を綴っていこうと思います。

2011年11月からのお付き合い。楓くん・緑くんが生まれる前から撮影をさせて頂いていて、今も1年に1回は必ずスタジオ撮影にお越し下さいます。Sukkuというデイサービスの屋号は、佳代が名付けさせて頂きました。飾らない温かさ、自分の好きが明快で、歯切れがよい。けれど、流れる時間はゆっくり。そんなお二人の人柄が大好きで、バランスを崩した時には体を診てもらおうと決めているから安心です。笑いと涙のデイサービスの日々を毎月2回、綴ってもらってます。


先日このコラムを書こうとしていたその日に、愛猫ももの具合が悪くなりました。ももは17歳。秋には18歳の、人間なら85歳くらいのおばあちゃん猫です。でも童顔で、いつも獣医さんの先生に、ももちゃん若いなあ、きれいやなあ、と言ってもらっています。そのももが朝から吐き続け、あっという間に脱水に。あわてて病院に連れていくと、そのまま入院になりました。

 子どもの頃からずっと動物と暮らしてきたわたしですが、ももは特別な存在です。40代初めに早すぎる更年期障害になり、もうしんどくてしんどくて……。気づかってくれた友人が、自分が飼おうとしていた耳と鼻がピンクの小さな猫を、譲ってくれたのでした。それからわたしは、泊まりがけの旅にも行かないくらい、ももといっしょに暮らしてきました。
 気位が高く、ほかの人には懐かない猫ですが、若い頃は、庭ですずめをねらっていて草の中でぐっすり眠ってしまったり、先住猫のみーちゃんがすりよってくると、うるちゃい! とけとばしちゃうようなお茶目なところがありました。数年前にみーちゃんが亡くなると、急にさみしがり屋の甘えん坊になり、年をとったこの頃は、さらに赤ちゃんがえりをして、もう、べたべた。
 そのももが入院。わたしはすっかり意気消沈しました。猫は気配の動物です。いないとその猫の形の空間がすっぽり抜け落ちてしまったようなさみしさがあるのです。そのとき手に取ったのがこの絵本です。

『このあとどうしちゃおう』
 ヨシタケシンスケ ブロンズ新社

「こないだ おじいちゃんが しんじゃった」と、絵本ははじまります。おじいちゃんの部屋を掃除していた「ぼく」は、1冊のノートをみつけます。「このあとどうしちゃおう」と書かれたそのノートには、おじいちゃんが自分が死んだあと、どうなりたいか、どうしてほしいかが書いてありました。

 おじいちゃんの「このあとの予定」は、まず死んだら「ゆうれいセンター」に行って、透明になってしばらくこの世の様子を見ます。気がすんだら天国へ。天国には、思い出話をなんでも面白がって聴いてくれる神さまや、空の飛び方を教えてくれる楽しい神さまが待っています。そしてそこには、先に亡くなったおばあちゃんがいて、とにかくおさしみがおいしくて、あちこちにおふとんと温泉があるのです。
 天国のおじいちゃんは、いろんな方法でこの世のみんなを見守ります。月になって。通りすがりの赤ちゃんになって。膝にできたかさぶたになって。また、死んだら、滑り台型とか、記念写真が撮れる型とか、いろんな形のお墓をつくってほしいし、記念品もつくってほしいなあ、とおじいちゃんは考えます。たとえばおじいちゃんTシャツとかおじいちゃん映画とか、おじいちゃんランドとか!

 おじいちゃんのノートをみていたら、「ぼく」はワクワクしてきて、天国へ行くのが楽しみになってきました。でも、とぼくは気がつきます。もしかしたらおじいちゃんは、さみしかったのかな、死ぬのがこわかったのかな、と。でもやっぱりおじいちゃん楽しそう……。どっちなんだろう? この先は絵本を読んでみてください。わたしは、もものしばしの不在のさみしさから救われました。はやく元気になって帰ってこないかなあ、もも。

写真・文/ 中務秀子

2018年・第27期のフィルムカメラ教室の生徒さんとして、お付き合いが始まりました。今もフィルムカメラを続けてらして、二眼レフカメラにも挑戦中。こどもと大人の絵画造形教室 / コッコ・アトリエを京都の一乗寺でお仲間とされています。デコさんは本好き、映画好き、芸術好き、お話好き。いわば “忙しいひまじん” です。とても自由で全然気取ってない表現に親近感を覚えさせてくれる先輩であり心友です。

コッコアトリエ・HP → ●

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ミコアイサは、冬にわたって来る白と黒のツートンカラーのカモです。でも、メスは茶色と白をしています。よくもぐって魚などをつかまえます。くちばしは、他のカモに比べて少しかぎ形になっているので魚をにがさないようにできます。ぼくは、京田辺市で1回だけ見たことがあります。その時は、鳥を見始めたころだったからあんまり分からなかったけど今思うと、あの時にもっと見ておいたらよかったと思っています。ミコアイサなどのもぐるカモを見る時は、もぐった時間をはかって見てほしいです。いろんな種類をはかってみて、比べたり順位をつけたりするとおもしろいと思います。

ここでクイズです。ミコアイサはこの3つの中でどこに巣を作るでしょう。

1.電柱などの高い場所

2.池や川の底

3.水辺の土手や樹洞

答えは次の鳥図かんで発表します。鳥図かんは次で10回目なので今までにしょうかいした鳥の仲間との見分け方をしょうかいします。

絵・文/ 中野響

上の絵は、響くんが暮らす京都府城陽市の風景とカワセミを、夏休み中に描いた絵とのことです。LINEで送って来てくれました。とっても生き生きした絵なので、皆さんにも見て頂きたいと思います。

お姉ちゃんとひーくんが生まれる前の、2005年10月から撮影をさせて頂いてます。今も2~3年に1回は必ず、スタジオや城陽のご自宅で撮ってます。小学5年生になったひーくんは、この前の撮影の時に鳥に魅せられていると話してくれた。それが小学生レベルの鳥好きの話ではなく、僕からすればもう学者レベル。しかも視点がユーモラスなのでこれはスゴイ!是非、図鑑を作ろうと盛り上がり、WEBという形で毎月2回、発表してもらっています。


『空色勾玉』荻原規子

村娘・狭也はある日、「闇(くら)」の氏族の巫女姫だと告げられる。自分が闇(くら)の生まれと認めたくない狭也は輝(かぐ)の宮へと行くが、宮の神殿で夢を見ていた輝(かぐ)の末子、稚羽矢と出会い、狭也の運命は大きく変わっていく。

日本の神話を下敷きにして書かれたファンタジーです。狭也と稚羽矢の関係性が、すてきだと思います。

絶対に死なず、傷を受けても回復する輝(かぐ)の一族と、死んで生まれ変わり、くり返す闇(くら)の一族。狭也が、いつまでも若く美しい輝(かぐ)の一族に憧れる気持ちはなんだかわかる気がします。

幼く、世間を知らなかった稚羽矢と、村娘で自分の生まれを受け入れられない狭也が出会い、ひかれていくようすがいいと思います。

勾玉三部作の一冊目、おすすめです!

文/ 木下琴子

2006年3月からのお付き合い。琴子ちゃんが生まれる前から撮影をさせて頂いてます。小学5年生になった今も記念日ごとには必ず、スタジオやお好きなロケ場所で撮影させて頂いてます。埼玉県からお越し下さいます。幼い頃から、本が好きと撮影のたびに僕に話してくれた琴子ちゃん。読みたい物語がまだまだ沢山あると思うと、これからが楽しみとも話してくれた。そんな琴子ちゃん目線の書評を毎月2回、依頼しています。

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