美幌の風

7月末に、北海道網走に12時間滞在という超強行スケジュールの撮影に行ってきた。
このご依頼を受けたのは、昨年の秋頃だった。
今日はその時のことを書きます。
数年前にSTU:Lが特集されたカメラ日和という雑誌を見て、ある日連絡があった。
女性が1人でこの怪しげなスタジオにやって来るだけでもチャレンジャーやのに、網走に撮影に来て欲しいという途轍もない依頼だった。
しかもその内容にこれまた驚いたのだ。
おじいちゃん・おばあちゃんに結婚の報告に行くので、その様子をアルバムに残したい。
せっかくなのでウェディングドレスを着て撮りたい。
彼女のお話を聞いているうちに、これは所謂ウェディングカメラマンが撮るのではなく、ボクにしか撮れへん写真やろなーと直観的に思い、お受けすることにした。
ただ条件を幾つか出した。
「食事会をするレストランの小さな庭で撮影をすることを考えているのですが、どうでしょう?」というご相談を受けたので、北海道と言えば、内地の人間にしたら大空と大地の中で、という松山千春観をイメージするので、場所は空・地・木を感じる所にしたいということをお願いした。
最も、自分が中学1年の時に松山千春のファンクラブに入会していた事は、まさか話していない。
それから秋篠ウェディングチームのメイクさんをお連れしたいということ。
この2点だけ条件を出したのだ。

それから2ヶ月の時が流れたある日、農園を網走で営むという女性の方がSTU:Lに来られた。
こういうのを奇跡と言うしかないだろう。
ボクがこのチャンスを逃すわけがなく、お察しの通りです。
無理を承知で、撮影をする事になった経緯、当日の思い浮かべられるだけのストーリーとプランをお話して、農園をお借りすることをお願いしたのだ。
とっても好いお客さんで、快くほんとに快いお返事をすぐに下さった。

さぁ当日、昼の12時に到着し農園の彼女が空港までお迎えに来てくれて、ラーメンを食べ、オホーツク海を見て、メルヘンの丘を訪れ、ソフトクリームを食べ、いざ下見へ。
小麦畑とジャガイモ畑が果てしなく広がる原風景。
黄金色と、向こうの方に深緑色。
お家の前の広い敷地には、ハーブの花が咲き、大きな白樺が立ち並び、緑の葉が青空に映える。
ここしかない。ここに決めた。
夜は、お客さん夫妻とおじいちゃん・おばあちゃんと寿司を食べた。
ねたの大きさと新鮮な甘味に驚きすぎて、何故か急激にお腹いっぱいになり、全然食べれなかった。
唯一の心残りがこれだ。

翌日の早朝、おじいちゃんおばあちゃんの待つお家でお支度。
写真に打って付けの部屋の様子だった。
花嫁さんが小学生だった頃に書かれた絵が沢山、そのままに飾られていた。
時代は流れても大切なことだけは変わっていない、そんな空気を放っていた。
おじいちゃんは、ダジャレと熱く語るのが好きな書道の先生。
昨夜、寿司が食べれなかったのはきっとおじいちゃんの熱い話のせいだろうと思っている。おばあちゃんは、笑顔と話し方に品を感じる奥ゆかしい人。
さぁみんなで車移動をして、彼女の待つ農園に。

その日は、青空だったけどものすごい強風で、気を抜くと身体が持って行かれそうだった。
でもウェディング日和だ。
ボクは、ウェディングを撮るカメラマンには珍しく無類の風好きなのだ。
なぜならベールが靡く姿が美しい。
強ければ強いほどいいと思っている。
仕上がった写真を見るだけで、風を感じるから。

ゲストが2人の、人前式。
進行は秋篠の森と同じようにして、司会も務めたのだ。
ただ一つだけ違ったこと。
それはおじいちゃんおばあちゃんは、結婚式を挙げてらっしゃらないようで、新郎新婦からのサプライズギフトとして2つのリングが用意されていた。
花嫁からは、おじいちゃんはシャイだからきっと指輪を交換したりせず、誓いのキスなんて持っての外だと聞かされていた。
淡い期待を胸に、その瞬間がやって来た。
新郎新婦から指輪のプレゼント。
すると、満面の笑みのおじいちゃんが震える手でスッと指輪を手に取り、おばあちゃんの指にはめたのだ。
ファインダーを覗く眼と手元に力がこもった。
来たー、ヨッシャー!
花嫁さんと目配せをして、微笑みあった。
するとおじいちゃん、おばあちゃんからのお返しの指輪をを受けないまま、ほっぺにチューをしたのだ。
じぇ? じぇじぇ? じぇじぇじぇじぇじぇーーー?!
そんなバカな、おじいちゃん嘘やろー。
みんなでいっせいに突っ込んだのだ。
やり直ーし。 っていうか、誓いのキスをしてくれるんや。

ラストショットを撮り終え、12時の飛行機で飛び立ちました。
網走の美幌はもう、秋の風だったのを今も憶えている。

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100倍返しだ!

