山下達郎 / 僕の中の少年

3月 12 2018

今週はこの曲、「僕の中の少年」の特集です。
これは1988年リリースのアルバム、「僕の中の少年」のラストを飾る、タイトル曲。
ドラマの主題歌・「ゲット・バック・イン・ラブ」、ANAのタイアップCM曲・「踊ろよ、フィッシュ」、HONDA INTEGRAのタイアップCM曲「マーマレイド・グッドバイ」そしてJACCSカードタイアップCM傑作バラード・「蒼氓」が収録されている、いつの時代にも語り継がれる名曲揃いの名盤です。
しかしそれとは裏腹に、CMで踊ろよ、フィッシュがバンバン流れている最中、達郎さんは引退まで考える窮地に追い込まれていたらしい。
表面だけを見ていても全くわからないもんですね、人は。
調子よく見える時ほど、そうではないものです。
人は見えない部分にこそ、真実が隠されていると思う。
HONDA INTEGRAのCMで御馴染みだった、あのサビ“Oh,My Little Sweet Heart~”が印象的な「僕の中の少年」を聴いていた数年前のある日のこと。
それまであまり気に留めてなかった歌い出しに、その日に限って、えっっ?と思った。
何かあると直感的に思い、繰り返し繰り返し聴いて、その意味を探った。
おそらく歌い出しだけで、30回以上はリピートしたと思う。

「とめどなく溢れ出る水晶のつぶやきに~」。

そうか! これは達郎さんの胸の内の悲痛な叫びだと、僕なりの答えが見付かった。
仕事のことで、何ともやりきれない心持ちがしばらく続いていた自分の思いと重なり、恥ずかしながら声を出してボロボロと泣いたのを思い出す。
水晶とはきっと自分の瞳のことで、つぶやきは、とめどなく溢れ出るに掛かっているから、涙だと思った。
達郎は泣いている、上手く行かずに泣いている。
そして、「銀色の風を編みあの人がやって来る」と続く。
歌詞を読み進めるとどうやら、あの人が助けに来てくれるのだ。
しかしあの人?とは誰やろ?
僕の勝手な解釈ですが、それは少年時代の自分!
幼き頃に見た夢をあきらめずに、掴もうとすることがホントの幸せなんじゃないかと、深く清々しく強く考えさせられた。
オレの少年の頃の夢?
おじいちゃんおばあちゃんが京都の上七軒でうどん屋を営んでいたからなのか、母親と市場によく買いもんに行ったからなのか、お店をやりたい!商店をやりたい!というのが、子どもの頃の初めての夢だった。
ある意味叶えられてるから自分は幸せ者だと思った。
そして今これを書いていて、改めてもっと少年時代の夢に近付きたいと強く思う。
別の歌では、1人孤独の内側に向き合う事で、新しい思いが見付かると、達郎さんは歌っている。優しさに満ち溢れた楽曲ばかりだ。
全く色褪せない達郎ワールド、というより、僕自身が歳を重ねる毎にどんどん深い意味に変わって行き、閉塞感のあるこの時代の難局を乗り切る術を教えてくれる達郎ワールドで、お待ちしています。

SOUND→ ◎

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