夏の親子の孤独な時間。

先週、次男のお陰でとても濃密で有意義な時間を過ごすことが出来た。

京都の公立高校も数年前にようやく制度が変わり、バス停方式の区域制から希望校を選べる方式になった。
逆に言えば、希望を持たなければいけないという事だから、自分を知るという事になる。
中学3年で自分を知る。これまた厄介なことになりそうなので、早めに行動することにした。
次男は中2だけれど、早々にオープンキャンパスに行くことにした。
気になっている高校で部活体験・見学会が行われるので、父と息子の2人で行くことにした。
急きょ決めたから申込みをしていないけれど、どうやら見学は自由に出来るらしい。
きっと何かが起こるという予感を持ちながら出掛けた。

案の定だ。
いきなり2人で途方に暮れた。
3日間の体験・見学会のうち、希望の部活は初日で今日はその3日目だったのだ。
「 ほらな、そうちゃうかなぁと思っててん、ちゃんと調べてきてよ! 」
怒られた。
万が一、体験が出来るかも知れへんし道具一式、持って行きや!っと言ってた手前、責任を感じた。
ユニホームまで着ていたのだから、余計だ。
「 ゴメン! 」
受付で2人、立ちすくんでいると、先生が声を掛けてくれた。
余程、肩を落としていたんだろう、悲愴感が漂う2人に素晴らしい情報を下さった。
「 今日も部活をやると思うので、生徒に聞いてきます。 」
なんて爽やかで、機転の利く先生だ、女神様のように思えた。
すると次男が、「 オレ1人なんか絶対嫌やし! 」
出た~、超ネガティブ発言。
まぁ、しかもまだ2年やから分からんでもないけど、孤独と戦ういい時間を味わえそうやのになぁ。
「 お前、それは勿体ないぞ。高校生の練習を間近で見れるねんぞ! 」
もはや、子供のケンカである。
待つこと5分、制服姿の生徒さんが声を掛けてくれた。
「 よかったらどうぞ! 」
この子も爽やかだなぁ、なんて素晴らしい高校だ。
待っている間も、通り行く生徒さん達がこの怪しい覇気のなくなった親子に、深々と挨拶をしてくれるのだ。
父親がこの学校をとても気に入ってしまったのだ。
「 1人は恥ずかしいって、言うてますねん。」 言ってやった。
すると次男、「 行きます!! 」
何やねんお前それ。と思ったが、グっとこらえて練習場について行った。
そこではまさに、これから始まると言う準備中で、着替えている所、道具の支度をしている所、裏側を全部目撃したのだ。
そして準備運動が始まると、一緒に加わるように促された。
あいつLUCKY。
すると、練習にも加えてもらえることになり、打ち合いが始まったのだ。
先輩の1人のジャージの名前を見て、あっ、長男の先輩であることに気付いた。
噂では聞いていたけど、あの人か、中学時代の憧れのエースは。
すかさず挨拶とお礼に近づいた。
すると先輩から、長岡の中学ですよねーと声を掛けてもらえた。
そうか、長男と次男は顔がソックリやからすぐに分かったんや。
見学日程を間違えたこと、大会前なので一段レベルを上げたがっていること、などなどお伝えした。
さぁ、練習が始まると同時に、高校生に紛れて孤独の時間が始まった。
しばらく見学をしていたのだけれど、帰る様子が全然ない。
ずっと見てるのもやらしいなぁ思い、時々席を外して他の部活を見学し、またチョロチョロと戻っては様子を伺う。
オレもとても孤独だった。
実はそれから3時間、ぶっ通しで練習に参加したのだ。
エース先輩からも直々にアドバイスを貰い、顧問の先生や他の先輩からも優しいお声を掛けてもらい、最後には全員が集合して、円になって、今日はご参加頂いてどうも有難うございました。とお礼まで言って下さったのだ。
時折大胆な一面で自分を覆い尽くせるのに、そういう時にはシャイな次男に戻ってしまい、ペコリと頭を下げただけだ。
こけそうになってしまった。
こういう時は父親が言うしかない。
「 こちらこそ有難うございました。」 大声でお礼を言うと、あぁ青春っていいなぁと思った。
純粋な今の若者は素晴らしいと思った。
そんな生徒さん達と本気でぶつかり合う先生達が、やっぱり羨ましくなった。

僕も妻も長男も人との繋がりで運気を上げてもらっていて、でも次男も遂に運気を上げる瞬間がまさに今日訪れた。
この日を境に一気に登って行くだろう。
夏の親子の孤独な時間。

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