至福の時を味わい尽くす

今朝早く、大阪の神社で撮影をしていた。
雨の予報をものともせず、光さえ木々の間から射し込み、気持ち好い時間が流れた。

2週間前、ある男性から突然お電話があった。
お聞きすると、大阪府大東市でチェーン展開されている美容院の店長さんからだった。
店長さんの丁寧且つ隙のない言葉選びにプロとしての接客の姿勢と、後に見た正確でコンセプトが伝わりやすいHPの作り込み方から、繋がらなければいけないお店なんだろうと容易く想像が付いた。
撮影に関するご相談だった。
女性スタッフが出産のため退社される。
その彼女に写真アルバムをプレゼントしたいという相談だった。
驚きはそれだけでなく、この会社ではスタッフが退社される時には必ず、全店のスタッフが集まり、一日かけて卒業式をするという思いの深さと、それを伝統とし皆が守っていることに驚いた。
数日掛けてストーリーを考えた。
こっそり下見にも行き、イメージが出来上がったところで店長さんに会いに行く事にした。
お互い気持ちが高まっているので、思いが重なり合うのに時間はいらなかった。
そしてボクが立てたストーリーに、すぐさま賛同いただけた。
撮影場所は神社だ。
17名全員が手を清め、本殿に向かう参道を歩き、安産祈願、腹帯をもらい絵馬をかけ、集合写真。
そして妊婦の彼女のポートレート撮影。その間に皆さんには花を一輪ずつ手に持って、待っていてもらった。
みんなが待つ庭へ彼女が行く。
花一輪を持つみんなの様子を見て驚く彼女。
溢れそうな水晶のつぶやきをファインダー越しに見逃さなかった。
ボクの花も用意していてくれた粋な計らいに、空を仰いだ。
大きな花束となり、17の笑顔がそこに並んだ。
各店の店長さんは、したためてもらっていたお手紙を朗読。
彼女の顔には、これまで勤め上げた安堵感と、これから先の輝く光を見つめているように見えた。
カメラマンとしての至福の時を味わい尽くした。

g113

カテゴリー: LIFE