今週の名言

55.「 人生の旅をゆく2 」

物書き・吉本ばななさん

吉本ばななさんの本が兎に角好きだ。
文体があっけらかんとしていて、とても深刻な話しでも笑いに持って行く。
一旦、ひと笑いを起こした後、まさかの真面目な合点のいくエンディングが必ず待ち受けていてくれる。
特にエッセイを読むと、身も心も吸い込まれ、こんな風な文章を書かなくてはと、
遥か彼方なのに、無性に近づきたくなる。
中でも形容詞の使い方が絶妙で、俺のツボ。
“人生の旅をゆく” “人生の旅をゆく2” がめちゃくちゃ好きで、
今4度目を読んでいる。
あの時は軽く流していた編が、強く心に残ったりする。
ここ数年でこだわりがどんどん減り、あと数ヶ月で50になるからか、
早く色んな事がペチャンコになって、そこから生まれるものを見たいと強く思う。
今日は少しだけを、ばななさんには内緒で抜粋させて頂きます。
共感の極致です。

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三十代から四十代になると、人によってはまだ重い顔をしているのだが、
たいていの人がすっと抜けた顔になる。
ぱっと開けた顔、こだわりのない、なにかをぎゅっと握っていない顔だ。
きっとその顔はだんだんにもっともっと抜けていって、
人は天にかえっていくのだろう。

どれだけの小説を残したかでもなく、どんなに有名になったかでもなく、
少しでも抜けた顔で、あの美しい人みたいな目をして、
こだわりの分量をなるべくゼロにして去っていきたい、そう思う。

カテゴリー: LIFE