スツール

お客さんのコラム12/10版

2020.12.10 更新

⑮「ひ孫やと思てます」その2

前回から続いている益代さんとその家族ですが、いよいよ益代さんの紹介です。
益代さんは、もともと膝と腰が悪かったのですが、交通事故で大腿骨を骨折、さらに大腸の病気にかかったりと怪我や病気が増えてきて歩行が不安定になってきたのです。

益代さんは出会った時からすっごく真面目で、とっても面白い方でした。昔から少し耳が遠いので聞き間違いが多く、その間違え方が面白いし可愛いのです。最近はマスクをしながら話しをするので、ほとんどが聞き間違え。違う方を呼んでいても「はーい。」逆に後ろから益代さん!と呼んでもほとんど反応なし。近頃では、聞こえていないのに返事しているぞこの人!というのまで分かるようになってきました。

そんな益代さんはイケメン俳優が大好きです。先日も好きな俳優を、漢字に読み方まで付けて嬉しそうに書いてきてくれたのですが・・・。
三浦 新 (みうら あらた)
松坂 桃季 (まつざか とうき)
竹内 豊 (たけうち ゆたか)
小栗 旬(おぐり じゅん)
残念です。
見事に少しずつ間違っています。
けどこんな間違いはしょっちゅうです。

そして、ファッションにもこだわりあり、なかなかなオシャレさんなのです。
最近のファッションは、首にはカラフルなストールを巻き、ロングコートを羽織ります。
そのロングコートはストライプ。けど中のシャツはボーダー。そしてズボンは市松模様。
極めつけは、がま口の財布をとても大きくしたリュックサック。
まるで、個性と個性が喧嘩をしているような格好なのです。けれど、益代さんには不思議と似合っているのです。

益代さんは、記念すべきSukku第一号の救急搬送者でもあります。
あれは、忘れもしません。Sukkuを始めて1年半が経過したときの事です。
トレーニングを始める前に、準備体操をしていたら急に益代さんが「あかん。気分が悪い」と言い出しました。血圧も体温も正常だったのに急変したので皆びっくり。顔色が真っ青になり、天井を向いて痙攣が始まりました。これはあかん!すぐに救急車を呼びました。
痙攣は1・2分で終わりましたが、顔は真っ青のままで担架に乗せられ、近くの病院へ救急搬送されました。そして、検査を受けて付いた診断名がなんと・・・「食あたり」
益代さんが昼食べたカキフライです。食べる前から何かやばいなと思っていたそうですが、カキフライが好きなのでそのまま食べたら・・・
それ以来、益代さんはカキフライを自粛され、Sukkuで天井を見上げる行為はスタッフが怖がるので禁止になりました。

最後に、とっておきのエピソードを。
12月3日は私たちの結婚記念日です。益代さんは、それも覚えてくれています。毎年、その日にとても華やかな花束を送ってくれるのです。もちろん、今年も届きました。お礼の電話をすると益代さんは「私の大事な孫どすから、末永く幸せになって欲しいのどす!」と一言。
こんなにも大事にしていただいているSukku、そして川瀬家は、出会う人達に恵まれ支えて頂いてます。
12月はそんな私たちの1年に1回のお楽しみ。家族みんなで竹内さんに会いに行きます。
(おしまい)

次回「週4日の勤務です」

写真・文/ 川瀬啓介・未央

Sukku 川瀬啓介 / 未央 (理学療法士・鍼灸師 / 鍼灸師)
〒622-0002 京都府南丹市園部町美園町4-16-38

TEL 0771-62-0005

2017年から京都の南丹市でリハビリを中心としたデイサービスをしています。利用者さんと過ごす時間は、笑い声と涙が入り混じる賑やかな毎日です。そんなささやかな日常、会話から気付かされること、そして個性派揃いのスタッフについて…これから色々な事を綴っていこうと思います。

2011年11月からのお付き合い。楓くん・緑くんが生まれる前から撮影をさせて頂いていて、今も1年に1回は必ずスタジオ撮影にお越し下さいます。Sukkuというデイサービスの屋号は、佳代が名付けさせて頂きました。飾らない温かさ、自分の好きが明快で、歯切れがよい。けれど、流れる時間はゆっくり。そんなお二人の人柄が大好きで、バランスを崩した時には体を診てもらおうと決めているから安心です。笑いと涙のデイサービスの日々を毎月2回、綴ってもらってます。


もう12月もなかば。多くの人が、この1年は時間感覚がおかしかった、知らない間に年末を迎えてしまって……と口にしているようですね。わたしもそんなひとりです。
 かつて経験したことのない、つらく不自由な日々のなかにも、楽しみと親切をみつけてゆきたい。そう思ったわたしが、あらたに出会いなおしたものは、編み物でした。

 小学生の頃、おばあちゃんに教えてもらった編み物。中学高校とずっと好きだったのに、受験で最初の中断。その後、家庭をもって復活したものの、わが家にいたのはふたりの息子でした。手編みのセーターよりジャージが好きな彼らに着てもらえなくて、じょじょにわたしの編み物への興味は薄れ、その後長いこと遠ざかっていました。