香川県高松市でのイベント、こどもカメラとオトナカメラが夏空とともに終わった。
こどもカメラは、頭のてっぺんから足の先までのジブンの全部に、パワーが宿る。
五感で感じるどころの騒ぎではない。
それはきっと、こども達が純粋で力強い剥き出しのココロをこれでもかという位に浴びせてくるから、こちらもボヤボヤしてる間もなく、ならば倍返しだ!と言わんばかりにありったけの愛でぶつかる。
こどもに何かを残したいなどと思って今年から始めたこどもカメラだけど、それはただの大人のエゴかもしれない。
こどもは実は全ての光る素材を持っている。
やがて日暮れに向かうように、大人になるにつれてどんどん曇り失くして行くのかも知れないな。
その最たるものが純粋さ、だと次第にボクは思うようになった。
純度の高い限りなく透明に近い丸いもの。
大人になるにつれて表面に汚れが着いてその上にまた着いて拭き取ろうともせず、いやもう拭き取れないと信じ込み、いつしか夜になっていた。
でもやがて夜は明ける。
夜明け前が一番暗いけど、拭き取れば明ける。
純粋という言葉からは、何か美しすぎる儚さのような、線の細いか弱さを連想していたけれど、ほんとはとても強靭で他のものを寄せ付けない自由力と集中力を持っていて、それでいて愛に溢れている。
いちばん大切にしなければいけないものだと分かってきた。
これからのジブンは、汚れてしまった丸いものを一旦拭き取って、これでもかというほどにゴシゴシ磨くことだけにに集中する。
ライフワークにするためにも、持ちつ持たれつで繋がろう。
こどもカメラをする次の町のみんな、待っとけよ。
100倍返しだ!

写ルンですでボクが撮りました。
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はやとが撮ってくれました↓
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オトナカメラの生徒さんの千春ちゃんが撮ってくれました↓
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ヨロシク

皆さん、大丈夫ですか?
一昨日から昨日に掛けての台風18号。
強烈な勢力で日本列島を縦断し、その後は何事もなかったかのような光と青空を放つ。
自然の威力を痛感せざるを得なかった。
長岡京市でも近くの川が大変なことになり、近隣には非難勧告が発令されていました。
役所の車が回って来ては、マンホールから水が噴出しているため、2階へお上がり下さいとスピーカーで注意を促している。
我が家は平屋なのだ。
しかし築40年以上のこの家も、トタンと板と透明波板でできているSTU:LとPARTSも、あの暴風雨の中、びくともしなかった。
大工の友人がしっかりと柱を立ててくれたからだな。
みなさんのご無事を祈ります。

本来昨日は、くるみの木初のこども向きイベント、“こどもカメラ”を行う予定でしたが、延期となりました。若干名募集があります。

そして香川・高松にあるまちのシューレ963にて、日曜日にはこどもカメラを行います。きっと晴れるだろう。

夏の疲れは、涼しくなった頃にやって来るようです。
くれぐれも体調にお気をつけ下さいね。
我が家は、次男が鼻水タラ~、耳が聞こえないと言ってるので、今朝病院へ。
長男は喉が痛いと言ってるので、葛根湯。
ヨガのライオンのポーズを教えた。
上方の一点だけを鋭く瞬きをせず睨みつけ、腹からハァーと長ーく息を吐く。
説明してるのに何故かシャ~と言って、攻撃をしてくる。
キャプテン、勉強はいいからしっかり部活をして来い。
佳代は、足の親指の巻き爪が痛そうで真っ赤である。
ボクはと言うと、人生初の松葉杖。
1週間は掛かるらしいですが、高松でもこどもカメラがあるので、必ず3日で治します。病名はみなさん笑っちゃうだろうし、言いません。
幸い、たまたま撮影がない週だったので、制作に専念します。
ネタなので、心配しないで下さいね。
酒が飲めない方が、困ります。

こんな感じで京都・長岡京の竹内家族は元気モリモリです。
そこんとこ、ヨ・ロ・シ・ク。

MONDAY BLUE

こんにちは。
いつも月曜レンズを読んで頂いて、有難うございます。
今日は何を書こかな。
そうそう、何で月曜なんでしょう。
大体の方は日曜にリセットして、月曜からまた1週間やるぞ、となるんでしょうね。
ボクは週末が一番忙しいので、月曜にリセットをする脳と体になっている。
開放される月曜の朝が一番気持ちいい。

カメラを持つことで繋がれた人たちと話している時が、最高の時間。
逆に言えば、丸腰のジブンじゃオタオタしてしまって、実は年々人見知り化している。
でもそれでいいのだと思う。
普段からレンズを通して見ているようで、でもだから何となく、人のことが色々見えてくるから。
彼は、こんなことすればいいのに。 とか、
彼女は、こっちよりあっちの方が向いてそうなのに。 とか。
レンズを通して見たあったかい人たちの事を思い、一旦リセットをする月曜。

今日は誰と会って、どんな話を聞かせてもらえるんだろう。
誰とも会わず、ジブンの内側のパワーを外へ向けるアイディアでも考えるのだろうか。
何れにせよ月曜とは、誰にとっても大切な始まりの日なんだろう。

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生き方。

7月30日に行いました田中美穂植物店さんとのイベント、
「探そう作ろうハイチーズ」
その時に撮影した写真です。
今回は、ボクの心友のクロチャンとコウチャンの2人を紹介します。
いい顔してるでしょ。

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カメラを初めて手にした32歳。
この時、仕事にできたらどんなにいいかと思った。
仕事に悩んでいたからそうだったんだと思う。
趣味として写真を撮ろうと思った事は一度もなく、職業として捉えていた。
今も仕事が趣味、、、 などという意識は僕には全然ない。
カメラは仕事なのである。
ボクがカメラを持つことで、今まで全く知らなかった人と出会い、喜んでもらえて、深く繋がれる。
そこに喜びを感じていた。

ただ、最近色んな活動を進めて行くうちにぼんやりだけれど、
それとは何か少し違う思いがある。

生き方。

仕事というエリアをもう少し頭上高く見下ろした時に、
広がりを感じることができる。
カメラマン道を仕事ではなく、生き方と呼べるようになるのかも知れないと。