 それが去年、20数年ぶりに、孫の1年生コブタ(3きょうだいのいちばん上なのです 笑)がいきなり、毛糸編み教えて! と言い出しました。さあて、どうするんだっけ……とおもむろに、指で編む簡単なものから思い出しながら、いっしょにやってみました。すると! なんとも楽しいんです!
 それからは、帽子、かばん、お人形、ベスト、アームウォーマーと、どんどん編んで、こまかな技術も思い出していきました。手が覚えていたんですね。

 おかげで、感染予防でうちにひきこもりがちなり日々も、楽しくすごせました。なにより、つくったものをよろこんでくれる人がいる! それが励みでした。

 きょうご紹介する本も、そんな、ものつくることのよろこびと、わかちあうしあわせを描いた絵本です。

『アンナの赤いオーバー』
 ハリエット・ジィーフェルト文 アニタ・ローベル絵 松川真弓訳

『おばあさんとあひるたち』
 ホープ・ニューウェル作 奥山玲子画 光吉夏弥訳

 アンナは戦争が終わったころに、おかあさんとふたりきりで暮らしていました。お父さんやほかの家族は、戦争で亡くなったのでしょうか? 何も説明はありませんが、ボロボロに壊れた家や、ありものでなんとかしているようなその貧しい暮らしぶりから、おそらくそうなのでしょう。そんな生活のなかでも、アンナはすくすく育ちます。冬になって、いつも着ていたアンナの青いオーバーは、すり切れて、すっかり小さくなってしまいました。

 そこでおかあさんは、うちに残されていたおじいさんの金時計をもって、農場へ出かけます。羊を飼っているお百姓さんに、羊毛と金時計を交換してもらうために。お百姓さんは、春になって羊の毛を刈るまで待っておくれ、と言います。アンナとおかあさんは、気長に待つことにしました。

 お百姓さんに羊毛をわけてもらうと、今度は、糸紡ぎのおばあさんのところに行って、毛糸にしてもらうように頼みます。お礼はきれいなランプです。おばあさんは、わたしはゆっくり紡ぐので、気長に待っていてね、と言いました。

 それから、つぎつぎと、でも時間はたっぷりかけて、毛糸を赤く染め、機屋さんに布を織ってもらい、仕立て家さんにすてきな赤いオーバーに縫ってもらいました。もちろんそれぞれに、うちにあったお礼の品物をすすんで差し出しました。

 そうこうするうちに1年がたち、その年のクリスマスがやってきました。アンナとおかあさんは、去年より、もっているものは少なくなったけれど、赤いオーバーと、もっともっと豊かなものを手にしていたのです。
 いつものように、ラストは読んでのお楽しみ。どうぞ読んでみてくださいね。

 あ、それと、せっかくなので、クリスマス向きのおまけの1冊を。ホープ・ニューウェルの楽しいおはなしに、魔法使いサリーの原画監督などでも有名な、奥山玲子さんの絵本『おばあさんとあひるたち』も、同じようなテーマの、色鉛筆画の愛らしい絵本です。ぜひおすすめします!

写真・文/ 中務秀子

2018年・第27期のフィルムカメラ教室の生徒さんとして、お付き合いが始まりました。今もフィルムカメラを続けてらして、二眼レフカメラにも挑戦中。こどもと大人の絵画造形教室 / コッコ・アトリエを京都の一乗寺でお仲間とされています。デコさんは本好き、映画好き、芸術好き、お話好き。いわば “ 忙しいひまじん ” です。とても自由で全然気取ってない表現に親近感を覚えさせてくれる先輩です。そして心友になりました。

コッコアトリエ・HP → ●

コッコアトリエ・インスタ → ●


支え合いの編み物の巻

毎月10日と25日のスツール通信でのコラム、その間の2週間にも生きてると本当に色々な事が起こるなぁと感じる。
こうやってコラムを書かせてもらう事が日々の区切りになってるから、あっという間に感じながらも日々は濃いものなんだなぁと思う。

前の前のコラムの頃に実父が倒れ、検査や入院などがバタバタとあり大病を患っている事が判明し、これから闘病生活が始まる事になった。

家族中が心配したり不安な日々を過ごした2週間だった。父の心配はもちろん、夫婦仲が良く、自営業をしてるので父と長い時間離れた事ない母がガクッときてしまうんじゃないかと言う心配、父方の祖父母も落ち込んでいる心配、
いろんな心配をし、気を揉んだ。

私と同じようにおばあちゃんも(編み物の師匠の祖母)家族のことをすごく心配していて、父が入院してる間、母を側で支えている。
病院へ通う母はろくに食事とれてないのではと栄養たっぷりの食事を作ったりしている。

そんな事もあり気持ちが落ち着かず、心がざわざわし、時々ものすごい不安な気持ちに押し潰されそうになる時がある瞬間を助けてくれたのは編み物だった。

どんなに不安な時、心配な時でもちくちくと編む時間は無心になれ、いつもと変わらない時間の過ぎ方にすごく救われるのをひしひしと感じた。
月水金の編み物教室、子どもたちが夜寝てから、ちくちくする事でホッと一息つけた。
大丈夫、落ち着こうと思えた。

そんな事をここ最近感じていて、
おばあちゃんには言ってなかったのに、先日おばあちゃんの方から、「居ても立っても居られない時もおばあちゃんは昔から編み物して気持ち落ち着かせてきたりしたよ」と話してくれた。
「手を動かしてると気持ちが救われたり、ちょっと一呼吸おけるもんやの。」と。
そんな話を聞きながら、おばあちゃんもきっと色んな人生を歩んできた中にはきっと居ても立っても居られないほどの辛い経験や悲しい経験もたくさんあったのだろうなぁ、と思った。
編み物している事で、その気持ちを乗り越える手段にはなり得なくても、ちょっと切羽詰まる気持ちを解いてくれたり「ふぅ」と一息つける瞬間に救われる事があるんだなぁと感じた。
編み物じゃなくても例えば、本を読んだり、お料理したり、絵を描いたり、スポーツをしたり、そうやって一息つく為の過ごし方はきっと人それぞれ違ってあるのだろうけど、私やおばあちゃんは編み物がそうなんだなぁと思った。
病と闘う父のために編んだり、寒い中病院へ毎日通う母の為に暖かいハンドウォーマーを編んだり。
編む事で無心になれることももちろん、
今不安と闘う人へ、手編みを贈ることで昨日よりもちょっと気持ちがほぐれるようになれたら…
そうして誰かの為に編むことは同時にこちらの気持ちもすごく救われているんだな。と気づいた。
きっとおばあちゃんもそうなんだろうな。
その話しはしていないけど、そうなんだろうなと密かに共感しているのである。

またいつか、そうなの?と聞いてみよう。

写真・文 / 田畑由布子

こどもちゃん達が生まれる前の、2012年11月からのお付き合い。葵子ちゃん・季なりちゃん・糸喜ちゃんの3姉妹5人家族になった今も年に2回、必ずスタジオや名張市のご自宅で撮影させて頂いてます。編み物の師匠・おばあちゃんのお話しを聴かせてくれたユフコちゃん。面白くてあったかくて、色んな人にも聴いてほしいと思い、毎月2回、綴ってもらってます。


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ホオジロは、林や田んぼで見れるスズメぐらいの鳥です。

その名のとおりほおは白色をしています。

ふだんは「チチッチチッ」と鳴いています。

さえずりは「チョッピーチリーチョ、チーツク」などと鳴き、

「いっぴつけいじょう・つかまりそうろう」と聞きなされています。

おもしろいと思ったところは、「ホオアカ」や「キマユホオジロ」、

「ミママホオジロ」などの似た種がたくさんいるところです。

群れているときもあるので見つけやすいと思います。

ここでクイズです。

ホオジロの聞きなしは前の以外でもう1つあります。

どれでしょう。

1.げんぺいつつじ・茶つつじ

2.チョッチッ・チョットコイ

3.とうきょうとっきょとかきょく

正解は次の鳥図かんにのせます。

最後に前回のクイズの答えを発表します。

正解は、

3.の10枚分(10g)でした。

※聞きなし→野鳥の鳴き声を人の言葉におきかえてきいたもの

絵・文/ 中野響

お姉ちゃんとひーくんが生まれる前の、2005年10月から撮影をさせて頂いてます。今も2~3年に1回は必ず、スタジオや城陽のご自宅で撮ってます。小学5年生になったひーくんは、この前の撮影の時に鳥に魅せられていると話してくれた。それが小学生レベルの鳥好きの話ではなく、僕からすればもう学者レベル。しかも視点がユーモラスなのでこれはスゴイ!是非、図鑑を作ろうと盛り上がり、WEBという形で毎月2回、発表してもらっています。


『カレーライス 教室で出会った重松清』重松清

教科書や問題集によく登場する重松さんの作品を九編収めた短編集です。

(私は3編知っていました)

お父さんとけんか中の「ぼく」、親友と絶交中の「わたし」、クラスでいじめられている「わたし」、吃音のある転校生の「ぼく」….

いろいろな小学生が主人公です。

自分と似ている人がいる?いない?もしかしたら、どこかで目にした話もあるかも。

心情もリアルで、おすすめです。

文・写真/ 木下琴子

2006年3月からのお付き合い。琴子ちゃんが生まれる前から撮影をさせて頂いてます。小学5年生になった今も記念日ごとには必ず、スタジオやお好きなロケ場所で撮影させて頂いてます。埼玉県からお越し下さいます。幼い頃から、本が好きと撮影のたびに僕に話してくれた琴子ちゃん。読みたい物語がまだまだ沢山あると思うと、これからが楽しみとも話してくれた。そんな琴子ちゃん目線の書評を毎月2回、依頼しています。

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